ケルビーニ:レクイエム(第1番)ハ短調

ケルビーニ:レクイエム(第1番)ハ短調

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=RpbSvwpyL5A )。1815年、イタリア生まれでパリに在住していた作曲家ケルビーニのもとに、レクイエムの作曲が依頼されます。依頼者は王政復古がなされたばかりのフランス政府(ルイ18世)で、フランス革命時に処刑されたルイ16世を悼む記念式典で演奏する作品を必要としていました。ケルビーニはフランス革命が始まる直前の1788年に移住して以降、フランス革命のほぼ全ての期間をパリで過ごし、数多くの人々が公開処刑されるのを目の当たりにしたことから革命を嫌悪していました。そのため、ルイ16世追悼のためのレクイエムを依頼されたことに彼は感激し、全力で作曲に取り組みます。作品は1816年に完成し、翌1817年1月21日にパリのサン=ドニ大聖堂において、ルイ16世に敬意を表す記念式典で初演され、大成功を収めました。本作の作曲中にケルビーニはフランス政府から王室音楽監督に任命されており、それまでヒット作が少ない中堅オペラ作曲家と見なされていた彼は、レクイエムの成功により優れた宗教音楽の作曲家として一躍注目を浴びることとなります。本作の音楽的特徴としては、声楽において独唱者がいないこと、合唱においてルネサンス音楽を意識したユニゾンの歌唱があること、管弦楽伴奏ではフルートが使われず、バスーンが独立し、ヴィオラに重要性が与えられていて、全体の音色が暗めに響くことが挙げられます。本作は同時代や後世の作曲家をも魅了しており、「もしレクィエムを書けと言われたら、ケルビーニの曲だけを手本にしただろう」と述べたベートーヴェンを筆頭に、ベルリオーズ、シューマン、ブラームスが絶賛したほか、ハンス・フォン・ビューローに至っては「モーツァルトのレクイエムよりも優れている」と評価しました。その後、ケルビーニの作品は時代遅れの烙印を押されて一旦は忘れ去られますが、レクイエムは1950年2月のトスカニーニ指揮NBC交響楽団の録音により再評価され、現代では古典派宗教音楽作品における傑作の1つとされています。なお、ケルビーニは1836年に別の「レクイエム ニ短調」を作曲しており、両者を区別するために本作は「レクイエム第1番」と呼ばれることもあります。 リッカルド・ムーティ指揮ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm41122538