ん、私ともあっちむいてフォニイをやるべき

ん、私ともあっちむいてフォニイをやるべき

初投稿です。「ん、私ともあっちむいてホイをやるべき」彼女は言った。しかし私は大人でずるいから、ルールなんかを持ち出して断ってしまうのだ。してやればいいのに。彼女は少しふくれっ面を浮かべて溜息を吐いた。彼女の目が私を責めているように見えたのは、きっと私がずるいからだ。「先生も今度一緒に、銀行強盗…する?」彼女は言った。しかし私は先生でずるいから、常識なんかを持ち出して断ってしまうのだ。彼女の笑顔に比べたら、些細な事だろうに。彼女は残念そうな顔を隠して、いつかを楽しみにしていると言った。いつかがいつか、触れようとしないのは、きっと私がずるいからだ。そんな事もあったね。私の揺れる頭に遠い記憶が揺蕩った。「ーーーーー」彼女は泣いていた。されど私はずるいから、その涙も拭えないでいる。今更後悔しても遅いのに。「ーーーーー」彼女の声が聞こえない振りをしてしまうのは、きっと私がずるいからだ。吹き付けるビル風は冷たく、彼女の腕が暖かい。路地裏の床は固く、彼女の愛が温かい。この透き通る世界は、ずっと私を拒絶して、かつ抱きしめている。残った力で、指を動かす。彼女は私の震える指先を見つめた。私は青く輝く空を指さした。彼女はそれを追った。君の負けだね、と私が言うと、白い鳥が、一羽。空へ飛び立つのを彼女は見ていた。

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