ラロ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ヘ長調 作品20

ラロ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ヘ長調 作品20

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=MxtLh1Sjnqs )。フランスの作曲家ヴィクトール・アントワーヌ・エドゥアール・ラロ(1823 - 1892)は1845年(22歳)から作曲活動に入りますが、初期に作曲した室内楽曲や歌曲は注目されず、一旦は作曲を止めてヴァイオリンやヴィオラの奏者として演奏活動を行いました。そんな彼の転機となったのは1865年に結婚したことで、これによりラロは作曲への熱意をよみがえらせ、オペラの劇団が主宰する作品コンクールへの応募作を作曲したりするようになります。そして彼の名がフランス音楽界に広まるきっかけとなったのが、1873年に作曲されたヴァイオリン協奏曲第1番 ヘ長調 作品20です。この作品は名ヴァイオリニストであるサラサーテのために作曲され、翌1874年1月18日にパリのコンセール・ナシオナルにてサラサーテ独奏により初演されました。この作品はラロの作品の特徴とされる独創的なリズムと大胆なハーモニーの融合が既になされており、聴衆はこの作品の斬新な要素とサラサーテの演奏技巧に対して拍手喝采で迎え、初演は大成功を収めました。初演での聴衆の熱烈な支持はラロを勇気づけ、彼はその年のうちにサラサーテのために新たなヴァイオリン協奏曲を作曲します。それが「スペイン交響曲」です。ただし、本作が聴衆に受け入れられたのは多分にサラサーテの演奏技巧に負うところが大きく、批評家たちからはあまり高い評価を受けられませんでした。例えば、作品を気に入ったロシアの篤志家フォン・メック夫人がチャイコフスキーに本作を紹介したとき、彼は本作について「奇妙で荒々しいハーモニーに満ちている」とし、彼の大嫌いなムソルグスキーの「音楽的汚物」に匹敵すると酷評しています。そして「スペイン交響曲」の初演がさらなる成功を収めてラロの代表作と評価された結果、ヴァイオリン協奏曲第1番の存在はその陰に隠れ、演奏機会はほとんどなくなってしまいました。キム・ウヒョン(ヴァイオリン)ジャン=ジャック・カントロフ指揮リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42608550