フォーレ:ヴァイオリンソナタ第2番 ホ短調 作品108

フォーレ:ヴァイオリンソナタ第2番 ホ短調 作品108

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=nTx0wjUbajk )。フォーレが1916~17年に作曲したヴァイオリンソナタ第2番 ホ短調 作品108は、1875年に作曲した第1番から42年ぶりに彼が手掛けたヴァイオリンソナタで、1917年11月10日に初演されました。この作品は70歳を過ぎたフォーレがそれまで蓄積した多くの作曲技法の粋を集めて作曲されており、それゆえに有名なフォーレの作品のイメージからかけ離れた「難解さ」が目立つため、ヴァイオリンソナタ第1番とくらべて「作品の魅力に欠ける」と敬遠する演奏家が多く、演奏機会は多くありません。そんな演奏家の一人がフォーレと親交のあったヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイで、フォーレは彼が演奏する前提で本作を作曲していたようですが、イザイは第1番は何度か演奏しているにもかかわらず、本作を演奏することはありませんでした。しかし、完成度の点で本作が第1番を上回る傑作であることに疑いはありません。フォーレと親交のあった作曲家シャルル・ケクランは「1875年のソナタ(第1番)の方が今もってヴァイオリニストたちから好評を博している事実は驚くに値しないが、もしどちらかを選ばねばならないとすれば、それは後に書かれた方(第2番)であろう」と断言しています。なお、ヴァイオリンソナタ第2番の作曲後にフォーレはチェロソナタ2曲、ピアノ五重奏曲第2番、ピアノ三重奏曲、弦楽四重奏曲といった室内楽曲を次々と作曲しており、これら一連の傑作群を生み出す始まりを告げる作品としても、本作は重要な位置づけがなされています。アルトゥール・グリュミオー(ヴァイオリン)ポール・クロスリー(ピアノ)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43005461