バッハ:カンタータ「破れ、砕け、壊て(鎮まれるアイオロス)」BWV205

バッハ:カンタータ「破れ、砕け、壊て(鎮まれるアイオロス)」BWV205

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=P5ceHk_c4Tk )。バッハの世俗カンタータ「破れ、砕け、壊(こぼ)て」BWV205は1725年8月3日、ライプツィヒ大学の哲学を専門とする講師アウグスト・フリードリヒ・ミュラーの命名日祝賀会で初演されました。ミュラーは当時のライプツィヒ大学において人気があった講師で、本作はバッハが学生たち(あるいは大学)から依頼を受けて作曲したと考えられています。本作の台本はギリシャ神話に基づき、風の精が封印された洞窟を開き、地上すべてを破壊しようともくろむ風神の王アイオロス(バス)に対して、西風の精ゼビュロス(テノール)、果実の女神ポモナ(アルト)、そして学術と法の女神パラス=アテナ(ソプラノ)が説得を試みて、アイオロスが怒りを鎮めるというもので、初演時には「鎮まれるアイオロス」の副題が付けられました。楽器編成はバッハが手掛けたカンタータの中でも最大規模で、トランペット3本とホルン2本、ティンパニ、オーボエ2本(オーボエ・ダ・モーレ持ち替え)、フルート2本、ヴィオラ・ダ・モーレ、ヴィオラ・ダ・ガンバ・弦楽器、通奏低音という編成になっています。これほど大規模な編成になったのは、ミュラー邸前での屋外演奏を想定したものと推測されます。本作は上記のような大規模編成のうえ全15曲というバッハのカンタータの中でも演奏時間が長い作品ですが、台本からわかる通りオペラに近い音楽劇であり、観客にもわかりやすい祝典的な作品であることから、比較的演奏機会の多い作品となっています。イヴォンヌ・ケニー(ソプラノ)マルヤーナ・リポヴシェク(アルト)クルト・エクヴィルツ(テノール)ロベルト・ホル(バス)ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスアルノルト・シェーンベルク合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43308397