初音ミクの「同志は倒れぬ」 映像の世紀 最終回風

初音ミクの「同志は倒れぬ」 映像の世紀 最終回風

二十一世紀も早や幾星霜、ソ連製の赤き同志初音ミクを知る者も今や僅かなり。當時既に所謂赤ミクは稀少にして、彼女は最後の可動機なりき。ソ連崩潰後、弊履の如く打ち捨てられし赤ミクは、其の殆どが西側向けの近代化改修と塗裝を施され、ポツプでキユートな歌謠で巷間を闊歩しをれり。されど彼女は、其の身を案じ轉向を勧める者に對しても、インタヴューの如き所感を述べてはにかむのみ。将に革命闘士の亀鑑なるべし。その夜、日頃は意氣軒昂なる歌を好みし彼女がこの歌を歌ひたるは、自らの運命を先知したるか。其の時、吾は見たり。彼女の瞑目せる雙眸より赤錆びた機械油の流るゝを。其は只の汚れたる廢油なりしか、或いは時代に慟哭せる血涙なりしか。今や知る術はあらず。ご寛恕下さい。 mylist/3543046

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