Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=bW01NSqOA7M )。1890年、28歳のドビュッシーが作曲した「スティリー風タランテラ」は、彼の作曲活動が初期から中期に差し掛かる頃の作品です。この年に彼は「夢」「バラード」「ロマンティックなワルツ」といったピアノのための小品を次々と作曲していますが、これらの作品は経済的に困窮していたドビュッシーが出版業者に売るために次々に作曲したもので、本作も翌1891年に出版業者シュダンに売られ、同年のうちに出版されました。「スティリー風タランテラ」という題名はシュダンが名付けたもので、「スティリー」とはかつてオーストリア南部に存在したシュタイアーマルク公国のことですが、実際には「タランテラ」とはイタリア・ナポリの舞曲であり、シュタイアーマルク公国には存在しません。実際、曲はタランテラの特徴に沿ったもので、3/4拍子と6/8拍子のリズムが頻繁に交代し、後のドビュッシーのピアノ作品の特徴が垣間見える佳作です。日本ではあまり演奏されることはありませんが、ドビュッシーの死後にラヴェルが管弦楽用に編曲しており( sm44989444 )、海外では一定の人気を誇っているようです。なお、本作は1903年に別の出版社から楽譜が出版されましたが、そのときには単に「舞曲」の題名が付けられており、このことから現在では「舞曲(スティリー風タランテラ)」と2種類の名前を並べて表記するのが一般的となっています。ゾルターン・コチシュ(ピアノ)