昔、鳥海山の麓に永泉寺(ようせんじ)という古い山寺があり、寺の側を滝渕川(たきぶちがわ)という川が流れていました。季節が秋になると、寺に住み着いたどんくさそうな猫が毎日のように鮭をとってくるようになりました。不思議に思った和尚が川へ行ってみると、鮭が川面を埋め尽くすほどにあふれかえっているではありませんか。原因はどうやら川の中に置かれていた石にあるらしく、この石に鮭がまとわりついて離れないのです。その不思議な石が何かの役に立たないかと和尚が考えていると、話を聞いたある村の漁師が訪ねてきて……/浅間山は大昔から噴火を繰り返している活火山です。天明三年、大噴火を起こした浅間山から、黒煙とともに大量の土石なだれが流れ下り、麓にある鎌原村を飲みこみました。多くの村人が土石なだれの犠牲となり、助かったのは高台にある鎌原観音堂に駆け上るなどした人々だけでした。大量の土砂は、沿岸の家や田畑を飲み込んだほか、河川の氾濫を引き起こし、浅間山から遠く離れた下流地域にも大きな被害をもたらしました。その後、近隣の村の有力者たちが復興に立ち上がり……出演:立川志の太郎、山本真由美、四宮豪、冨田泰代監督:沼田心之介©日本財団 ©一般社団法人日本昔ばなし協会 so44912721 ←前話|次話→ so44912723 第一話→ so42139184