公園は日常的な休息や運動、文化活動の場であると同時に、災害時には極めて重要な役割を担う。避難場所としての機能はもちろん、自衛隊や消防隊の活動拠点、さらには備蓄倉庫としての資材供給基地にもなる。中野区における区民1人当たりの公園面積は約1.4平方メートルにとどまり、これは23区中22位という極めて低い水準だ。都市公園法では、市街地における基準を「1人当たり5平方メートル以上」と定めており、中野区立公園条例もこれに準じている。しかし、この数値はあくまで地域の実情に応じて調整可能な「参酌基準」である。実際に中野区の人口約34万人で計算すると、基準を満たすには170万平方メートルの公園面積が必要となる。これは区全体の面積(約15.59平方キロメートル)の約11%に相当し、中野区でこれほど広大な土地を公園化するのは現実的ではない。ただ、改善策が全くないというわけではない。下記2つの手法を検討することが可能だ。① 公園(営造物公園)は必ずしも公有地である必要はなく、借地契約による整備も可能である。「売却は望まないが、貸付なら応じる」という地主に対し、借地による公園整備を提案することは、用地確保の有効な手段となり得る。② 立体都市公園制度の活用をする。道路や河川の上空、あるいは施設屋上に公園を設置する手法だ。例えば、妙正寺川の上空を活用した公園整備などが考えられる。ただし、これには東京都との協議・許可が不可欠であり、中野区単体の判断ですぐに実施することはできない。また、実効性のある条例への見直しが必要である。将来的な理想として、「1人当たり5平方メートル」を目標として掲げつつも、まずは実現可能な目標を設定すべきである。段階的な数値目標を定めることで、より実効性の高い公園整備計画へと転換していくことが必要だ。 数値目標の達成や見栄えのために、利用されない公園を増やしても意味がない。区民が求めていない場合は公園を増やすために無理に税金を使うべきではないとも考えている。