従来の水道メーターは、一般的に検針員が1〜2か月に1回現地を訪問して検針を行う。これに対し、通信機能を備えた「水道スマートメーター」は現地を訪問せず、遠隔で1時間に1回という高頻度の検針データを取得できる。東京都は令和7年度から10年度までの4年間で約100万個の水道スマートメーターを設置し、2030年代の全戸導入を目指している。 水道スマートメーターの導入で検針業務の負担軽減や漏水の検知、節水、高齢者等の見守りが可能になるなど多くのメリットがある。しかし一方で、深刻な懸念も存在する。1時間単位の微細なデータは、居住者の外出や帰宅といった生活パターンの可視化に直結し、個人のプライバシーを侵害する恐れがある。万が一、こうした情報が「闇バイト」などの犯罪グループやストーカーに流出した場合、重大な犯罪に悪用されるリスクは極めて大きい。現に、令和8年3月2日、東京都水道局から業務を委託された事業者の協力会社がサイバー攻撃を受け、約13万件もの個人情報が流出したおそれがあると報じられた。 こうした潜在的なリスクに対し、東京都が万全なセキュリティ対策とプライバシー保護の仕組みを明確に提示できない限り、中野区での水道スマートメーターの導入には賛同できない。