諸井三郎 ピアノとオーケストラのためのアレグロ(1947)

諸井三郎 ピアノとオーケストラのためのアレグロ(1947)

敗戦後初の作品で、単一楽章のピアノと小編成オケのための曲です。独奏用に編曲しました。GHQ勤務にもかかわらずソビエト音楽の影響をつよく受けた開放感にあふれた作品で、ドイツ的で晦渋な、神聖大日本帝国と心中するかのような交響曲第3番のわずか3年後とは思えない転身ぶりを見せています。交響曲第3番を聴いた後これを聴くと、「大人ってズルい」という少国民の気持ちが分かる気がします。ただ、さすがに彼は一筋縄ではいかないようで、コーダになって思わぬ展開に…。とはいえ作曲家としての魂が抜けたような終わり方を観ると、このあと交響曲第4番と平和祈願のカンタータを書いたあと20年作曲をやめるのもうなずけます。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm18621233