レスピーギ:グレゴリオ風協奏曲

レスピーギ:グレゴリオ風協奏曲

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=bB5KRHTPTjA )。レスピーギはローマ三部作や「リュートのための古風な舞曲とアリア」など、数多くの管弦楽作品によって知られていますが、ピアノやヴァイオリンなどを独奏楽器とした協奏曲・協奏的作品を10曲以上残した「協奏曲作曲家」であったことは、あまり知られていないようです。そういった協奏曲の1つが、1921年に作曲された「グレゴリオ風協奏曲」です。この作品を作曲したころのレスピーギは42歳で、交響詩「ローマの噴水」が評価され、この2年後に交響詩「ローマの松」が作曲されるという、作曲家としての評価が高まり始めていた頃にあたります。この作品は様式としてはヴァイオリン協奏曲ですが、題名が示すようにグレゴリオ聖歌の旋律を引用して作曲されており、第2楽章では聖歌「ヴィクティマエ・パスカリ・ラウデス(復活のいけにえに)」が引用され、第3楽章は「アレルヤ」の標題が付けられています。また、教会で歌われる聖歌の合唱に準じて、ヴァイオリンが合唱長、管弦楽が合唱団の役割を演じることが想定されて作曲されました。そのため、作品の雰囲気は宗教的作品に近い厳粛なもので、ヴァイオリンは派手な技巧を駆使することなく、管弦楽と融合する響きを聴かせます。本作は管弦楽法の名手であると同時に中世・ルネサンス・バロック音楽の研究に熱心であったレスピーギの本領が発揮された、まぎれもない傑作であるといえます。マティアス・バーメルト指揮フィルハーモニア管弦楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm35294161