ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品122

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品122

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=aFjOHfIobsc )。ショスタコーヴィチは弦楽四重奏曲を15曲作曲しましたが、そのうち第2~14番は、モスクワ音楽院の卒業生たちが結成したベートーヴェン弦楽四重奏団によって初演されました。彼らはショスタコーヴィチと長年にわたって親交を深めましたが、1965年に第二ヴァイオリン奏者を務めていたヴァシリー・ペトロヴィッチ・シリンスキーが死去します。彼の死に衝撃を受けたショスタコーヴィチは、翌1966年に追悼のための弦楽四重奏曲を書き上げ、同年の5月28日にレニングラードで、新たな第二ヴァイオリン奏者を迎えたベートーヴェン弦楽四重奏団によって初演されました。これが、弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品122です。本作は、大曲として知られるベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番と同じ全7楽章構成ですが、1つの楽章は2~3分程度と短く、これらが切れ目なく演奏されるため、演奏時間は約16分程度と比較的に短くなっています。シリンスキーの追悼という目的に沿って作曲されたため、暗く、厳粛な曲想が曲全体を覆っている一方で、複雑な合奏や難しい技巧をあえて避け、追悼の気持ちを込めた静かで深い思索を誘うような音楽が展開されています。今作はショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲としては、例えば有名な第8番などの陰に隠れてあまり知られていませんが、これ以降の彼の弦楽四重奏曲は「複雑な合奏や難しい技巧」を避ける傾向が顕著に表れるようになっており、その作風の分岐点として重要な作品と言えます。エルサレム弦楽四重奏団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38802678