カゼッラ:ピアノと小管弦楽のための「スカルラッティアーナ」作品44

カゼッラ:ピアノと小管弦楽のための「スカルラッティアーナ」作品44

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=JTmE8gmRzmA )。イタリアの作曲家アルフレード・カゼッラ(1883 - 1947)は、伝統的に歌劇偏重の傾向が強かったイタリア音楽界において、レスピーギらと同じく器楽曲の作曲に力を注ぎ、ストラヴィンスキーに影響されてイタリア新古典主義音楽の旗頭となりました。そんな彼の立ち位置を明確にした作品が、1926年に作曲されたピアノと小管弦楽のための「スカルラッティアーナ」作品44です。これはドメニコ・スカルラッティの多数のチェンバロのためのソナタから80個以上(一説では88個)のフレーズを抜き出して編曲したもので、全5楽章の作品です。本作が作曲される6年前の1920年に、ストラヴィンスキーはペルゴレージ等の音楽作品を編曲したバレエ音楽「プルチネルラ」を作曲・初演しており、カゼッラが触発されて「スカルラッティアーナ」を作曲したと推測されます。ただ、本作は楽しい作品ではあるものの、単純にスカルラッティの作品を称賛しているわけではなく、パロディとしての意味合いが強いといえます。このため発表当時はふざけた作品として物議を醸したようで、例えばシェーンベルクは「もし音楽が凍結した建築だとすれば、ポプリ(音楽の寄せ集め)は凍結した茶卓のゴシップ、動作の中に捉えられた不安定性、すべての論理的思考のパロディである」と述べており、真っ当な音楽作品ではない「寄せ集め」とみなしていたようです。ブルーノ・カニーノ(ピアノ)アントニオ・バリスタ指揮イ・ポメリッジ・ムジカーリ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm41390230