【SynthVクラシック】 こどもの歌 (Jüdishe Lieder) / ミェチスワフ・ヴァインベルク【Eleanor Forte AI】

【SynthVクラシック】 こどもの歌 (Jüdishe Lieder) / ミェチスワフ・ヴァインベルク【Eleanor Forte AI】

第十三回ボカロクラシカ音楽祭参加作品です。参加テーマは自由曲部門の「13」(作品13のため)またヴァインベルクはポーランド出身なので「東欧」も当てはまります。近年録音が増えてきましたが、まだまだ知名度の低いミェチスワフ・ヴァインベルク(1919 - 1996)。ユダヤ系ポーランド人だった彼はワルシャワ音楽院で学んだ後、1939年ナチス・ドイツの侵攻から逃れてソビエト連邦へ亡命(このとき残った両親と妹は強制収容所で亡くなりました)。ベラルーシのミンスク、ウズベキスタンのタシュケントを転々とし、知り合いとなったショスタコーヴィチのすすめでモスクワに定住します。この「子供の歌」(初版タイトルは「ユダヤの歌」)は1943年、タシュケントを出る直前に作曲された作品です。歌詞はポーランドの詩人、イツホク・レイブシュ・ペレツのイディッシュ語詩から取られており、小さな子どもの空想と心境が率直に描かれています。ショスタコーヴィチはこの曲に影響を受けて歌曲集「ユダヤの民族詩より」を作曲したと言われています。ユダヤ系音楽の特徴としてよく挙げられる「泣き笑い」ですが、この曲集にもよくあてはまります。哀しい曲調だと思ったらおどけた歌詞だったり、明るい曲調が突然暗くなったり……。特に第5曲などは民族音楽っぽさがはっきりと現れており、20世紀音楽の中では非常に親しみやすい作風だと思われます。イディッシュ語は非常に独特な発音があるらしいのですが、本来ヘブライ文字で書かれているため辞書で調べるのが困難でした。いつも以上に間違った発音も多いと思われますが、拙いながらもこの曲を是非とも紹介したいという思いから公開いたします。ちょうどこの曲集を作っている間にSynthesizer Vにアップデートがきて、エレノアさんに新しい音声合成方式、ボイススタイルが実装されました。高音でも声が出るようになり、表現の幅が広がったため非常に嬉しいアプデです。(音を外しやすくなったため調整作業はやはり多いですが)是非各曲での微妙な表情の違いにも注目して聴いていただけると幸いです。Children's Songs (Jüdische Lieder) Op. 13 (1943)作曲:ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919 - 1996)作詞:イツホク・レイブシュ・ペレツ(1851 - 1915) PD訳詞: やしろEleanor Forte AI (Synthesizer V)音源作成: やしろ「子供の歌」はヴァインベルクの作品の中では比較的録音に恵まれ、ピアノ・トリオ伴奏に編曲されたバージョンもあります。是非聴いてみてください。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm41424802