ゴセック:葬送行進曲

ゴセック:葬送行進曲

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=_td2lvd9KXc )。1790年8月31日、フランス革命の最中にフランス北部の都市ナンシーに駐屯していた軍の兵士が反乱を起こしました(ナンシー事件)。この反乱の鎮圧戦では軍人・民間人を合わせて約500人の犠牲者を出し、革命政府は9月20日に犠牲者を追悼する式典を開催しました。式典にあたって、政府は革命に賛同していた作曲家ゴセックに音楽を依頼し、ゴセックは依頼に応えて葬送行進曲(Marche lugubre)を作曲します。この曲は通常の吹奏楽編成に加えて太鼓やゴングを多用し、古代ローマの金管楽器まで復元して用いるというかつてない大編成での演奏を想定しており、実際に式典で演奏されると大評判となりました。その後、フランス革命政府は追悼行事以外の式典においてもゴセックの葬送行進曲を演奏するようになり、それに対抗してフランスの作曲家はこぞって葬送行進曲を作曲して、「葬送行進曲」はフランス革命以降の新しいジャンルの音楽様式として認知されるようになりました。後にベートーヴェンがナポレオンへの献呈を目的として交響曲第3番「英雄」を作曲した際には、フランスでの人気ジャンルの曲として第2楽章を葬送行進曲としており、もしゴセックの曲がなければ「英雄」の構成は違ったものになっていたと思われます。クロード・ピシュロー指揮パリ警視庁軍楽隊

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43798289