過ぎたる欲望を捨てよ 『徒然草 気まま読み』#65

過ぎたる欲望を捨てよ 『徒然草 気まま読み』#65

今回扱うのは、第二百四十二段。全文を紹介すると… とこしなへに、違順につかはるゝ事は、偏(ひとえ)に苦樂の爲なり。樂といふは好み愛する事なり。これを求むる事 止(や)む時無し。樂欲(ごうよく)するところ、一つには名なり。名に二種あり。行跡と才藝との誉(ほまれ)なり。二つには色欲、三つには味(あじわい)なり。萬の願ひ、この三つには如(し)かず。これ顛倒の相より起りて、若干(そこばく)の煩ひあり。求めざらむには如かじ。ラス前で、特に心がこもっている感じもする一段。これが徒然草で最後まで残ったテーマと言えるかもしれない。<br>人の欲望には限りがない。名誉欲、色欲、そして食欲。これが過ぎると、人は不幸になる。徒然草に通して書かれてきたリアルな人間観察・分析の中に、仏教の教えや兼好の価値観が端的に表れている。

http://www.nicovideo.jp/watch/so36303274