雪の朝の手紙 『徒然草 気まま読み』#70

雪の朝の手紙 『徒然草 気まま読み』#70

今回扱うのは、第三十一段。全文を紹介すると… 雪の面白う降りたりし朝、人の許(がり)いふべき事ありて文をやるとて、雪のことは何ともいはざりし返事に、「この雪いかゞ見ると、一筆のたまはせぬ程の、ひがひがしからん人の仰せらるゝ事、聞き入るべきかは、かへすがえす口惜しき御心なり」と言ひたりしこそ、をかしかりしか。今は亡き人なれば、かばかりの事も忘れがたし。雪の降る趣深い朝に送った手紙のやり取りをめぐる、ちょっとしゃれたお話。ほんの些細な出来事なのだが、それを印象に留めて書き記している兼好法師の情緒がしのばれ、その手紙の相手の人となりや、関係性までいろいろ想像したくなってくる、微笑ましい一段。

http://www.nicovideo.jp/watch/so36427874