吉凶は人による「徒然草 気まま読み」#106

吉凶は人による「徒然草 気まま読み」#106

今回扱うのは、九十一段。前半を紹介すると…赤舌日(しゃくぜつにち)といふ事、陰陽道(おんみゃうだう)には沙汰なき事なり。昔の人これを忌まず。この頃、何者の言ひ出でて忌み始めけるにか、この日ある事、末通らずといひて、その日言ひたりしこと、爲(し)たりし事、叶はず、得たりし物は失ひつ、企てたりし事成らずといふ、愚かなり。吉日(きちにち)を選びてなしたるわざの、末通らぬを數へて見んも、亦等しかるべし。中世の人間というと、「陰陽道」などを信じているようなイメージがあるが、兼好に関してはそんな様子は全くなく、非常に合理的。むしろ、現代の我々の方が「信心深い」のではないかと思ってしまう。ついつい縁起のいい日を選んだり、ゲンをかつぐということを、誰もがしていないか?「吉凶は人による」そう言い切れる人は、どれだけいるだろうか?

http://www.nicovideo.jp/watch/so37777973