20世紀の平均律クラヴィーア曲集として書かれた、ヒンデミットのピアノ曲屈指の傑作です グレングールドがこの曲の録音を残さなかったのはこの曲を知らなかった以外にありえないと信じたいところ… 私も過去にいくつか動画を投稿している曲ですが、今回全曲に挑みました ・前奏曲は全曲を通じて冒頭の1曲のみであること ・調配置が、ヒンデミットの「第一音列」と呼んだ音度関係から決まっていること(後述) ・長調あるいは短調という概念でなく、主音に基づく調として書かれる為、フーガは12曲しかない ・12曲全てのフーガが3声体で統一されていること ・フーガ間を繋ぐのは基音を移行するための間奏曲であること ・前奏曲の点対称となる逆行反行形の後奏曲がついていること などがバッハの平均律曲集との特徴対比です 第一音列というのは「主音に対して、より純然な音程と彼が位置づけた順の音の列」で、即ち「完全五度」「完全四度」「六度」「長三度」「短三度」「短六度」「二度」「短二度」「減五度」、これを「C音」に当てはめた順の音を基準としたフーガが展開されます(即ち五度圏とは一線を画す配置) 画像はハートレーの「沈黙の宴」(PD)、調律はキルンベルガー第三(F)です mylist/24963463 mylist/49937921 ■追記:広告ありがとうございます!