子供のころ、ソレを知った時酷く落胆した 幼い子供というのはあらゆる方面に興味が向くもので、僕たちが気にも留めないようなことを疑問に思ったり、考えついたりする。そんな好奇心旺盛さを大人になっても忘れないようにしようと思い続けていたら、こんなどうしようもない大人になってしまっていた。 子供のころ、僕は僕自身の力で生きているのだと思っていた。おそらく低学年の頃だったと思う、もしかしたらもっと早い時期だったかもしれない。 母親に「どうして僕は生きているの?」と訊いたことがあった。母は「楽しむためだよ」と云った。こんな質問はいまだって答えることはできないのに母はあっけらかんと答えたのだった。楽しむということはどういうことだろうか、いまでもわからない。わからないからこその答えなのだろう。これからも、そんなどうしての答えを知ることはないと、そのときすぐに悟った。 答えは見えない。お金は稼げない。知らないことが多すぎた。僕は自分の力で問題を解決して、自分の力で生きていると思っていたのに、全然違うのだと知って酷く落ち込んだ。僕は誰かに生かされているらしいと知ったからだった。 右向けで右で左を向けば咎められ、スタートダッシュで立ち止まれば莫迦にされる。隠れるように表面で笑いながら、人と笑うこともできない。そのじつ僕はなにもない空っぽだと気づいてしまった。これはそんな空っぽを埋めるためなのかもしれない。前 sm35820210 次 sm35832629