前 sm37217006 mylist/68640421 次 sm37589879 「お兄様はいつもそう。周りの人のことを何も考えないし他人の意見も聞かない。いつも自分勝手で私はいつも振り回されていましたの」「意地っ張りで理屈屋で誰にも相談せずに大事なことを決めていつも私には許せの一言だけ。格好悪いところを見せられないからって夜遅くまで政務でフラフラなのに見栄を張って訓練して部屋に帰るなり倒れたり」「いつも私に心配ばかりかけてるのに済まなそうな顔をするのはその時だけ。そのくせ私が体調を崩したら大事な仕事も放り出して看病に来るんですもの」「嫌いな野菜は食べなければいいのにいつもしかめ面をしながら無理に食べるし、深刻な顔をして何かと思ったら記念日にお義姉さまに送るプレゼントが決まらずに困っているなんて私に泣きついてくるの」「本当に馬鹿で頑固で……大好きな、私の、お兄様」マッキリー城を制圧してアグストリアも残すはアグスティだけになった。エルトシャンは無事でいるだろうか。気丈に振舞ってはいたがラケシスも疲れているのだろう。一度口を開いたら堰を切ったように言葉が溢れていた。「大丈夫ですよ。きっとエルトシャンさんは無事です。だってシグルド様が助けに向かってるんですから」葵がラケシスの肩にそっと触れながら優しく言った。震える細い体は一国の姫ではなくどこにでもいる一人の少女だった。「ラケシスさんはお兄様のことが本当に好きなんですね。私もお姉ちゃんのことが好きです。この気持ちだけは誰にも負けない自信はあります。世界中の誰よりも」ラケシスがぽかんとした顔を向ける。それに不敵な笑顔を返して葵は言った。「ね、ラケシスさん。順番にエルトシャンさんとお姉ちゃんの好きなところ言っていきませんか。そうすればきっと嫌なことなんて忘れて幸せなことだけで胸がいっぱいになりますよ。どうですか」「葵さん、あなたは不思議な人ね。ふふっ、負けないわよ」その日、夜遅くまでラケシスの部屋から笑い声が絶えることはなかったという。というのは妄想なので忘れてください。