【synthvクラシック】フーガハ短調BWV906(補筆完成版) / J.S.バッハ【Mai, Saki AI, Eleanor Forte AI】

【synthvクラシック】フーガハ短調BWV906(補筆完成版) / J.S.バッハ【Mai, Saki AI, Eleanor Forte AI】

昔作ってた楽譜ファイルを見直していたら、まさに今年のボカロクラシカ音楽祭のテーマに沿った作品が見つかったので急遽完成させました(気づくのがもう何日か早ければ間に合ったなあ……。)「幻想曲とフーガ」BWV. 906は1730年代に作曲されたと考えられていますが、J.S.バッハの作品にしてはかなり異例な響きを持っており、ギャラント様式を思わせる華麗な走句、演奏技巧の重視(両手の交差が頻繁に登場します)など、当時流行し始めていたスタイルを積極的に取り入れています。しかし何らかの理由でこの「フーガ」の部分は作曲が中断され、未完成作品となってしまいました(今では幻想曲のみを演奏するのが一般的なようです)。フーガは冒頭の半音階の不穏な動き(途中BACH主題を移調したAs - G - B - Aの音形も登場します)と、34小節目からの歌うような主題を中心に構成されています。自筆譜は48小節目冒頭まで書き込まれたところで中断されています。この補筆版をつくったのはかなり前なので記憶が曖昧ですが、確かヘンレ版の提案(47小節から5小節目に戻り、34小節目で終わる)を参考にして作っていたはずです。またこの曲をイタリアのピアニスト・作曲家のフェルッチョ・ブゾーニが補筆完成させているのですが、結構やりたいように(ロマン風に)改造しているな……と感じた記憶があり、ただ前半に戻るのではなく他の主題を組み合わせて更に展開を盛り上げる補作はそれを参考にしています。表示している楽譜はピアノ版のために適当に作ったやつなので実際に鳴ってる音と違うところもあります(synthvの音源の都合で変更を加えたところもあります)。エレノアさんだけでなく、MaiさんやSakiさんといった素晴らしい音源も使いたいのですが、日本語でカバーできる曲がなかなか見つからず……。今回ちょっと無理のある音域ですが急遽歌ってもらうことにしました。楽しんでいただければ幸いです。ちなみに後ろで鳴っているのはチェンバロではなく、プリペアド・ピアノの音源です。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43089516