Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=OXb1qxQ4XCs )。1853年、シャルル・グノーは義父ピエール・ジメルマンの前で、バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻より、有名な第1番 ハ長調 BWV 846の前奏曲を即興演奏し、そこでグノー自身の作曲による独自のメロディを追加しました。ジメルマンはそのメロディに感銘を受け、グノーに再度演奏させて、楽譜にメロディを書き留めると、数日後にはヴァイオリンと少人数の合唱団での演奏用に編曲し、グノーに編曲版を聴かせたと伝えられています。そして同年のうちにピアノ版がウジェル社から出版され、曲には『バッハの前奏曲第1番による瞑想曲』との題名が付けられました。その後、1859年にウジェル社はこの瞑想曲に「アヴェ・マリア」の歌詞を加え、歌曲として出版します。これが、グノーの代表作の一つとなった歌曲『アヴェ・マリア』です。なお、グノーが編曲にあたって使用したバッハの前奏曲第1番の楽譜は、平均律クラヴィーア曲集を出版したドイツの作曲家・出版業者クリスティアン・フリードリヒ・ゴットリープ・シュヴェンケが22小節目の後に1小節独自の和音のアルペッジョを挿入したものです。これは「シュヴェンケ小節」として知られており、19世紀においてはこのシュヴェンケ版が広く出回っていました。ロベルト・プロッセダ(ピアノ)