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バッハ:カンタータ「しりぞけ、もの悲しき影(結婚カンタータ)」BWV202
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=yNbNkvFO598)。
バッハの世俗カンタータ「しりぞけ、もの悲しき影」BWV202は、正確な作曲時期は不明ですが、バッハが
アンハルト=ケーテン侯国の宮廷楽長を務めた1717~1723年の間に作曲されたとする説が有力です。
歌詞の内容はギリシャ神話を題材にしており、山野に春が到来し、神々が恋人達を結婚に誘うといったもの
です。また、演奏に必要な器楽はオーボエ1本と弦楽器、通奏低音という必要最低限のもので、歌手もソプ
ラノ独唱者が一人という簡素な編成になっています。このことから、おそらく親しい知人の結婚式で演奏す
るために小規模編成で作曲されたと推測されており、「結婚カンタータ」(Hochzeitskantate)の通称で呼
ばれています。
キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ:カンタータ第69番a「わが魂よ、主を讃えよ」BWV69a
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=2rvv2Esz4J8)。
バッハがライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(トーマスカントル)に就任した1723年に作曲され、この年の三位一体主日後第12主日(日曜日)にあたる8月15日に初演されたカンタータ「わが魂よ、主を讃えよ」BWV69aは、この時期のバッハのカンタータには珍しく、トランペットとオーボエが各3本にティンパニまで動員した大規模な編成の作品です。本作は題名が示す通り、全体にわたって神を賛美する祝祭的な雰囲気が全体に満ちています。
その祝祭的な雰囲気のためか、後にバッハは最晩年の1748年、ライプツィヒ市参事会員交替式に演奏するため本作を大幅に改訂して演奏しており、こちらには「BWV69」の分類番号が付けられています。
キャサリン・フーグ(ソプラノ)
ロビン・タイソン(カウンターテナー)
クリストフ・ゲンツ(テナー)
ピーター・ハーヴェイ(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
モンテヴェルディ合唱団
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
バッハ:カンタータ第163番「各々に各々のものを」BWV163
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=1v3qC_FdzYI)。
バッハのカンタータ「各々に各々のものを」BWV163は1715年、この年の三位一体節後第23日曜日である
11月24日に初演されました。
初演に先立つ8月1日、バッハの主君ワイマール公の甥でヨハン・エルンスト公子が病没し、この服喪期間
中はカンタータの演奏が休止されていました。本作は、公子の服喪が明けた直後に初演されたものです。
ヨハン・エルンストはバッハの教育もあって、若くして音楽の才に恵まれていましたが、19歳の若さでこ
の世を去りました。この日の福音書章句はファリサイ派の悪意ある質問をかわすイエスの答え、いわゆる
「神のものは神に、カエサルのものはカエサルに」で、それにちなんで本作の歌詞は「病没した公子が神
のもとに帰った」という意味を持たせていると推測されます。
音楽様式としては、合唱は最後にだけ使われており、全6曲の小規模なカンタータです。しかしながら各曲
には明確な特徴があり、内容が充実している若いバッハの実験的作品といえます。
アーリーン・オジェー(ソプラノ)
ヘレン・ワッツ(アルト)
アダルベルト・クラウス(テノール)
ニクラウス・トゥーラー(バス)
ヘルムート・リリング指揮
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊
グラシアスクリスマスカンタータ
クリスマス・カンタータとは?家族共に楽しめ、生きることへの感謝と喜びを味わい、忘れることができない時間を与えます。笑いあり、涙あり。クラシック音楽とミュージカルの世界を行き来する新しいジャンル。幕ごとに異なった形式と表現で、クリスマスという一つの主題に含まれた意味を再現し、馴染みのあるキャロルにオペラ的要素とミュージカル的要素を加えて、クリスマスの喜びと幸福そしてイエスキリストの誕生の真の意味を歌います。新宿文化センター(大ホール)12月27日(木)2回開演 16時、19時12月28日(金)3回開演 13時、16時、19時お問合せ 03)6380 - 2257http://gracias.iyf.jpチケット購入のご案内チケットぴあ(http://t.pia.jp/) Pコード:183-547
バッハ:カンタータ第67番「イエス・キリストを憶えよ」BWV67
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=Mi9a16hoftg)。
1723年にライプツィヒ聖トーマス教会の音楽指導者(トーマスカントル)に着任したバッハは、翌1724年には「ヨハネ受難曲」BWV245の作曲及び聖金曜日(4月7日)の初演に力を入れる一方、その後の復活祭に演奏されたカンタータは旧作の再演や改作でしのいでいました。そして久々の完全新作カンタータとして4月16日に披露されたカンタータが「イエス・キリストを憶えよ」BWV67です。
この曲は復活祭の後の第1主日(日曜日)に演奏されることを念頭に「イエスの復活~弟子トマスの不信~トマスがイエスの復活を信じる」という筋立てとなっており、イエスの復活を祝う喜びを表す明るい曲調で一貫しています。また、この曲ではトランペットなどの金管楽器は使用されず、代わりにフラウト・トラヴェルソをはじめとする木管楽器の柔らかい響きが中心を占めるという特徴があります。
なお、本作の第6曲「平安、汝にあれ」は後に「小ミサ曲 イ長調」BWV234のグローリアに転用されました。
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンド
バッハ:カンタータ「楽しき狩こそわが悦び(狩のカンタータ)」BWV208
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=rc4NzZf7XMc)。
バッハのカンタータ「楽しき狩こそわが悦び」BWV208は、現存する彼の世俗カンタータの中では最も古
く、1713年2月27日に初演されました。
この頃、バッハが仕えていたヴァイマル公ヴィルヘルム・エルンストは、親友であるヴァイセンフェルス公
クリスティアンの誕生日(2月27日)に際し、直属の詩人・楽師による祝典曲を贈ろうと計画しており、作
詞を詩人ザロモン・フランク、作曲をバッハに命じて、出来上がったカンタータをクリスティアンに贈呈し
たと推測されています。
クリスティアンの趣味は狩猟であることから、フランクは題材をローマ神話の狩の女神ディアナ(ソプラ
ノ)を中心に、その恋人エンデュミオン(テノール)を司会とし、牧神パン(バス)、野の女神パラス(ソ
プラノ)によって、領地の豊かさと絡めてクリスティアンを讃美する歌詞をつくり、これにバッハがホルン
やリコーダーを含めた編成による音楽を付け加え、オペラを思わせる構成の作品に仕上げました。このこと
から本作は「狩のカンタータ」の異名を持ち、作品を誕生日に贈られたヴァイセンフェルス公クリスティア
ンは非常に喜び、バッハの才能を終生高く評価したとされています。
なお、全15曲のうち第9曲のアリア「羊は憩いて草を食み」は、NHK-FM放送の長寿番組「あさのバロッ
ク」のオープニング曲に編曲されて使用され、早朝にラジオから流れる定番の音楽として馴染み深い人も多
いかと思います。
Laura Heimes(ソプラノ)
Clara Rottsolk(ソプラノ)
Andrew Fuchs(テノール)
Peter Becker(バス)
Gwendolyn Toth指揮
ARTEK(The Art of the Early Keyboard)
バッハ:カンタータ第179番「心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを」BWV179
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=hP5zWviUyjM)。
バッハのカンタータ「心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを」BWV179は1723年、この年の三位一体節
後第11日曜日である8月8日に初演されました。
この日の福音書章句はルカによる福音書から、『ファリサイ派の人と徴税人』のたとえが取り上げられま
した。この話は高慢なファリサイ人を神は受け入れず、自己を「罪人」と呼んでひたすらに神の憐れみを
乞うた徴税人を神は受け入れるというもので、章句の最後の言葉「だれでも高ぶる者は低くされ、へりく
だる者は高められる」を説くものです。
カンタータはこの話にちなんで、偽善や高慢を警告する厳しい曲調で統一されています。通常のバッハの
カンタータは厳しい内容でもどこかに救いや赦しが確信される部分がありますが、全6曲からなる本作は
最後まで明るくならず、あまり耳に快くない音程が多いため、演奏時間は中規模でありながら演奏難易度
が高いものになっています。
なお、本作の楽章のいくつかはバッハのミサ曲に転用されており、第1曲と第3曲がミサ曲ト長調BWV236
のKyrieとDomine Deusに、第5曲がミサ曲イ長調BWV234の第4曲Qui Tollisになっています。
マグダレーナ・コジェナー(ソプラノ)
マーク・パドモア(テノール)
シュテファン・ローゲス(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:カンタータ第119番「エルサレムよ、主を讃えよ」BWV119
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=aJAOE3d_YpI)。
バッハのカンタータ「エルサレムよ、主を讃えよ」BWV119は、1723年のライプツィヒ市参事会交代式のために作曲され、交代式が行われた8月30日に初演されました。
当時のドイツにおいては市参事会交代式は教会で行われることが多く、そのために祝祭的なカンタータを演奏することが多かったといわれ、バッハ自身も1708年にミュールハウゼン市参事会交代式のため「神はいにしえよりわが王なり」BWV 71を作曲した経験がありました。
この手のカンタータは市参事会の支援があるために恵まれた条件で作曲できる一方で、作品の内容は為政者を讃える祝祭的な要素が強まって、紋切り型の作品になることが普通でした。それはこの作品も同様で、全9曲の随所に「為政者は神の似姿」といった美辞麗句が並んでいます。その代わり、作品は祝祭演奏用のため大規模な編成で明るく楽しい曲想に満ちており、特に深刻になることなく聴けるようになっています。
ミリアム・フォイアージンガー(ソプラノ)
アレックス・ポッター(アルト)
トマス・ホッブズ(テノール)
ペーター・コーイ(バス)
ペーター・ダイクストラ指揮
オランダバッハ協会管弦楽団
オランダバッハ協会合唱団
グラシアスクリスマスカンタータ
クリスマス・カンタータとは?家族共に楽しめ、生きることへの感謝と喜びを味わい、忘れることができない時間を与えます。笑いあり、涙あり。クラシック音楽とミュージカルの世界を行き来する新しいジャンル。幕ごとに異なった形式と表現で、クリスマスという一つの主題に含まれた意味を再現し、馴染みのあるキャロルにオペラ的要素とミュージカル的要素を加えて、クリスマスの喜びと幸福そしてイエスキリストの誕生の真の意味を歌います。新宿文化センター(大ホール)12月27日(木)2回開演 16時、19時12月28日(金)3回開演 13時、16時、19時お問合せ 03)6380 - 2257http://gracias.iyf.jpチケット購入のご案内チケットぴあ(http://t.pia.jp/) Pコード:183-547
グラシアスクリスマスカンタータ
クリスマス・カンタータとは?家族共に楽しめ、生きることへの感謝と喜びを味わい、忘れることができない時間を与えます。笑いあり、涙あり。クラシック音楽とミュージカルの世界を行き来する新しいジャンル。幕ごとに異なった形式と表現で、クリスマスという一つの主題に含まれた意味を再現し、馴染みのあるキャロルにオペラ的要素とミュージカル的要素を加えて、クリスマスの喜びと幸福そしてイエスキリストの誕生の真の意味を歌います。新宿文化センター(大ホール)12月27日(木)2回開演 16時、19時12月28日(金)3回開演 13時、16時、19時お問合せ 03)6380 - 2257http://gracias.iyf.jpチケット購入のご案内チケットぴあ(http://t.pia.jp/) Pコード:183-547
バッハ:カンタータ第184番「待ちこがれし喜びの光」BWV184
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=soLoeSk5G84)。
バッハのカンタータ「待ちこがれし喜びの光」BWV184は1724年に作曲され、同年の聖霊降臨祭3日目にあ
たる5月30日に初演されました。しかし、このカンタータはこの日のための完全な新作ではなく、以前に作
曲した別の世俗カンタータを改作したものです。当時バッハが赴任していたライプツィヒでは降誕祭・復活
祭・聖霊降臨祭は3日連続で礼拝が行われており、それぞれの日に別のカンタータが必要となるため、バッ
ハは作曲に使う労力を節約するために既存の作品を改作する方法を採ったと思われます。元となった世俗カ
ンタータには「BWV184a」の作品番号が便宜的に付されているものの、楽譜の大半が喪失しており、題名
も不明です。おそらく、バッハが本作で新たに作曲したのは全6曲のうちコラールの第5曲のみで、あとは第
6曲を原曲より拡大した他は曲にそれほど手を加えず、歌詞を教会での演奏にふさわしいものに変更する、
いわゆる「パロディ」を行ったと思われます。
聖霊降臨祭3日目の礼拝で行われた説教は、ヨハネ福音書の「わたしは羊の門である」の逸話に基づいて、
救いを求める人々を羊に喩え、イエスを羊を導く門や羊飼にたとえたものでした。本作の歌詞もそれにちな
み、迷える羊の群れを導くイエスを「喜びの光」とたたえ、イエスによって人々の幸いと祝福が成就すると
歌われます。
なお、バッハが世俗カンタータを教会カンタータに改作した「パロディ・カンタータ」は本作以外にもいく
つかある他、ミサ曲においてもパロディの手法は使用されており、バッハ最後の完成作品であるミサ曲ロ短
調においても、パロディにより他の作品から転用した曲が含まれています。
リサ・ラーション(ソプラノ)
ナタリー・シュトゥッツマン(アルト)
クリストフ・ゲンツ(テノール)
シュテファン・ローゲス(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:カンタータ第185番「永遠の愛の憐れみ満てる心」BWV185
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=YP3m_8nzOVc)。
バッハのカンタータ「永遠の愛の憐れみ満てる心」BWV185は1715年に作曲され、この年の三位一体節後
第4日曜日にあたる7月14日に初演されました。
この日の福音書章句はルカによる福音書から、イエスが「人を裁くな」と説く話が取り上げられました。
これは「自分のことを顧みることなく、他人の欠点をあげつらうな」というもので、カンタータもその章
句の内容に沿って、まず第1曲で「神の慈悲によって自らも慈悲深い者となりたい」という願いが歌われ、
続く曲では他人を批判する前に自らの反省を繰り返し求めていく内容の歌詞が歌われます。
音楽様式的には、全6曲の中で合唱は最後のコラールだけ、そして第1曲も合唱曲やシンフォニアでなく、
デュエットのアリアで始まるという小規模な室内楽カンタータです。また、第1曲ではデュエットと合奏の
アンサンブルとのやりとりが印象的で、デュエットの途中でオーボエのオブリガートがコラールの旋律を
奏して割って入るという工夫がなされています。そして、このとき割って入るコラールは終曲コラールの
旋律であり、第1曲と終曲で同じコラールの旋律が奏されて曲全体の統一感が増すという仕掛けになってい
ます。
レジーナ・カービス(ソプラノ)
アレックス・ポッター(アルト)
イェンス・ウェーバー(テノール)
マルクス・フォルペルト(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ財団合唱団
バッハ:カンタータ第1番「暁の星はいと美しきかな」BWV1
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=7fNaMOtVUc4&t=466s)。
カンタータ「暁の星はいと美しきかな」BWV1は1725年に作曲され、マリアの受胎告知の日にあたる3月25
日に初演されました。作曲当時、バッハはライプツィヒにおいて聖トーマス教会の音楽指導者(トーマスカ
ントル)の任に就き、精力的に教会カンタータを作曲していました。全6曲からなる本作は、1724~25年に
おいてバッハがコラールを様々な技法で活用した「コラール・カンタータ」の1つで、歌詞は特別なストー
リーに基づいたものではなく、牧歌的な音楽と合わせて非常に幸せな雰囲気に満ちた作品となっています。
特に第1曲のコラール合唱「暁の星はいと美しきかな」は多くのコラール研究者に絶賛されており、1851年
にドイツのバッハ協会はこのカンタータをバッハの作品全集第1巻の最初の曲に選び、1950年に編集された
バッハ作品番号(BWV)の最初の番号「1」にも選ばれました。
ヘルムート・リリング指揮
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
バッハ:カンタータ「裏切り者なる愛よ」BWV203
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=wWTbcp2ApCY)。
カンタータ「裏切り者なる愛よ」BWV203はバッハの作品と推測されていますが、現存する最古の楽譜は19
世紀前半の総譜の写しで、自筆譜などのバッハの生前に製作されたことを示す資料が全く存在しないこと、
さらに全3曲の歌詞がイタリア語であることなどから、偽作説も根強く残っており、「新バッハ全集」への
採用も見送られています。
作品の演奏規模はバスの独唱とチェンバロの伴奏のみと小さく、カンタータというより古典派以降の歌曲集
に近い構成となっています。歌詞の内容は「失恋した若者が愛の悩みや苦しみを経て克服するも、愛から完
全に逃れることはできないことに悩まされる」といったもので、演奏規模や歌われる題材から、大勢の観衆
の前ではなく、親しい少人数の人たちの前での演奏を前提としていたと推測されます。
マタイス・ファン・デ・ウールド(バス)
シーベ・ヘンストラ(チェンバロ)