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バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻(ワンダ・ランドフスカ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=bvh6D7hyKP0&t=6428s)。
バッハの平均律クラヴィーア曲集の世界初の全曲録音は、ピアノによるエトヴィン・フィッシャーの演奏
(sm40150820)ですが、つづく2番目の、そして世界初のチェンバロ演奏による全曲録音を成し遂げた
のは、ワンダ・ランドフスカでした。このうち、第1巻は1949年に、第2巻(sm42039952)は1952年に
録音されました。
ランドフスカは、いったんは過去の遺物とされたチェンバロを20世紀に復興させた立役者で、バッハのク
ラヴィーア作品はチェンバロで演奏されるべきとの持論を持っており、その信念に基づいて数多くのバッ
ハ作品をチェンバロで演奏・録音しました。とはいえ、彼女が演奏で使用したチェンバロはグランド・ピ
アノの構造を利用して製造されたモダン・チェンバロであり、現在では一般的な古楽器としてのチェンバ
ロとはかなり音色が異なっていて、チェンバロ復興の過渡期を偲ばせる録音となっています。
ワンダ・ランドフスカ(チェンバロ)
ヘンデル作曲ソロモン HWV 67 『シバの女王の入城』
ヘンデル作曲ソロモン シバの女王の入城をあかりちゃん、ずんちゃん、琴葉姉妹に歌わせてみました。
因みに背景はSimss4の自作の宮殿を使用 雰囲気を強調してみました。
立ち絵:夜刀先生 https://seiga.nicovideo.jp/clip/3327058
バッハ:カンタータ第172番「鳴りひびけ、汝らの歌声」BWV172
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=OVpkgUL_1YY)。
1714年、この年の聖霊降臨節第1日である5月20日に初演されたカンタータ「鳴りひびけ、汝らの歌声」
BWV172は、バッハがヴァイマルの楽師長に就任してから作曲した、3作目のカンタータになります。
聖霊降臨祭(ペンテコステ)とは、イエスの復活・昇天後、集まって祈っていた120人の信徒たちの上に、
神からの聖霊が降ったという出来事で、これにより自らの信仰に確信を得た信徒たちは周囲の迫害に恐れ
ることなく布教を行い、多くの人が洗礼を受けて信者が急速に拡大したとされています。
このカンタータはそういった故事にちなんで、父(神)と子(イエス・キリスト)と聖霊が一体であると
する「三位一体」を讃える構成になっており、歌詞だけでなく「3」という数字が随所に現れています。
例えば第1曲や第3曲では「3」本のトランペットが「3」和音で奏されるほか、第1曲は「3」拍子、第3曲
は「3」部形式となっています。
また、バッハの初期カンタータの中では演奏規模が大きい祝祭的な雰囲気の本作はバッハ自身も気に入っ
ていたようで、ヴァイマルでの初演後は1724年に改訂版(リコーダーからフルートに変更され、原曲の
ハ長調からニ長調に移調された)が演奏されたほか、更に手を加えた最終稿(管楽器が省略され、冒頭合
唱曲の反復がなくなり、調性も再びハ長調に戻された)が1731年に演奏されています。
エヴァ・オルティヴァーニ(ソプラノ)
マルクス・フォルスター(アルト)
ベルンハルト・ベルヒトルト(テノール)
ラファエル・ユート(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ財団合唱団
バッハ:リュートのための組曲 ト短調 BWV995(無伴奏チェロ組曲第5番BWV1011の編曲版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=jjb6RNzoid8)。
バッハの全6曲の無伴奏チェロ組曲は、チェロ以外の様々な楽器の独奏用に編曲され、演奏されることが
多々あります。
このうち、第5番 ハ短調 BWV1011は、作曲とほぼ同時期にバッハ自身によって編曲されたと考えられて
いるリュート独奏版があります。それがリュートのための組曲 BWV995で、編曲にあたってト短調に移
調されていて、バッハの自筆譜も現存しています。
オリヴァー・ホルツェンブルク(リュート)
バッハ(フランチェスコ・テオピーニ編):無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ BWV1001~1006(ギター版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=JN22ATDxOwQ)。
イタリア出身のギター奏者フランチェスコ・テオピーニは7歳でギターを始め、ボローニャのスタターレ
音楽院とロンドンの王立音楽アカデミーで学びました。レパートリーはバッハから現代音楽まで幅広く、
その技量はイギリスのギター奏者デイヴィッド・ラッセルも絶賛するほどで、現在は香港で教師兼演奏家
として活動しています。
この動画はテオピーニが自らギター独奏用に編曲・演奏した、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパル
ティータの全曲版になります。この編曲版はギターの技巧に関しては控えめで、オリジナル版のヴァイオ
リンの音をほぼ忠実にギターに引き写しており、追加された装飾音は最小限に抑えられています。
テオピーニはバッハの作品について「これらの作品は今やギタリストの標準的なレパートリーであり、自
己啓発のために必須である」と述べており、その姿勢に忠実な編曲と言えます。
フランチェスコ・テオピーニ(ギター)
バッハ:カンタータ第170番「満ち足れる安らい、嬉しき魂の悦びよ」BWV170
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=aFYOAivmezI)。
バッハのカンタータ「満ち足れる安らい、嬉しき魂の悦びよ」BWV170は1726年に作曲され、この年の
三位一体節後第 6日曜日である7月28日に初演されました。この日の福音書章句はマタイによる福音書か
ら「自らの義を誇り、神の国の義に従わない者は天国へ入ることができない」「誰かに対して腹を立てる
ならば、それは殺人と同じであって地獄に投げ込まれる」といったものですが、本作の歌詞は「この世は
苦しみに満ちているが、信心深い者は死後に天国で安息を得る」という風な筋立てになっています。
音楽的には、本作はアリア独唱のためのカンタータで、全5曲という曲数は少なく感じますが、1曲当たり
の時間が比較的長く、全曲の演奏時間は20分強と、中規模のカンタータといえます。作品の前半はこの世
の苦しみを、後半で天国の安らぎを表したものになっています。
アーフィエ・ヘイニス(アルト)
シモン・ゴールドベルク指揮
ネーデルラント室内管弦楽団
バッハ:カンタータ第167番「もろびとよ、神の愛を讃えまつれ」BWV167
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=DkV31HKNtrM)。
バッハのカンタータ「もろびとよ、神の愛を讃えまつれ」BWV167は1723年、洗礼者ヨハネの祝日である
6月24日に初演されました。本作は初演された1723年に作曲されたと考えられていますが、その4日前には
カンタータ「飾りなき心ぞ」BWV24が初演されており、間を置かずに新作カンタータが連続して初演され
ていることから、実際には以前から前もって作曲されていたのではないか、とする説もあります。
初演日は洗礼者ヨハネの誕生を祝う日であり、本作の歌詞もヨハネの誕生を祝うものとなっています。
音楽的には、曲数こそ全5曲と少なめであるものの、第1曲と第3曲のアリアが長大で、全曲の演奏時間も約
17分と中規模カンタータに匹敵しています。また、終曲のコラールはバッハが好んで編曲したもので、モテ
ット(BWV225、BWV231)やカンタータ(BWV17、BWV51など)でも重要な役割を果たしています。
ヘルムート・ヴィッテク(ソプラノ テルツ少年合唱団所属)
Panajotis Iconomou(アルト テルツ少年合唱団所属)
クルト・エクヴィルツ(テノール)
ロベルト・ホル(バス)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
テルツ少年合唱団
バッハ:前奏曲 ロ短調 BWV544(アンソニー・ニューマン)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=3h1liecJJ_s)。
ロサンゼルス出身のオルガン奏者アンソニー・ニューマンによる、バッハの「前奏曲とフーガ ロ短調」
BWV544より、前奏曲の演奏です。
アンソニー・ニューマン(オルガン)
バッハ:カンタータ第165番「おお 聖なる霊と水の洗礼よ」BWV165
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=SqNVIF2Lkgo)。
バッハのカンタータ「おお 聖なる霊と水の洗礼よ」BWV165は1715年の作品で、この年の三位一体節で
ある6月16日に初演されたと推測されています。
この日の福音書章句はヨハネによる福音書から、ファリサイ派で最高法院の議員であったニコデモがイエ
スと神の国について問答をしたことが取り上げられており、本作の歌詞もその内容に沿って「水と霊によ
って生まれなければ、神の国に入ることはできない」、つまり曲名にもある「洗礼」を主題にしており、
全体的な内容としては、古い罪深い自分が死んで、新しい自分が生まれるという、苦しみと喜びについて
歌われています。
音楽様式としては、この頃のヴァイマルでのバッハのカンタータに見られる、独唱と室内楽的な伴奏で構
成される小規模な様式で構成されていますが、全6曲が多彩な様式で作曲されており、演奏規模が小規模
ながら単調さを感じないよう工夫がなされています。
マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(ソプラノ)
エルヴィラ・ビル(アルト)
コリン・バルザー(テノール)
ドミニク・ヴェルナー(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ財団合唱団
バッハ(フェインベルク編):トリオソナタ第5番 ハ長調BWV529より「ラルゴ」(ピアノ独奏版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=IoW8nhcJick)。
ウクライナ出身のユダヤ系ピアニスト・作曲家であるサムイル・フェインベルク(1890 - 1962)は
バッハ作品の演奏に熱心であったことが知られており、クラヴィーア作品だけに飽き足らず、オル
ガン作品のピアノ用編曲版も作成しています。
この動画はそういった編曲作品の1つである、トリオソナタ第5番 ハ長調BWV529より「ラルゴ」の
ピアノ独奏版です。
Ivan Kivelidi(ピアノ)
【SynthVクラシック】神々しき光の永遠の源よ (Eternal Source of Light Divine) / ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル【Eleanor Forte AI】
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel、イギリスではGeorge Frideric Handel)はイタリアを旅行し現地の音楽を十分学んだ後、1710年ハノーファー選帝侯の宮廷楽長に任命されました。しかしその直後ロンドンへ旅行し、イタリア語オペラを上演し成功させます。1712年11月には再びロンドンに向かい、以降ヘンデルはずっとイギリスに住み続けました。この「アン女王の誕生日のためのオード」はロンドン到着直後の1713年2月6日、当時のイギリス女王アンの誕生日を祝うために作曲されたと言われています(しかし女王が本当に演奏を聴いたのかは定かではないようです)。
冒頭のEternal Source of Light Divine(神々しき光の永遠の源よ)はアルト(またはカウンターテナー)独唱曲であり、単独でもよく演奏されます。
もともとエレノアさんにはオペラ的なアリアが合うのではないか?と思い探すうちに出会ったこちらの曲ですが、トランペットのオブリガードも加わり荘厳な雰囲気が重視された曲だと思います。シンプルかつ奥深いヘンデルの音楽の魅力を少しでも伝えられましたら幸いです。
Eternal Source of Light DIvine - "Ode for the Birthday of Queen Anne" (1713)
作曲: George Frideric Handel (1685 - 1759)
歌詞: Ambrose Philips (1674 - 1749)
訳詞:やしろ
独唱: Eleanor Forte AI (Synthesizer V)
多くの歌手が歌っていますが、「オンブラ・マイ・フ」で有名なキャスリーン・バトルの録音はおすすめです(共演しているウィントン・マルサリスのトランペットも素晴らしいです)。
バッハ:カンタータ第163番「各々に各々のものを」BWV163
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=1v3qC_FdzYI)。
バッハのカンタータ「各々に各々のものを」BWV163は1715年、この年の三位一体節後第23日曜日である
11月24日に初演されました。
初演に先立つ8月1日、バッハの主君ワイマール公の甥でヨハン・エルンスト公子が病没し、この服喪期間
中はカンタータの演奏が休止されていました。本作は、公子の服喪が明けた直後に初演されたものです。
ヨハン・エルンストはバッハの教育もあって、若くして音楽の才に恵まれていましたが、19歳の若さでこ
の世を去りました。この日の福音書章句はファリサイ派の悪意ある質問をかわすイエスの答え、いわゆる
「神のものは神に、カエサルのものはカエサルに」で、それにちなんで本作の歌詞は「病没した公子が神
のもとに帰った」という意味を持たせていると推測されます。
音楽様式としては、合唱は最後にだけ使われており、全6曲の小規模なカンタータです。しかしながら各曲
には明確な特徴があり、内容が充実している若いバッハの実験的作品といえます。
アーリーン・オジェー(ソプラノ)
ヘレン・ワッツ(アルト)
アダルベルト・クラウス(テノール)
ニクラウス・トゥーラー(バス)
ヘルムート・リリング指揮
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊
バッハ:カンタータ第162番「ああ、いまわれ婚筵に行かんとして」BWV162
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=VYHiET4VSO0)。
バッハのカンタータ「ああ、いまわれ婚筵に行かんとして」BWV162は1716年、この年の三位一体
節後第20日曜日である10月25日に初演されました。
初演日に取り上げられた福音書章句はマタイによる福音書から「天国は、ある王が王子のために婚
宴を催したのに似ている」という婚儀の例えであり、その時に初演された本作の歌詞は全体を通し
て「神の国の宴」について触れ、「神の婚宴にふさわしい信仰を身につけるべき」と歌われます。
音楽様式としては、バッハがヴァイマルでザクセン=ヴァイマル公の宮廷オルガン奏者・楽師長の
地位にあったときの作品で、全5曲という構成や室内楽的な編成、それに合唱が終曲のみと、ヴァ
イマル時代の他のバッハのカンタータと同様に簡素な作りとなっています。
トビアス・ヴァイヴァンガー(ソプラノ)
ポール・エスウッド(アルト)
クルト・エクヴィルツ(テノール)
ロベルト・ホル(バス)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
テルツ少年合唱団
ジョバンニ・ガブリエーリ:4声のカンツォン 第2番/Giovanni Gabrieli: Canzon seconda a 4, Ch.187
MIDIデータ制作者:
Werner Icking (2001)
http://www.icking-music-archive.org/ByComposer1/G.Gabrieli.php
※音色をチェンバロに変更して使用
収録音律:
1. 12等分平均律
2. キルンベルガー第1法
3. キルンベルガー第2法
4. P.C.1/6コンマ・ミーントーン
5. S.C.1/4コンマ・ミーントーン
6. S.C 2/7コンマ・ミーントーン
使用音源:Pianoteq v6.7.3 C.Grimaldi Harpsichord A+B
C=523.25Hz (A=440Hzの時の平均律のC音基準)
ストレッチ設定:1.00 (ストレッチ無し)
古典音律引用元:
・オルガンの歴史とその原理 平島達司 神戸松蔭女子学院(短期)大学学術研究会
・長嶋洋一 音律について (1993年) http://www.nagasm.org/ASL/temper/index.html
・Wikipedia 「中全音律」 https://ja.wikipedia.org/wiki/中全音律
バッハ:インヴェンションとシンフォニア BWV 772~801(ニコラーエワ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=_bL7oyuqEwA)。
旧ソ連におけるバッハのピアノ演奏のスペシャリストといえば、タチアナ・ニコラーエワ
(1924 - 1993)の名前を挙げる人は少なくないかと思います。
彼女の弾くインヴェンションとシンフォニアは「活動的な長調の曲と静謐な短調の曲」と
いうメリハリの効いた、それでいてバッハが楽譜に書いた音をきちんと再現していると感
じられる演奏で、間違いなくバッハ作品の最高の解釈者の1人であることを理解できるもの
となっています。
タチアナ・ニコラーエワ(ピアノ)
バッハ(レーガー編):パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582(4手ピアノ版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=Q_7ynH-iD1w)。
マックス・レーガーはバッハの作品を多数ピアノ演奏用に編曲したことで知られています。
その中にはパッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582も含まれており、彼はこれを4手ピアノ版
に編曲しています。
ピアノ・デュオ・タカハシ・レーマン
バッハ(ストコフスキー編):小フーガ ト短調 BWV578
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=LHMJFhJNycM)。
指揮者レオポルド・ストコフスキー(1882 - 1977)はバッハの多数の作品を管弦楽用に編曲した
ことで知られています。それらのうち、有名な編曲の1つである小フーガ ト短調 BWV578の管弦
楽版です。
レオポルド・ストコフスキー指揮
管弦楽団
バッハ:フランス組曲 BWV 812~817(ユアン・シェン)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=zmEa7KX6D00)。
海外において「中国人で最高のバッハの解釈者」と高く評価されているピアニスト、
ユアン・シェン(Yuan Sheng)の演奏による、バッハのフランス組曲全曲です。
ユアン・シェン(ピアノ)
バッハ:カンタータ第155番「わが神よ、いつまで、ああいつまでか」BWV155
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=5uKjvD6FZNo)。
バッハのカンタータ「わが神よ、いつまで、ああいつまでか」BWV155は1716年、この年の顕現節
後第2日曜日にあたる1月19日に初演されました。この日の福音書章句は「酒がなくなって困ってい
るところに奇蹟により水がワインに変わって事なきを得た」というもので、この逸話に基づいて、
歌詞では果てしない苦悩から、やがて苦悩が終わる時への希望、やがて重荷がおろされ、神の元に
飛び込んでゆく喜びといった物語が歌われています。
音楽様式としては、レシタティーヴォとアリアが交互に2曲ずつ、そしてコラールの全5曲からなる
簡素なものですが、第2曲のアルトとテノールのデュエットによるアリアではファゴットに難しいソ
ロパート(通常の現代楽器では出せない低い音を含む)を吹かせるなど、カンタータに新風を呼び
込もうとするバッハの意欲的な試みがうかがえ、バッハのカンタータを研究するうえで注目すべき
作品となっています。
ユリア・ノイマン(ソプラノ)
マーゴット・オイツィンガー(アルト)
ユリウス・プファイファー(テノール)
ラファエル・ユート(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ:イギリス組曲 BWV 806~811(ピーター・ウォッチョーン)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=gGYjqVT3wT4)。
オーストラリア出身のチェンバロ奏者ピーター・ウォッチョーン(Peter Watchorn 1957- )の
演奏による、バッハのイギリス組曲全曲です。
ピーター・ウォッチョーン(チェンバロ)
バッハ:パルティータ第6番 ホ短調 BWV830(アナトリー・ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=QV89FBujGIg)。
20世紀を代表するロシアのピアニストの1人であったアナトリー・イヴァノヴィチ・
ヴェデルニコフ(1920 - 1993)は、バロック音楽から現代音楽にいたるまで幅広い
レパートリーを有しており、特に現代音楽作品の演奏録音を積極的に行ったことで
知られていますが、一方でバッハの作品でも優れた演奏録音を遺しました。
その1つがパルティータの全曲録音で、一音一音をくっきりと浮かび上がらせて作品
の意図するところを鮮明に聴かせるヴェデルニコフの演奏は、飽きることなく何度
でも聴きたくなります。
アナトリー・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:カンタータ第154番「いと尊きわがイエスは見失われぬ」BWV154
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=-NyKKhEqPcs)。
1724年1月9日(顕現祭後第1日曜日)、バッハのカンタータ「いと尊きわがイエスは見失われぬ」
BWV154が初演されました。この日の礼拝では、ルカ福音書から「12歳のイエスがエルサレムに詣
でた際に両親とはぐれ、両親は八方手を尽くしてイエスを捜し、神殿で学者と問答しているイエス
を発見する。両親はイエスを叱責するが『父(である神)の傍らに子がいることがなぜ分からない
のですか』とイエスは反論する」という福音書章句が選ばれました。本作の歌詞はこの逸話から、
信仰の拠り所となるイエスを失った人間の不安と再び見いだし得たことの喜びを歌い、最後に「も
う離すことはない」と誓いを述べる内容になっています。
音楽様式においては、新年が明けた直後で参加する団員が少ない時期の演奏であることをバッハが
考慮して、曲数は全8曲と多いものの1曲の演奏時間は短いうえに独唱者主導で歌詞が歌われ、伴奏
もオーボエ・ダモーレ2本と弦楽器・通奏低音およびチェンバロという小規模な編成になっており、
バッハのカンタータの中では全体的に地味な作品といえます。
アン・マレイ(アルト)
アルド・バルディン(テノール)
ヴァルター・ヘルトヴァイン(バス)
ヘルムート・リリング指揮
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
バッハ:6つのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ BWV1014~1019
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=rnZ42rP0fKI)。
バッハが作曲したヴァイオリンのためのソナタというと、普通は無伴奏ヴァイオリン・ソナタを
連想すると思いますが、彼はヴァイオリンとチョンバロのためのソナタも6曲作曲しています。
バロック時代の二重奏におけるチェンバロは、しばしば通奏低音の演奏楽器として相方の独奏楽
器を目立たせるため控えめな響きであることが多いですが、バッハはチェンバロのパートを独奏
楽器に劣らず重視しており、知名度こそ無伴奏ソナタに劣るものの、ヴァイオリンとチェンバロ
が対等に音色を響かせる優れた作品であることに変わりはありません。
後世のヴァイオリン・ソナタがベートーヴェンの作品を筆頭に、ヴァイオリンとピアノを対等な
立場に置いたことを考えると、バッハのソナタの方向性は時代を先取りするかのようです。
エムリン・ナイ(ヴァイオリン)
ピーター・ウォッチョーン(チェンバロ)
バッハ:カンタータ第153番「見たまえ、御神、いかにわが敵ども」BWV153
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=TuAqhuHl0so)。
バッハのカンタータ「見たまえ、御神、いかにわが敵ども」BWV153は、1723年末~1724年
1月初旬にかけてのクリスマスシーズンに初演されたカンタータの1つで、1724年1月2日(新
年後第1日曜日)に初演されました。
本作は合唱が単純な4声コラール3曲のみ、伴奏も弦三部と通奏低音のみ、管楽器やソプラノ
はなしという簡素な構成で演奏されます。これは、年末年始のクリスマスシーズンにバッハ
が新作カンタータを次々に初演したため、トマス教会合唱団と管楽器奏者の疲労が蓄積する
ことを考慮し、団員を休ませるためにあえて少人数で演奏可能な曲を作曲したとされていま
す。
この日の福音書章句はマタイによる福音書から、ヘロデ王がベツレヘム周辺で2歳以下の男の
子を虐殺させた話がとりあげられていることから、本作の歌詞にはクリスマスや新年の祝賀
気分はなく、ヘロデによる嬰児虐殺の場面から、キリスト教徒が耐えるべき試練について歌
われます。
Stefan Rampf(アルト)
クルト・エクウィルツ(テノール)
トーマス・ハンプソン(バス)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
テルツ少年合唱団
12種類の演奏によるヴィヴァルディの「四季」
ヴィヴァルディの「四季」の春夏秋冬各3曲計12曲を、12種類の違う演奏をつなげて聴く企画です。
内容は、
春
#00:00 イ・ムジチ/アーヨ(イ・ムジチ初録音)
#03:41 イ・ムジチ/アーヨ(イ・ムジチの四季、ステレオ初録音)
#06:41 ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団
夏
#11:30 バーンスタイン指揮ニューヨークフィル/コリリアーノ
#18:04 オーマンディ指揮フィラデルフィア/フルシロウ
#20:27 ストコフスキー指揮ニュー・フィルハーモニア/ビーン
秋
#23:38 イ・ムジチ/カルミレッリ(イ・ムジチの四季、デジタル初録音)
#29:06 小澤指揮ボストン響/シルヴァースタイン
#31:43 カラヤン指揮ウィーンフィル/ムター
冬
#35:06 ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団
#38:29 東京ヴィヴァルディ合奏団
#40:33 イ・ムジチ/フィオリーニ(2021年録音)
以上です。
バッハ:カンタータ第152番「出で立て、信仰の道に」BWV152
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=p7h3NlIAVVo)。
バッハのカンタータ「出で立て、信仰の道に」BWV152は1714年に作曲され、同年の降誕節後
第1日曜日にあたる12月30日に初演されました。
本作の歌詞の中心には「石(Stein)」という単語が置かれています。これは「隅のかしら石」
「つまずきの石」というキリスト教の教えに基づき、救い主は神がこの世に置いた「石」であ
るとして、それに依り頼む者にとっては動かぬ基礎となるが、逆に信仰の無い者はそれに躓く
と説き、それに躓かないように正しく信仰の礎とするようにと歌っていきます。
音楽様式としては、本作には後のコラール・カンタータのような合唱がなく、アリアとレチタ
ティーヴォだけでできている室内楽カンタータで、ヴァイマル時代の作品に特徴的な器楽合奏
曲が冒頭に置かれています。これは初演日がクリスマスという大規模な催しが終わった直後で、
祝祭的な気分が収まってきた頃に、居住まいを正して改めて神と向き合うという意図で構成さ
れているためと思われます。
Christoph Wegmann(ソプラノ)
トーマス・ハンプトン(バス)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
テルツ少年合唱団
【打ち込み】ソナタ K.131(ドメニコ・スカルラッティ)
イタリアのバロック音楽家、ドメニコ・スカルラッティ(Giuseppe Domenico Scarlatti)のソナタを打ち込んでみました。
いつもTMIDI Playerばかりでは芸がないということで、たまにはMIDITrailを使ってみました。が、画質を無理くり引き延ばしたのでノートが波打ってます。
バッハ:カンタータ第148番「その御名にふさわしき栄光を」BWV148
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=C44qiMunmRI)。
バッハのカンタータ「その御名にふさわしき栄光を」BWV148は自筆譜が遺されておらず、最も
古い楽譜が18世紀後半の筆写譜であるため、正確な作曲年代はわかっていません。ただ、本作の
歌詞の内容が三位一体節後第17日曜日の福音章句に対応しており、この日に初演される目的で作
曲されたことはほぼ確実と見られています。また、歌詞の語句が1725年に出版された台本に基づ
くことから、バッハがライプツィヒに着任した後の1723年か1725年の該当祝日に演奏するために
作曲された(1724年の該当祝日はBWV114が演奏されたため除外)と推測されます。
当日の福音章句は安息日に病人を癒し、形式にこだわるファリサイ派を非難するイエスを描いた
ものですが、本作の歌詞は「安息日」「安らぎの場所」というような表象をあれこれ取り上げつ
つ、「最後の時には神の大いなる安息日の宴席に招かれたい」といった、単純に安息日を讃える
内容になっています。
全6曲のうち、冒頭曲はトランペットがリードする、喜びに満ちた合唱曲で、その後はテノールと
アルトによるアリアとレチタティーヴォが交互に続きます。終曲のコラールは歌詞の指定があり
ませんが、これは筆写譜の不備によるもので、新バッハ全集では作者不詳のコラール「私の愛し
い神に」の第6節が指定されています。
ポール・エスウッド(アルト)
クルト・エクウィルツ(テノール)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
テルツ少年合唱団
ガボット「リュート組曲第4番より」【Vocaloid5、Sinsy】
StudioONE5になって音質がキレイになったわ。エフェクターを改善したみたいね。便利だったmultiband dynamicsが無くなったのは気になるけど。。。
バッハ(アンドレアス・フィッシャー補筆):幻想曲とフーガ ハ短調 BWV562
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=jApwpBr3GuM)。
バッハが数多く作曲したオルガン作品の1つである「幻想曲とフーガ ハ短調」BWV562は、
フーガの楽譜が27小節までで途切れて未完となっているため、通常は完成版が伝わる前半
の幻想曲のみを演奏する場合が多い一方、未完のフーガを補筆して「幻想曲とフーガ」の
形で演奏する事例も少数ながらあります。
この動画では、ドイツのオルガン奏者・指揮者であるアンドレアス・フィッシャー(1966 -)
がフーガを補筆し、フィッシャー自身の手で演奏しています。
アンドレアス・フィッシャー(オルガン)
バッハ:フーガ ハ短調 BWV562(未完)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=6_B5ZItANe4)。
1745年、バッハは過去(おそらくバッハがヴァイマルで宮廷オルガニスト兼宮廷楽師を務めた
1708~1717年の間)に作曲した「幻想曲 ハ短調」BWV562(sm41144565)に新たに作曲し
たフーガを追加して「幻想曲とフーガ ハ短調」BWV562としました。しかし、現存する最古の
楽譜ではフーガは最初から27小節までしか書かれておらず、未完成となっています。
専門家の研究によると、その楽譜はバッハの自筆譜ではなく、親族か弟子が筆写したものとさ
れています。一方でフーガの様式はバッハ後期の作品にふさわしい完成度であることから、お
そらくバッハ自身はこのフーガの作曲を完結させたものの、その筆写が何らかの事情で中断さ
れ、その後にバッハの自筆譜が失われたため未完の状態で後世に伝わったと考えられています。
この動画では最古の楽譜通り、27小節で演奏が中断されています。
マルティン・リュッカー(オルガン)