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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第9回(2015年8月23日)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2015年8月23日にニコニコ生放送で配信した第9回では、元中央水産研究所の佐々木克之さんをゲストとしてお招きしました。
諫早湾では干拓事業によって干潟をつぶして農地と調整池を造成しましたが、現在、調整池の水質の悪化や排出される大量の汚濁水が問題となっています。佐々木さんには、干潟が持っている下水処理場のような水質浄化機能と、干潟を失ったことによる調整池の「汚濁化」のメカニズムについてお話しいただきました。
このほかの回もぜひお聴きください → mylist/48084459
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第83回「有明海のノリ養殖の現状」
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2022年11月27日に放送した第83回では、有明海奥部で養殖ノリの生育不良が広がっていたことから、緊急の特集として、有明海のノリ養殖の問題について、有明海漁民・市民ネットワークのレギュラーメンバー4人で話しました。
有明海のノリ養殖は2000年度に大不作が発生し、農水省が組織した「ノリ第三者委員会」は諫早湾干拓の開門調査を提言しています。その後も有明海奥部のノリ養殖は、赤潮の増加で不安定な状態が続き、特に近年、佐賀県西南部の漁場では2020年、2021年と極端な不作が続いて問題となっていました。そして、この第83回の生放送後、ノリの色落ち被害は佐賀県の東部や福岡県にも広がり、2022年度の有明海のノリ養殖は2000年に匹敵する規模の大凶作になってしまったのです。
番組では、こうしたノリの不作と諫早湾干拓との因果関係について、最近の学説なども紹介しました。また、有明海漁民・市民ネットワークは、有明海特措法に基づいた緊急のノリ漁業者救済対策を国に申し入れてきましたが、漁業共済などによる補填で十分とする水産庁の対応の問題点などについても議論しました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット第81回「有明海のノリ養殖と諫早湾干拓」ゲスト:松藤文豪さん(有明海漁民・市民ネットワーク代表)
2022年7月31日に放送した第81回では、有明海漁民・市民ネットワークの代表でもある福岡県大牟田市のノリ漁師、松藤文豪さんにゲストとしてご出演いただきました。
大牟田は有明海でも有数のノリ漁場です。しかし1997年の諫早湾閉め切りの翌年からは、赤潮によるノリの色落ちが悪化し、2000年の冬には有明海全域で大不作となりました。諫早湾干拓が原因であると考えた松藤さんは、諫早湾への海上デモを呼びかけて実行。この時、諫早湾内は赤潮プランクトンだらけで、漁業者たちは干拓の悪影響を確信しました。
大牟田では、かつては西風が吹くと諫早湾方面から流れてくる海水でノリが良く育ちました。しかし、諫早湾の閉め切り後は西風が吹くとプランクトンが流れ込み、大牟田のノリは色落ちするようになったそうです。
今回の番組では、2000年のノリ大不作時の話をはじめ、大牟田での昔の養殖ノリの様子や近況について、松藤さんに伺いました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第80回「諫早市民として開門を求め続けて」ゲスト:松田恵子さん(諫早市民)
2022年6月26日に放送した第80回では、諫早市にお住まいの松田恵子さんにゲストとしてご出演いただきました。
諫早市の郊外に引っ越してきた松田さんが、諫早湾干拓の問題を知ったのは、1997年の堤防閉め切りの3年前でした。友人でムツゴロウ訴訟(諫早湾自然の権利訴訟)の原告ハマシギの代弁人だった田中二三子さんを応援することから、この運動に関わるようになりました。
その後、松田さんは第二次自然の権利訴訟や、よみがえれ!有明訴訟の原告となり、工事差し止め仮処分や開門判決では仲間たちと大喜びしたそうです。
しかし、地元では「漁業者はただお金が欲しいのではないか」といった誤解や偏見がなお根強いようです。また、干潟保全や開門に対する市民の関心は低く、自然や干潟の大切さを伝えきれなかったと、松田さんはご自身の30年近くにわたる活動を振り返っていらっしゃいました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第79回「佐賀県鹿島の干潟とノリ養殖」ゲスト:中村和也さん(佐賀県有明海漁協鹿島市支所)
諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第79回「佐賀県鹿島の干潟とノリ養殖」ゲスト:中村和也さん(佐賀県有明海漁協鹿島市支所)
2022年5月22日に放送した第79回では、佐賀県有明海漁協鹿島市支所のノリ漁師、中村和也さんにゲストとしてご出演いただきました。
中村さんは有明海の佐賀県鹿島沖でノリ養殖を営む、祖父から3代目のノリ漁師です。子どもの頃から干潟で遊び、鹿島ガタリンピックにも選手や運営で参加してきました。最近では鹿島沖の干潟の質に悪化を感じているとのことです。
鹿島での2021年度のノリ養殖は赤潮による栄養塩不足で不作に終わりました。船のエンジンを新調したばかりの中村さんは、漁業共済などによる補償だけでは経営が厳しい状況です。有明海特別措置法による緊急な救済を求めていますが、国はかたくなにそれを拒んでいます。色落ちした黄色いノリでなく黒いノリを取らせて欲しい、そのためには諫早湾の開門調査をして、原因を究明して欲しいと中村さんは話していました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第77回「請求異議訴訟差し戻し審の判決」ゲスト:堀良一さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団)
2022年3月27日に放送した第77回では、よみがえれ!有明訴訟弁護団の事務局長、堀良一さんにゲストとしてご出演いただき、福岡高裁の請求異議訴訟差し戻し控訴審判決について解説していただきました。
福岡高裁は2022年3月25日、諫早湾の開門の強制執行を認めないとする漁業者側敗訴の判決を言い渡しました。この番組は判決の2日後に生放送したものです。この判決で裁判所は、漁獲量は増加傾向にある、漁獲量の減少の大半の原因が潮受け堤防の閉め切りにあるとは言えない、以前よりも開門した場合の防災上の支障が増大しているなどと、国側の主張を丸のみにしています。
極めて杜撰な事実認定によって確定した開門判決を覆す内容で、全く不当な判決です。
番組では、判決要旨の文言を確認しながら、堀さんと有明海漁民・市民ネットワークのメンバーで、この判決の問題点について議論しました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第76回「故郷の海・有明海の問題を撮る」ゲスト:井手洋子さん(映像ディレクター)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2022年2月27日に放送した第76回では、映像ディレクターの井手洋子さんにゲストとしてご出演いただきました。
佐賀県鹿島市の出身である井手さんは映像ディレクターとして、布川事件を扱った「ショージとタカオ」や、障害のある子どもたちの放課後活動の様子を描いた「ゆうやけ子どもクラブ!」など、さまざまな記録映画を制作されてきました。
井手さんは2012年頃から現在に至るまで、有明海の漁業や諫早湾干拓問題に関連した映像を撮り続けています。鹿島の海の干潟の生き物たちに感動し、また、諫早湾内の漁師の「どうせ農水は俺たちが死ぬのを待っているのだろう」という言葉に、こんな理不尽な話があるだろうかと思いながら、撮影を続けているそうです。2021年度は鹿島や大浦など佐賀西南部での養殖ノリの色落ち被害が広がりましたが、地元の漁業者の様子なども井手さんからお話しいただきました。みなさま、ぜひお聴きください。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第75回「追悼:東幹夫さんと諫早湾干拓」
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2022年1月23日に放送した第75回は、2021年12月にお亡くなりになった長崎大学名誉教授・東幹夫さんを偲んでの特別企画です。
魚類の専門家であった東さんは、早くから諫早湾干拓事業に警鐘を鳴らし、1997年の堤防閉め切り直後から有明海でのベントス(底生生物)の生息調査を毎年続けてきました。2001年にはノリ大不作を受けて組織された第三者委員会に参加し、短・中・長期の開門調査提言を実現させました。そして、有明海のベントスが、堤防閉め切り後に減少、2002年の短期開門調査後に急増、その後は一貫して減少していることを明らかにし、干拓事業の悪影響や開門の有効性を実証しました。
今回の番組では、2001年、2017年のシンポジウムでの東さんの発言、また、東さんが第三者委員会に入ることを認め、開門調査の実施に前向きであった谷津義男・農水大臣の2002年のシンポジウムでの発言などを聴きながら、レギュラーメンバーで東さんの功績を振り返りました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第74回「2021年の動きを振り返る」
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年12月26日に放送した第74回では、有明海漁民・市民ネットワークのレギュラーメンバーで2021年の重要なニュースを振り返りました。
2021年は、請求異議訴訟の差し戻し審を行っていた福岡高裁が、4月に「和解協議に関する考え方」という画期的な提案を示しましたが、国の拒否によって和解協議は実現せず、同訴訟は12月に結審となりました。10月には元長崎県知事の金子原二郎衆議院議員が農水大臣に就任し、親子2代で農水大臣として干拓事業に関わることになりました。
NGOや研究者の動きとしては、日本環境会議の諫早湾干拓問題検証委員会が報告書を公表。また、開門を提言したノリ第三者委員会や有明海のベントス調査などで、長年、諫早湾干拓の悪影響の問題に取り組んできた長崎大学名誉教授の東幹夫さんが12月にお亡くなりなりました。
漁業では、タイラギが10年連続で休漁となり、佐賀県の西南部のノリ養殖で大規模な色落ち問題となりました。今回の番組では漁民ネット現地事務局の時津良治さんに、漁業の現場や農水大臣の視察の様子などについて伝えてもらいました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第73回「「熊本での活動と金子農相の諫早視察」ゲスト:北園敏光さん(有明海再生NET/荒尾市議会議員)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年11月28日に放送した第73回では、有明海再生NETの北園敏光さんにゲストとしてご出演いただきました。
熊本県荒尾市の市議会議員でもある北園さんは、荒尾市で生まれ、幼い頃から潮干狩りなど有明海の豊かな漁業を体験しながら育ってきました。しかし、荒尾沖ではタイラギやアサリが採れなくなり、海域の水質(COD)は、諫早湾の堤防が閉め切られた1997年の翌年から環境基準不適合となり今日まで続いています。
「開門すれば有明海は再生する」という研究者の法廷での証言に触発された北園さんは、元・熊本保健科学大学教授の高橋徹さんを代表とする「有明海再生NET」という団体を立ち上げ、諫早湾干拓問題に関して講演会やホームページでの情報発信を積極的に行っています。2021年11月に金子原二郎農水大臣が佐賀県や諫早湾干拓を視察した際には、漁業者や弁護団と大臣の懇談会を動画で撮影して公開されました。今回はその時の大臣や漁業者の発言などについてもお話しいただきました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第72回「諫早湾内の漁業と排水による被害」ゲスト:室田和昭さん(長崎県諫早湾漁協瑞穂支所)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年8月22日に放送した第72回では、長崎県諫早湾漁協瑞穂支所の室田和昭さんにゲストとしてご出演いただきました。
室田さんは、諫早湾の潮受け堤防の南部排水門のすぐ近くの漁場で、60年以上もタイラギやノリなどの漁業の仕事をしてきました。かつては諫早湾奥部のガタ土の海底でもタイラギが取れたそうで、全長7kmの潮受け堤防の工事が進む中で、2kmほど開いている段階では、まだ諫早湾の奥に魚が遡上して産卵をしていたそうです。
ところが、堤防閉め切り後はカレイやシタビラメなどの底魚が急速に減り、ノリ養殖場も赤潮が発生してなかなか抜けていかないようになりました。2010年に当時の瑞穂漁協は組合員全会一致で開門を求める方針に転換。室田さんも諫早湾内の漁民として開門を求める裁判に参加しました。どん底の状態で漁業の仕事を継いだ息子のためにも、少しでも昔の海に戻るようにしていきたい、それが課題であると室田さんおっしゃっていました。
そのほか、諫早湾の昔の話、今の話をいろいろと伺いましたので、ぜひお聴きください。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第71回「柳川のノリや魚介の話」 ゲスト:北原敬二さん(福岡県沖端漁協)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年7月25日に放送した第71回では、福岡県沖端漁協の北原敬二さんにゲストとしてご出演いただきました。
北原さんは15歳の時から50年以上も有明海の柳川沖で漁業に携わってきました。かつてはタイラギやアサリなどの漁業とノリ養殖、1990年代になってからはノリが仕事の中心となりました。2000年冬に起こったノリの大不作では、弟さんが諫早湾まで様子を見にいって「プランクトンがすごく湧いて海が汚れている。もうノリは取れなくなる」と話していたとのこと。その後は、ノリ養殖の漁期を長くしてなんとか収量を確保している状況だそうです。開門すれは海は絶対に良くなると、北原さんはおっしゃっていました。
北原さんには漁業の話のほか、柳川名物の掘割や川下り、うなぎのせいろ蒸しの話なども伺いました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第70回「福岡高裁が提案した和解協議」ゲスト:吉野隆二郎さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年6月27日に放送した第70回では、よみがえれ!有明訴訟弁護団の弁護士・吉野隆二郎さんにゲストとしてご出演いただきました。
諫早湾の開門をめぐる請求異議訴訟の差し戻し控訴審で、2021年6月2日、福岡高裁は「和解協議に関する考え方」という文書を提示しました。この文書では、開門問題の抜本的な解決には話し合い以外に方法はなく、特に国は利害調整のためにこれまで以上の尽力が不可欠であるとしています。今回の番組では、この「考え方」の内容と、それまでの請求異議訴訟の経緯について吉野さんに解説していただきました。
吉野さんは、この「考え方」に沿って和解協議を行い、開門によって漁業も農業もより良くなるような解決を目指すべきであると、お話をまとめられましたが、その後、国が非開門に固執したため和解協議は実現せず、福岡高裁は2022年3月25日に漁民側を敗訴とする判決を言い渡しました。2022年11月現在、この請求異議訴訟は再び最高裁に上告されて審理されています。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第69回「諫早湾内の漁業被害と裁判」ゲスト:平田勝仁さん(長崎県諫早湾漁協)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年5月23日に放送した第69回では、長崎県諫早湾漁協の平田勝仁さんにゲストとしてご出演いただきました。
平田さんは潮受け堤防の北部排水門に近い諫早市小長井の漁業者です。かつては二枚貝のタイラギの潜水漁に従事していましたが、堤防の工事が始まってからタイラギの大量死が発生し、全く取れなくなりました。また堤防閉め切り以降はアサリも育たなくなり、「養殖」ではなく、よそから持ってきた稚貝を育てる「蓄養」が行われています。蓄養では仕事は年間に2か月もないので、平田さんは橘湾の方で漁をして生計を立てています。
堤防ができてからは、相当な風が吹いても波が立たなくなったそうです。それで海底が貧酸素になって漁業被害が起きているのではないかと平田さんは考えています。親から自分が言われたように、自分の子供や孫に漁師を継げと言えるような海に戻したい、と平田さんはおっしゃっていました。そのほか、平田さんが開門訴訟の原告となった思いなど、さまざまなお話を伺いました。
※編集作業が大幅に遅れ、番組のアーカイブ版の公開が生放送の1年後になってしまったことをお詫びします。平田さんのお話やニュースコーナーの話題は2021年5月時点のものです。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第68回「地域住民の諫早湾干拓への思い」ゲスト:樫澤秀木さん(佐賀大学経済学部教授)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年4月24日に放送した第68回では、佐賀大学経済学部教授の樫澤秀木さんにゲストとしてご出演いただきました。
樫澤さんたちの研究グループでは、2020年に諫早市・雲仙市の住民2100名を対象に、諫早湾干拓をはじめとした地域社会に関するアンケート調査を行いました。諫早湾干拓に関しては、防災機能や交通の利便性の向上など好印象を持つ人が多く、開門への理解や利害調整の難しさを感じさせる結果でした。また、樫澤さんは、諫早湾や有明海の自然に親しみを覚える住民が少ないという調査結果も、この問題の背景として指摘されました。
一方で、もともと諫早湾沿岸の出身である樫澤さんは、昔の自然を良かったと言う人や、気温の変化など干拓事業による周辺の農業への悪影響に困惑している住民も多いことを実感していて、こうした人々との話し合いの場の模索など、問題解決に向けたさまざまなご意見をいただきました。
※編集作業が大幅に遅れ、番組のアーカイブ版の公開が生放送の1年後になってしまったことをお詫びします。樫澤さんのお話やニュースコーナーの話題は2021年4月時点のものです。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第65回「熊本県荒尾沖での漁船漁業」ゲスト:西川幸久さん(熊本県荒尾漁協)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2021年12月27日に放送した第65回では、熊本県荒尾漁協の西川幸久さんにゲストとしてご出演いただきました。
番組当日が67歳の誕生日だった西川さん。一旦サラリーマンになった後、24歳からタイラギ漁などを始めたそうです。その頃、荒尾ではタイラギやアサリが大量に採れていました。その後、タイラギは熊本新港の建設工事の影響で減少し、諫早湾の干拓堤防閉め切り以降は全く採れなくなりました。クルマエビやタコ、イカなども獲れなくなり、漁船漁業は最悪の状態が続いています。
諫早湾干拓によって一番変わったのは潮流で、エビ網の流れが速度も方向も目に見えて変わったそうです。西川さんは一日も早く昔のような海に戻して、今の若い人にそれを見せたいとおっしゃっていました。
※編集作業が大幅に遅れ、番組のアーカイブ版の公開が生放送の1年後になってしまったことをお詫びします。西川さんのお話やニュースコーナーの話題は2020年12月時点のものです。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第64回「堤防閉め切り前後の地元での活動」ゲスト:原田敬一郎さん(長崎県雲仙市)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年11月22日に放送した第64回では、長崎県雲仙市の原田敬一郎さんにゲストとしてご出演いただきました。
諫早湾沿岸の愛野町(現・雲仙市)で、子どもの頃は船上生活をしていた原田さん。干潟で遊んだり、アゲマキをとったりする日々だったそうです。諫早湾干拓の計画が動き始めてからは、まず地元の人たちと干潟の掃除の活動を始めました。その後「ムツゴロウ裁判」の原告となったり、コンサートを開いたり、干拓地の対岸でメッセージを書いた黄色いハンカチを掲げたり、愛野町の町会議員として立候補して見事に当選したり・・・ユニークな活動を次々と展開して、干拓事業の見直しや干潟の再生を全国に訴えました。今回の番組ではそうした活動の様子や、当時の思いなどを原田さんに伺いました。また、原田さんの作詞・歌唱による「月の干潟」という曲を番組の中で流しています。ぜひお聴きください。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第63回「島原半島でのノリ養殖」ゲスト:篠塚光信さん(長崎県有明漁協)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年9月27日に放送した第63回では、長崎県有明漁協の篠塚光信さんにゲストとしてご出演いただきました。
篠塚さんがノリ養殖を営んでいる島原市有明町の沖合は、諫早湾からの海水が渦を巻くように強く流れる養殖に適した場所でした。しかし、1997年の干拓堤防の閉め切り後は下げ潮の時間が短くなって、「浮き流し」でのノリの生育が極端に悪くなりました。さらに、2008年から干拓地での営農が始まると、ノリの「芽流れ」がひどくなり、網が汚れるようになりました。篠塚さんは干拓農地の堆肥などから流れ出ている窒素分の過多が、ノリの生育不良の原因ではないかと見ています。
堤防閉め切り前は3億円ほどあった長崎県のノリの生産高は、現在は1億円ほどに落ち込んでいます。福岡県や佐賀県よりも早い時期から干拓の悪影響を受け、現在も厳しい状況にある島原半島のノリ養殖の実情を、このインタビューから知っていただければと思います。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第62回「熊本県荒尾のノリ養殖」ゲスト:前田力さん(熊本県荒尾漁協)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年8月23日に放送した第62回では、熊本県荒尾漁協の前田力さんにゲストとしてご出演いただきました。
前田さんは有明海で諫早湾の対岸にあたる荒尾で、50年以上ノリ養殖を営んでいる漁業者です。前田さんのご両親は荒尾で初めてノリ養殖を始めた方だそうで、夏は観光地引き網もやっていました。今回の番組では少年時代の前田さんが地引き網からこぼれる魚で竹かごをいっぱいにしていた話や、地元では炭鉱で働くご主人よりもアサリをとっている奥さんの方が多く稼いでいたといった話など、有明海が豊だった頃の話をいろいろと伺いました。
1997年の諫早湾の堤防締め切り以降は、荒尾でも潮流に勢いがなくなって、海にヘドロが積もり、海水の色も変わってしまったとのことです。特に西風が吹く時に、諫早湾からの排水が水面を滑るように押し寄せてくるそうです。かつて、高橋徹先生が行った潮流調査では、諫早湾から浮かべた10本のブイの半分が荒尾の方に流れてきました。
前田さんは、コロナウイルスや豪雨は天災かもしれないが、諫早湾干拓での環境悪化は完全に人災だと思う、開門しなければ有明海の再生はないとおっしゃっていました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット第61回「諫早湾干拓と地元・森山町」ゲスト:村山茂樹さん(元森山町教育委員会学芸員)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年7月26日に放送した第61回では、元森山町教育委員会学芸員の村山茂樹さんにゲストとしてご出演いただきました。
長崎県北高来郡森山町(合併して現在は諫早市)と諫早市の小野地区は、諫早湾干拓の後背地として干拓事業の推進を求める農家が多い地域でした。いずれも江戸時代から干拓が少しずつ行われてきた場所ですが、島原半島の付け根の地峡部のため水が乏しく、昔から干拓地の水田は水路網に水を貯め込む構造になっていました。そのために大雨が降ると湛水被害が起きやすいという構造的な問題を抱えていたのです。
昭和になってからの森山町の干拓も農業用水を十分に確保しないまま勧められ、その後も国や県は導水や排水の整備を怠ってきたことから、森山町の農家は、諫早湾干拓による調整池の淡水化や排水の向上といった、干拓を拡大した先にあるインフラに頼らざるを得ない状況に追い込まれていたのです。
村山さんは、森山・小野の農民も、小長井の漁民も、諫早湾干拓事業のための「人質」に取られた人たちであり、「おかず」よりも「ご飯」を優先する日本の行政が、漁業者と農業者の対立という構図を作り上げ、海の環境破壊を生んできたと語ります。この人質や対立の構図は、新干拓地の入植農家と有明海の漁業者の間での開門問題においても、変わることなく続いているようです。地元の「人質」を救い出さない限り、この問題は解決しないというのが、村山さんのご意見でした。詳細はぜひ番組をお聴きください。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット第60回「有明海の採泥調査」ゲスト:佐藤慎一さん(静岡大学教授)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年6月28日に放送した第60回では、静岡大学教授の佐藤慎一さんにゲストとしてご出演いただきました。
佐藤さんと長崎大学名誉教授の東幹夫さんたちは、諫早湾が干拓事業で閉め切られた1997年以降、毎年欠かさず有明海の採泥調査/ベントス(底生動物)調査を続けています。今年も、6月13日から17日まで調査が行われました。
この調査で、有明海のベントスの減少傾向が続いていること、2002年の短期開門調査で海水が導入された時だけは、一部のベントスが急増したことが明らかになっています。それは2002年の短期開門で漁獲が増えたという漁業者の証言を裏付けるものです。
これまでさまざまな有明海再生策が行われてきましたが、2003年から今年の調査まで、短期開門時のようなベントスの急増は一度も観測されていません。 長年調査を続けることで、開門の効果や必要性の確証を得たと佐藤さんは語っています。
今回の調査には漁民ネットの吉川多佳子さんと時津良治さんも参加しました。2人にもその時の様子などを話してもらいました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット第59回「営農者による開門訴訟」ゲスト:中原昌孝さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団)
諫早湾干拓問題ラジオAIネット第59回「営農者による開門訴訟」ゲスト:中原昌孝さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年5月24日に放送した第59回では、よみがえれ!有明訴訟弁護団の中原昌孝さんにゲストとしてご出演いただきました。
干拓事業による諫早湾の閉め切りは、有明海の漁業だけでなく、干拓地での農業にも悪影響を与えています。干拓農地を囲む調整池には野鳥の餌が少ないため、カモによる農作物の食害が多発しています。また、調整池には気温の緩和作用がある海水が流入しないため、低温や高温による農作物の生育不良も発生しています。農地を管理している長崎県の農業公社は、これらの問題を省みないどころか、最近になって農地のリースに関する契約条件を厳しくしてきました。このような状況に不満を表明した入植者の松尾公春さんは、公社から農地リースの契約更新を認められず、立ち退きを求められています。
松尾さんは被害の損害賠償と開門を求める裁判を起こし、昨年からはすでに干拓地から撤退していた営農者も原告に加わりました。この裁判によって、1/4もの入植者が撤退していながらも、これまであまり聞こえてこなかった干拓地での困難な営農の状況や、それまで営農者を「盾」として事業を推進してきた国や県の傲慢で無責任な姿勢が明らかになってきました。
営農者訴訟を担当している中原弁護士は「農水省は干拓地での農業に支障が出るといって漁業者が求める開門を拒んでいるが、それに風穴を開けたのがこの営農者訴訟ではないか」と語っています。今回の番組で、「農業と漁業の対立」といった見方が誤りであることを、多くの皆さんに理解していただければと思います。ぜひお聴きください。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第56回「かつての諫早湾干潟と現在」ゲスト:富永健司さん(諫早住民)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年2月23日に放送した第56回では、諫早市在住の富永健司さんにゲストとしてご出演いただきました。
小さい頃から諫早市内の本明川で遊んでいた富永さんは、その後、干拓事業で失われることになる諌早湾干潟の風景や生き物、そこで暮らす人々の姿を撮影し、1985年に「有明海 諫早湾の干潟と生活の記録」という写真集を出版されました。1997年の堤防閉め切りで全国に知られるようになった諌早湾干拓問題ですが、富永さんは干拓事業開始前から、故・山下弘文さんなどとともに、干潟保全の市民運動を担ってきた一人です。
そんな富永さんに、諫早湾の干潟生態系の素晴らしさや、堤防閉め切り前の市民運動の様子、干拓事業に対する現在の思いなどを語っていただきました。諫早湾干拓問題は、漁業問題のみならず地球環境問題であり、干潟の生物生産性、防災、財政、営農など総合的な検証が必要であると、富永さんはおっしゃっていました。これからも一人でも多くの人にこの問題を訴えていきたいとのことです。
なお、当日の通信の不具合で、番組の後半に雑音が多くなってしまったことをお詫びします。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第54回「長崎地裁での新たな開門訴訟」ゲスト:高峰 真さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年11月24日に放送した第54回では、よみがえれ!有明訴訟弁護団の高峰真弁護士にゲストとしてご出演いただきました。
長崎地裁での諫早湾内の漁業者による開門訴訟は、第2陣・第3陣が結審し、2020年3月に判決が言い渡されます。その一方で、開門差し止め訴訟で「独立当事者参加」が認められなかった漁業者による、第4陣の開門訴訟が長崎地裁で始まりました。さらに諫早湾干拓地での営農から撤退した農業者が損害賠償や開門を求める新たな裁判も始まりました。
今回は第4陣の開門訴訟の担当弁護士である高峰真さんに、これらの裁判の経緯を説明していただき、被害が続いている漁業の実態や、漁業者と農業者の双方が長崎地裁で開門を求めていることの意義など、11月12日の公判で陳述した内容についてお話いただきました。
また、放送日の前日に佐賀県や長崎県の漁業者と会ってきた漁民ネットの吉川多佳子さんに、最近の有明海の漁業の状況や漁業者の想いなど、現場の人たちから聞いてきた話を報告してもらいました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第53回「島原での漁と海の異変」ゲスト:中田猶喜さん(島原漁協、有明海漁民・市民ネットワーク副代表)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年10月27日に放送した第53回では、島原の漁業者で有明海漁民・市民ネットワーク副代表の中田猶喜さんにゲストとしてご出演いただきました。
中田さんは島原の海で50年以上、漁船漁業を営んできました。クルマエビは適度に海が濁っているときに、クツゾコ(シタビラメ)は月が明るくない冬の大潮の日によく獲れると教えていただきました。魚の状態は分からないから、自然の変化を見ながら漁をするという中田さん。諫早湾の調整池から大量の排水があると、2、3日後に島原沖でそれが分かるそうで、干拓堤防の閉め切り後は潮の流れ方が変わって、網が汚れるようになったとのことです。誰よりも敏感に海の変化を感じ取りながら仕事をしてきた中田さんの証言をぜひお聴きください。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第52回「高裁判決を棄却した最高裁」ゲスト:堀良一さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団事務局長)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年9月22日に放送した第52回では、よみがえれ!有明訴訟弁護団事務局長の堀良一弁護士にゲストとしてご出演いただきました。
2019年9月13日、最高裁は漁業権の更新により開門の請求権が失われたとする福岡高裁の判決を破棄して、審理を高裁に差し戻しました。堀さんはこの判決について、確定判決の効力は消えることがないという当然の判決であると語っています。また、この判決文の後半に、差し戻し審での事実認定が必要な論点に関し、その判断の枠組みを示すような裁判官個人の補足意見がつけられたことに対しては、世論をミスリードするものであると強く批判しました。
このほか、長崎地裁では干拓地での営農から離脱した2人の農業者が裁判を起こしたことや、最高裁から移送された開門裁判が始まったことなど、開門訴訟をめぐる新たな動きを報告していただきました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第51回「野鳥と湿地、春国岱と諫早湾」古南幸弘さん(日本野鳥の会保全プロジェクト推進室チーフレンジャー)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年7月28日に放送した第51回では、日本野鳥の会の古南幸弘さんにゲストとしてご出演いただき、北海道の春国岱や諫早湾についてお話しいただきました。
古南さんは日本野鳥の会のスタッフとして、諫早湾干拓事業の見直しを求める運動、その後の藤前干潟や愛知万博会場の海上の森の保全活動などで精力的に活動されました。現在は春国岱のネイチャーセンターで仕事をされています。
春国岱・風蓮湖はラムサール登録地で干潟が豊富にあり、2000〜3000羽ものシギ・チドリ類が訪れる場所です。一昔前はもっと多く飛来したようですが、大きな開発がなかったことから、近年の野鳥の飛来数は比較的安定しているそうです。諫早湾の干潟にもかつては1万羽ものシギ・チドリ類が渡ってきました。特にダイシャクシギやチュウシャクシギといった大型のシギ・チドリ類が多かったことが特徴だったそうです。しかし、1997年の干拓堤防閉め切りでその広大な干潟は失われてしまいました。
現在の春国岱や風蓮湖では、漁業やバードウォッチングなどが自然の恵みとして漁業者や市民に理解され、享受されています。諫早でも自然を回復し、その恵みを人々が分かち合えるような形にしていかなければならないと、古南さんはおっしゃっていました。
番組後半の「ニュースコーナー」では、7月26日に行われた開門をめぐる請求異議訴訟の最高裁口頭弁論について、法廷内の様子や国側の弁論内容の問題点などを、レギュラーの吉川多佳子さんや陣内隆之さんに報告してもらいました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第50回「有明海を守る若者たちと水族館」ゲスト:小宮春平さん(やながわ有明海水族館館長)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年6月23日に放送した第50回では、やながわ有明海水族館の小宮春平さんにゲストとしてご出演いただきました。
諫早湾の堤防が閉め切られた1997年の翌年に生まれた小宮さんは、今年で21歳。故・近藤潤三さんが有明海再生の思いで設立した福岡県柳川市にある水族館の運営を引き継いで、館長を務めています。この水族館では有明海や周辺の河川にすむ魚介類、有明海の伝統漁具などが展示されていて、生態系保全のための活動を行う若者たちのグループの拠点にもなっています。
大陸系遺存種が多い有明海は、日本の中にあって異国のような生態系がある場所だそうです。生物学的にも、水産業においても重要であり、そうした有明海の本来の姿であったとも言える諫早湾の干潟が失われてしまったことを、小宮さんはとても残念に思っています。長期のきちんとした開門調査で、環境がどう変化するかを見てみたいとおっしゃっていました。若い世代が有明海の環境保全や再生をどのように考え、実践しているか、ぜひお聴きください。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第49回「長崎地裁での漁業者の証言」ゲスト:桑原義浩さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年5月26日に放送した第49回では、よみがえれ!有明訴訟弁護団の桑原義浩さんにゲストとしてご出演いただきました。
長崎地裁では諫早湾内の漁業者が開門を求めて提訴した裁判が行われています。5月13日には漁業者4人に対する尋問が行われ、桑原さんは瑞穂漁協の室田和昭さんの尋問を担当しました。諫早湾の排水門の一番近くでノリ養殖を行っている室田さんは、堤防閉め切りで潮流が弱くなりノリの生育に必要な栄養分が十分に流れてこなくなったこと、排水門からの汚濁水によって網が汚れ、ノリが流れてしまうといった被害が発生していることなどを証言したそうです。また今回は、5月22日に最高裁が開門をめぐる請求異議訴訟の弁論期日を指定したことから、急遽、桑原さんにその意味合いなどを解説していただきました。漁業権の更新を理由に開門請求権の消滅を認めた福岡高裁の判決が、過去の判例と食い違うという漁業者側弁護団の上告受理申し立てを最高裁は認めたとのことです。最高裁が高裁判決を破棄して差し戻し、判決文で問題解決に向けた公正なメッセージを発するよう、弁護団は7月26日の弁論に向けて取り組んでいくそうです。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第48回「和白干潟の保全活動と諫早」ゲスト:松本悟さん(ウエットランドフォーラム)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年4月28日に放送した第48回では、ウェットランドフォーラムの松本悟さんにゲストとしてご出演いただきました。
松本さんはウエットランドフォーラムという会を立ち上げて、博多湾にある和白干潟の保全活動を続けています。和白干潟は沖合いの埋め立てによって環境の悪化が心配されていますが、大都市のすぐ近くにあって市民が気軽に自然と触れ合うことができる貴重な場所です。その価値を周辺の人々に伝えるために松本さんが取り組んでいる、子どもたちとの干潟の調査やパンフレットの作成、ビデオや絵本の制作などといったさまざまな活動についてお話しいただきました。
また、松本さんは以前より諫早湾干拓問題にも関わりが深く、今年4月に諫早で開催された「干潟を守る日」のシンポジウムでもディスカッションのコーディネーターを務めました。干拓地の入植農家である松尾公春さんや、諫早湾内の若手漁業者である植木勇次さんといった、新しい顔ぶれからの訴えもあった今回のシンポジウムの様子を、松本さんから報告していただきました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第47回「長崎地裁での開門訴訟」ゲスト:紫藤拓也さん(よみがえれ!有明訴訟弁護団)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年3月24日に放送した第47回では、よみがえれ!有明訴訟弁護団の弁護士、紫藤拓也さんにゲストとしてご出演いただきました。
現在、長崎地裁では諫早湾内の漁業者が開門を求めて提訴した訴訟の第2陣・3陣の審理が行われています。
1月28日、2月26日には熊本県立大学教授の堤裕昭さんと、熊本保健科学大学教授の高橋徹さんの証人尋問、3月18日には有明海・八代海等総合調査評価委員会が2017年の報告書を取りまとめた際の環境省の責任者、根木桂三さんの証人尋問が行われました。
今回の番組では、諫早湾閉め切りによる漁業環境悪化のメカニズムや現状などを明らかにした2人の科学者の証言内容や、評価委員会の報告書を巡るやりとりなどについて、漁業者側の尋問を担当した紫藤弁護士や、裁判を傍聴した漁民ネットの陣内隆之さんに報告してもらいました。
また後半のニュースコーナでは、3月22日に行われた評価委員会の審議内容についても取り上げました。
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諫早湾干拓問題ラジオAIネット 第46回「大型複式干拓による自然や社会の分断」ゲスト:鬼頭秀一さん(星槎大学副学長・教授)
諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2019年2月24日に放送した第46回では、星槎大学副学長・教授の鬼頭秀一さんにゲストとしてご出演いただきました。
境倫理学がご専門の鬼頭さんは、諫早湾の閉め切り以前からこの問題に取り組んでこられました。最近では、2018年9月に開催されたシンポジウムで「自然と共生する技術とは何か─有明海の再生に向けて」という講演を行い、諫早湾での干拓が、干潟を少しずつ干拓していく「地先干拓」から、大規模な潮受け堤防と調整池の造成による「大型複式干拓」に移行したことが、生態系だけでなく人間の精神文化や社会の分断をもたらし、今日の「対立」を生み出したという考察を発表されました。今回の番組ではその要点をお話しいただき、問題解決のための考え方などを伺いました。
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