チャイコフスキー:スラヴ行進曲 作品31(シェバリーン版)

チャイコフスキー:スラヴ行進曲 作品31(シェバリーン版)

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=Sd3tT0xXo6U )。チャイコフスキーの「スラヴ行進曲」作品31は1876年の初演当時から、ロシア人やスラヴ人を高揚させ続けた愛国的作品の傑作とされ続けました。しかし、ロシア革命により帝政が倒れたことで問題が生じます。この作品では、3つのセルビア民謡とともに、帝政ロシア国歌「神よ、皇帝を護りたまえ」の旋律が引用されていたため、このままではソ連国内で演奏が不可能となったのです。そこで苦肉の策として、モスクワ音楽院教授ヴィッサリオン・ヤコヴレヴィチ・シェバリーン(1902 - 1963)が、曲中の「神よ、皇帝を護りたまえ」の旋律を、グリンカの歌劇「イヴァン・スサーニン」の終曲「栄光あれ」( sm33977356 )の旋律に差し替えます。このシェバリーン版「スラヴ行進曲」は、ソ連が崩壊するまで演奏され続けることとなりました。なお、グリンカの歌劇「イヴァン・スサーニン」は、本来「皇帝に捧げた命」という名の帝政讃美の作品を改変したものであり、革命のために改変された作品が別の作品の改変に利用される、という皮肉な事態となっています。フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33977623