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モーツアルト「ピアノ協奏曲第26番”戴冠式”K.537」ランドフスカ(ピアノ)
ワンダ・ランドフスカ(ピアノ)
ワルター・ゲール(指揮)
室内管弦楽団
1937年3月25日録音
Mozart: Piano Concerto No. 26 in D major, KV 537 "Coronation" -
Chamber Orch. cond. by Walter Goehr recorded 25 March 1937
NHK-FM クラシックの迷宮 ▽アレクサンドル・チェレプニン生誕125年 2024年01月13日
出演:片山杜秀
「管弦楽のための組曲 から 牧歌」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(1分50秒)
「晴れの日」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(1分05秒)
「ジョージア狂詩曲 から 第2楽章の冒頭」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(2分20秒)
「交響曲第1番 から 第2楽章」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(2分33秒)
「室内管弦楽のための3つの小品 から 第3曲「ボクシング」」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(7分25秒)
「ピアノ五重奏曲 から 第3楽章」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(5分08秒)
「ピアノ協奏曲第2番」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(18分37秒)
「5音音階によるピアノ練習曲集 第1組曲」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(2分23秒)
「5つの中国風コンサート・エチュード から 第5曲「歌」」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(6分38秒)
「フルート三重奏曲 から ダンス」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(1分30秒)
「ティンパニとピアノのためのソナチネ から 第4楽章 行進曲風アレグロ」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(2分01秒)
「無伴奏チェロ組曲 から 第3曲、第4曲」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(3分20秒)
「交響曲第4番 から 第1楽章」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(9分14秒)
「ロシア舞曲集 から 行進曲風アレグロ」
アレクサンドル・チェレプニン:作曲
(2分24秒)
ホフマイスター:フルート協奏曲 ニ長調
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=rHTsBlkhTbg)。
フランツ・アントン・ホフマイスター(1754 – 1812)は音楽史上では楽譜出版業者としての功績が高く評
価されており、モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番やベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」など、
ドイツ古典派の作品を数多く出版したことで知られています。しかし、ホフマイスターは数多くの作品を作
曲したウィーン古典派の作曲家でもあり、少なくとも8つのオペラ、50以上の交響曲をはじめとする作品を
遺しています。
これらの作品のうち、ホフマイスターが特に力を入れたのはフルートを用いた協奏曲や室内楽曲でした。18
世紀末のウィーンではフルートがアマチュア音楽家たちに人気であり、彼らの需要を見込んで多数のフルー
ト作品を作曲したと考えられています。ホフマイスターは生涯に25のフルート協奏曲を出版し、それらは当
時のウィーンの音楽家に高く評価されました。その中でも特に人気があったのが、この動画のフルート協奏
曲 ニ長調だったと言われています。
イングリッド・ディングフェルダー(フルート)
チャールズ・マッケラス指揮
イギリス室内管弦楽団
NHK-FM クラシックの迷宮 ▽多重録音の楽しみ 2023年12月16日
出演:片山杜秀
「ホワイト・クリスマス」
アーヴィング・バーリン:作詞
アーヴィング・バーリン:作曲
(歌)山下達郎
(2分27秒)
「「テューブラー・ベルズ パート1」から」
マイク・オールドフィールド:作曲
(演奏)マイク・オールドフィールド
(3分00秒)
「2つのバイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 第1楽章」
バッハ:作曲
(バイオリン)ヤッシャ・ハイフェッツ、(管弦楽)RCAビクター室内管弦楽団、(指揮)フランツ・ワックスマン
(3分29秒)
「2つのバイオリンのためのソナタ(作曲家による解説付き)」
小倉朗:作詞
(バイオリン)岩淵竜太郎
(14分00秒)
「ヴォカリーズ」
ラフマニノフ:作曲
伊藤悠貴:編曲
(チェロ)伊藤悠貴
(7分21秒)
「交響曲第5番 から アダージェット」
マーラー:作曲
大橋晃一:編曲
(ホルン)福川伸陽
(9分18秒)
「弦楽四重奏曲第4番」
ホラティウ・ラドゥレスク:作曲
(演奏)アルディッティ弦楽四重奏団
(2分30秒)
「「ドラミング」から第2部」
スティーヴ・ライヒ:作曲
(器楽、ヴォーカル)加藤訓子
(20分20秒)
「ア・レインボー・イン・カーヴドゥ・エア」
テリー・ライリー:作曲
(演奏)テリー・ライリー
(18分40秒)
「きよしこの夜」
グルーバー:作曲
(歌)山下達郎
(1分11秒)
【雑学】オーケストラの指揮者は必要なの?
様々な楽器を扱う演奏者が一緒に演奏するオーケストラを見てみると、とても雄大で美しい音楽を聞くことができます。ところでこのオーケストラの中で特に目立つ人がいます。それは指揮者です。指揮者は中央で演奏者たちを指揮しながら演奏を導く人です。ここで今回のテーマの疑問が生じます。演奏する際には楽譜さえあればよいのではないでしょうか。どうして指揮者が必要なのでしょうか。
※ 参考資料・論文資料・諮問など
- 演奏者が指揮者をちらちら見る様子が分かる映像
: https://youtu.be/rOjHhS5MtvA
- Speechley, Mark. "Case 11: The Case of the Long-Lived Orchestra Conductors." Western Public Health Casebooks 2016.1 (2016): 17.
: https://ir.lib.uwo.ca/cgi/viewcontent.cgi?article=1041&context=westernpublichealthcases
- Arm Exercises: Conductors Often Have Long Lives
: https://www.drmirkin.com/fitness/arm-exercises-many-conductors-have-long-lives.html
- Issue No. 2: April, 1996
: https://iml.esm.rochester.edu/polyphonic-archive/harmony_archive/issue-no-2-april-1996/
- オルフェウス室内管弦楽団
: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A6%E3%82%B9%E5%AE%A4%E5%86%85%E7%AE%A1%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%A3
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ジュースマイヤー:レクイエム
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=Y7pTCsCgzTQ)。
オーストリアの作曲家フランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤー(1766 - 1803)は、モーツァルトのレ
クイエムを補筆完成させた功績で後世に名を残しましたが、それに先駆けて自身もレクイエムを2曲作曲し
ています。その内容は1786年に作曲された第1番と、第1番の演奏規模を拡大した第2番(作曲時期不詳)で
すが、これらが作曲者の生前に演奏された記録は残されていません。
このレクイエムは、楽器編成はヴィオラのない弦楽合奏と通奏低音にナチュラル・ホルンと合唱のみで、内
容的にもモーツァルトの作品のような劇的展開は全くなく、演奏時間も約18分で小さくまとまった作品と
なっています。また第1曲は合唱の無い前奏曲であり、歌われる歌詞はラテン語をドイツ語に翻訳して使わ
れていて、ブラームスのドイツ・レクイエムを先取りする要素もあります。とはいえ、全体的にはウィーン
古典派の型に収まった平凡な作品であり、この作曲者が後にモーツァルトのレクイエムを補筆(サンクトゥ
ス、ベネディクトゥス、アニュス・デイの3曲を新規に作曲)したとは想像しにくいところです。
なお、この動画の演奏は実際の楽譜から大きく改変されており、ナチュラル・ホルンのかわりにバセット・
ホルンを使用したり、原曲の繰り返しを冗長としてカットしたり、曲の順番を入れ替えたりしています。こ
の改変がなければ演奏時間は40分弱になると思われますが、演奏者としては原曲があまりにも冗長すぎるた
めに種々の改変を行ったようです。なので、個人的にはこの演奏をもって真正なジュースマイヤーのレクイ
エムとするのはどうか、というためらいもあります。
アンドレアス・デルフス指揮
セント・ポール室内管弦楽団
セント・オラフ合唱団
バッハ:カンタータ第170番「満ち足れる安らい、嬉しき魂の悦びよ」BWV170
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=aFYOAivmezI)。
バッハのカンタータ「満ち足れる安らい、嬉しき魂の悦びよ」BWV170は1726年に作曲され、この年の
三位一体節後第 6日曜日である7月28日に初演されました。この日の福音書章句はマタイによる福音書か
ら「自らの義を誇り、神の国の義に従わない者は天国へ入ることができない」「誰かに対して腹を立てる
ならば、それは殺人と同じであって地獄に投げ込まれる」といったものですが、本作の歌詞は「この世は
苦しみに満ちているが、信心深い者は死後に天国で安息を得る」という風な筋立てになっています。
音楽的には、本作はアリア独唱のためのカンタータで、全5曲という曲数は少なく感じますが、1曲当たり
の時間が比較的長く、全曲の演奏時間は20分強と、中規模のカンタータといえます。作品の前半はこの世
の苦しみを、後半で天国の安らぎを表したものになっています。
アーフィエ・ヘイニス(アルト)
シモン・ゴールドベルク指揮
ネーデルラント室内管弦楽団
12種類の演奏によるヴィヴァルディの「四季」
ヴィヴァルディの「四季」の春夏秋冬各3曲計12曲を、12種類の違う演奏をつなげて聴く企画です。
内容は、
春
#00:00 イ・ムジチ/アーヨ(イ・ムジチ初録音)
#03:41 イ・ムジチ/アーヨ(イ・ムジチの四季、ステレオ初録音)
#06:41 ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団
夏
#11:30 バーンスタイン指揮ニューヨークフィル/コリリアーノ
#18:04 オーマンディ指揮フィラデルフィア/フルシロウ
#20:27 ストコフスキー指揮ニュー・フィルハーモニア/ビーン
秋
#23:38 イ・ムジチ/カルミレッリ(イ・ムジチの四季、デジタル初録音)
#29:06 小澤指揮ボストン響/シルヴァースタイン
#31:43 カラヤン指揮ウィーンフィル/ムター
冬
#35:06 ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団
#38:29 東京ヴィヴァルディ合奏団
#40:33 イ・ムジチ/フィオリーニ(2021年録音)
以上です。
ドビュッシー 神聖な舞曲と世俗的な舞曲 アサートン
Emily Heyens独奏 デイヴィッド・アサートン指揮 ネーデルランド放送室内管弦楽団による演奏
1975年2月15日のライヴ録音
編集能力ゼロなので未編集生データをそのままupしています。
Debussy. Two dances for harp and string orchestra
15 February 1975 VARA Radio Netherland
David Atherton & Emily Heyens & Netherlands radio camber orchestra
C.P.E.バッハ フルート協奏曲 ニ短調 ロエロフ・クロール
Koos Verheul独奏 ロエロフ・クロール指揮 ネーデルランド放送室内管弦楽団による演奏
1978年5月30日のライヴ録音
編集能力ゼロなので未編集生データをそのままupしています。
C.P.E.Bach. Concerto for flute and strings orchestra in d minor
30 May1978 NCRV Radio Netherland
Roelf Krol & Koos Verheul & Netherland radio chamber orchestra
ハインリヒ・ビーバー セレナード バッハ カンタータ第56番 エト・スパンヤール
エト・スパンヤール指揮 ヨルマ・ヒュンニネン独唱 ネーデルラント放送室内管弦楽団による演奏
1978年2月11日のライヴ録音
編集能力ゼロなので未編集生データをそのままupしています。
Heinrich Ignaz Franz von Biber. Serenade for strings and bass and harpsichord
Johann Sebastian Bach. Cantate BWV56 Ich will den Kreuzstab gerne tragen
11 February 1978 Vara Radio Nederland
Ed Spanjaard & Jorma Hynninen & Nertherlands radio chamber orchestra
モーツァルト 交響曲第25番 ケース・バケルス
ケース・バケルス指揮 ネーデルランド室内管弦楽団による演奏
1983年10月8日のライヴ録音
編集能力ゼロなので未編集生データをそのままupしています。
Mozart. Symphony No.25
8 October 1983 NCRV Radio Nederland
Kees Bakels & Nederlands kamerorkest
バッハ(ロジェ・ヴュアタ編):音楽の捧げもの BWV1079(室内管弦楽版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=ObS53DQchq8)。
ドイツ出身の指揮者ヘルマン・シェルヘン(1891 - 1966)は現代音楽の普及に努めたこと
で知られていますが、一方でバッハやベートーヴェンの作品演奏も手掛けており、バッハの
作品については、オーケストラ演奏のための編曲版の演奏・録音を複数残しています。
そんなバッハの作品の一つが「音楽の捧げもの」BWV1079で、シェルヘンは1935年にジュ
ネーヴ生まれの作曲ロジェ・ヴュアタ(Roger Vuataz, 1898-1988)に編曲を依頼して、ヴュ
アタは室内管弦楽のための編曲版を作成しました(同時に「フーガの技法」の編曲版も依頼
しています)。
彼はその編曲版を数回録音しており、この動画ではウィーン・フィルの木管楽器メンバーを
指揮しています。
ヘルマン・シェルヘン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の木管楽器メンバー
マーラー(シェーンベルク/ライナー・リーン編):大地の歌(室内管弦楽版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=c5qfjLogT2c)。
1918年、シェーンベルクは当時の現代音楽を選ばれた聴衆に紹介する目的で「私的演奏協会(Verein für musikalische Privataufführungen)」をウィーンで発足させ、1921年に活動を停止するまで数多くの作品の演奏会を開催しました。ただ、当時は第一次世界大戦直後で社会全体が経済的な困難に見舞われた時代であり、演奏規模が大きな管弦楽作品をそのまま演奏するのはほぼ不可能であったため、シェーンベルクとその弟子たちが室内管弦楽団のための小規模な編成に編曲して演奏されていました。
そういった作品の1つとして、シェーンベルクはマーラーの「大地の歌」の室内管弦楽演奏用の編曲作業にとりかかりました。しかし編曲は未完に終わり、私的演奏協会で演奏されることはありませんでした。その後、1983年にドイツの作曲家ライナー・リーン(1941 - 2015)が補筆して編曲版は完成し、少数ながら演奏・録音の機会に恵まれるようになりました。
ジーン・リグビー(メゾソプラノ)
ロバート・ティアー(テノール)
マーク・ウィッグルズワース指揮
プレミエ・アンサンブル
伝ヴィターリ(シャルリエ/フランチェスカッティ編):シャコンヌ
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=NBNquKkKcF4)。
バロック時代のイタリアの作曲家トマソ・アントニオ・ヴィターリ(1663 - 1745)の代表作とされていた「シャコンヌ」は、フランスの音楽学者レオポルド・シャルリエ(1867-1936)による編曲版が広く知られており、往年の名ヴァイオリニストによって演奏されていました。しかし、この作品は実際にはヴィターリのものではなく、ユダヤ人ヴァイオリニストのフェルディナント・ダヴィット(1810 - 1873)の偽作という説が濃厚となっています。
とはいえ、このフランチェスカッティの演奏でもわかるように、曲そのものは優れたヴァイオリン独奏のための作品であり、フェルディナント・ダヴィットが生きたロマン派の作品と捉えれば割と問題ないような気がしますw
ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)
エドモン・ド・シュトゥッツ指揮
チューリヒ室内管弦楽団
ハイドン:交響曲第103番 太鼓連打の比較
ハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」の第1楽章冒頭部と終結部の演奏比較用です。
メルツェンドルファー指揮/ウィーン室内管弦楽団
ドラティ指揮/フィルハーモニア・フンガリカ
ヘルビッヒ指揮/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
クイケン指揮/ラ・プティット・バンド
ヴァイル指揮/カペラ・コロニエンシス
ノリントン指揮/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ
ノリントン指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団
ヘンヒェン指揮/C.P.E.バッハ室内管弦楽団
ヨッフム指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
C.デイヴィス指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
アーノンクール指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
アバド指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
ファイ指揮/ハイデルベルク交響楽団
D.R.デイヴィス指揮/シュトゥットガルト室内管弦楽団
ミンコフスキ指揮/レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル
アーノンクール指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤンとC.デイヴィスの演奏はヘッドホンじゃないと聴こえにくいかもしれません。
ヴィクター・ハーバート:チェロ協奏曲第2番 ホ短調 作品30
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=v-CZfQF1Igo&t=27s)。
アイルランドのダブリン出身で後にアメリカに帰化した作曲家ヴィクター・ハーバート
(1859 – 1924)は、ヨーロッパ音楽界からオペレッタの音楽様式を導入して多数の作品
を作曲し、後のミュージカルの祖先というべきライト・オペラの様式を確立した作曲家
の1人でした。また、作曲家の作品に対する権利保護のための組織である米国作曲家作詞
家出版者協会(ASCAP)を設立したことで知られています。このような事情から、ハー
バートは作曲家の権利保護のための活動が高く評価される一方、作品についてはオペレッ
タ(ミュージカル)を除くと無視される傾向が長く続きました。
ハーバートは若いころはチェロ奏者として名が知られており、渡米したときにはメトロポ
リタン歌劇場管弦楽団の首席チェロ奏者に就任するほどの優れた技量を持っていました。
そんな彼は自分が演奏するためにチェロ協奏曲を2曲作曲しており、このうち1894年に作
曲・初演された第2番 ホ短調 作品30は高く評価されました。この曲はフランツ・リストの
協奏曲の影響を受けて全3楽章を途切れることなく演奏するようになっており、チェロの
独奏部が極めて魅力的で、ハーバートの器楽作品の中でも最高傑作と評価されています。
当時、ニューヨーク・ナショナル音楽院院長に就任していたドヴォルザークはハーバート
の友人で、このチェロ協奏曲の初演にも立ち会い、チェロが独奏楽器として優れているこ
とに気が付いて、翌年にチェロ協奏曲 ロ短調 作品104を作曲するきっかけになったといわ
れています。実際、本作の第2楽章主題とドヴォルザークのチェロ協奏曲の第1楽章主題に
は類似性があり、オーケストラ編成に3本のトロンボーン、チューバ、トライアングルが
加えられている点も共通しています。
リン・ハレル(チェロ)
ネヴィル・マリナー指揮
アカデミー室内管弦楽団
ニールセン:弦楽合奏のための小組曲 作品1(FS.6)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=qTuAz2DKPCU)。
1888年、デンマーク音楽アカデミーを卒業したニールセンは弦楽四重奏曲 ヘ長調や
弦楽五重奏曲を完成させましたが、同時に弦楽合奏のために3楽章からなる「小組曲」
を作曲しました。これらの作品のうち、ニールセンは作曲家としてのデビュー作に
同年1月に初演された弦楽四重奏曲を選択するつもりでしたが、9月に初演された小
組曲が大成功を収めました。このときはアンコールに第2楽章が演奏されて、ニール
センは観客の拍手に応えて何度も壇上に上がったと記録されています。このような
周囲の反応を見たニールセンは、翌年に小組曲を出版するときに「作品番号1」を付
け、これがニールセンの公式デビュー作となりました。
作品はグリーグやスヴェンセンといった北欧の先輩作曲家に倣ったロマン派様式に
則っていますが、後にニールセンの代表作となった交響曲の作曲に向けた練習作と
いう側面があり、循環形式を用いるなどの意欲的な作風も盛り込まれています。
Gunnar Tagmose指揮
デンマーク青年室内管弦楽団
ヨセフ・スク:弦楽セレナード 変ホ長調 作品6
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=z1EmvdseNog)。
チェコの作曲家ヨセフ・スク(1874 - 1935)は、10代の頃はプラハ音楽院でドヴォルザークに師事しました。スクはドヴォルザークに気に入られており、彼が音楽院を卒業する1892年の夏、当時のスクが短調の暗い作品を作曲することが多かったことをドヴォルザークは指摘して、「気分転換のために明るい曲を作ってはどうか」と助言しました。
この頃、スクはドヴォルザークの娘オチルカと出会って一目惚れしており、師の助言に従うとともに、彼女のことを思いながら新作の作曲に取り組んで、同年の秋に完成させました。これが、全4楽章から成る「弦楽セレナード 変ホ長調」作品6です。
この曲はブラームスとドヴォルザークの推薦でドイツの音楽出版社であるジムロック社から出版されるなど、ヨーロッパ音楽界で高い評価を得て、作曲家としてのスクの出世作となりました。
なお、この後スクはオチルカと親交を深め、1898年に結婚しています。
ニコラス・クラウゼ指揮
新ヨーロッパ室内管弦楽団
ベルンハルト・クルーセル:クラリネット協奏曲第3番 変ロ長調 作品11
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=uFXSHmroIFI)。
フィンランドの作曲家ベルンハルト・ヘンリク・クルーセル(1775 - 1838)はベートーヴェンより5歳年下にあたり、優れたクラリネット奏者として活躍するとともに、自身が演奏することを考慮した技巧的なクラリネットのための作品を多数作曲しました。
彼は番号付きのクラリネット協奏曲を3曲残していますが、これらのうち第3番 変ロ長調 作品11は最も早い1807年に初稿が作曲されたと推測されています。しかしクルーセルはこの作品を長らく発表せず、20年以上経った後に改訂を行ったうえで1828年にようやく出版しました。これは後に作曲されたクラリネット協奏曲第1番と第2番より10年以上遅れていたため、この協奏曲には「第3番」の番号が付けられました。作品としては他の2曲と同様、モーツァルトの作品に続く純粋な古典派のクラリネット協奏曲であり、クルーセルが自分の演奏能力を念頭に置いた華麗なクラリネットの技巧を楽しむことができる佳作といえます。
ペール・ビルマン(クラリネット)
ジェラール・コルステン指揮
ウプサラ室内管弦楽団
ベルンハルト・クルーセル:クラリネット協奏曲第1番 変ホ長調 作品1
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=aJcCq2p4XBs)。
シベリウス以前で最も国際的に知名度が高かったフィンランドの作曲家ベルンハルト・ヘンリク・クルーセル(1775 - 1838)は、優れたクラリネット奏者として活躍しており、その作品も自らが演奏することを前提とした高度なクラリネットの技法を駆使したものが多数残されています。それらの頂点にあるのが3曲のクラリネット協奏曲で、これらの作品には後年の国民楽派作品で聴かれるような北欧の響きはほとんどなく、正しい意味で古典派の協奏曲となっています。
1811年頃に出版されたクラリネット協奏曲第1番 変ホ長調には「作品1」の番号が付けられており、クルーセルが公式に最初に発表した作品ですが、既に古典派としての音楽様式が確立しており、モーツァルトの作品に続く王道の古典派協奏曲といえます。また、技巧的なクラリネットの響きはクルーセルが優れたクラリネット奏者であったことの証明となっています。
ペール・ビルマン(クラリネット)
ジェラール・コルステン指揮
ウプサラ室内管弦楽団
フンメル:ピアノ協奏曲第3番 ロ短調 作品89
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=6Fd4jRw840M)。
ハンガリー出身で生前は8歳年上のベートーヴェンに匹敵するピアノ作品の巨匠とたたえられたヨハン・ネポムク・フンメル(1778 - 1837)は、その生涯に8曲(番号付きは5曲)のピアノ協奏曲を作曲しました。このうち、評価が高いのは第2番 イ短調 作品85(sm31783070 1816年)と、第3番 ロ短調 作品89(1819年)の2曲で、これらは初期ロマン派の先駆けといえる様式で作曲されており、メンデルスゾーンやショパンの作品に大きな影響を与えました。
このうち、モーツァルトの影響が残っている第2番と比べて、第3番はよりロマン派に踏み込んでおり、フンメル自身のピアノ演奏能力が考慮された高度な技巧を駆使したピアノパートとオーケストラの響きが高度に融合した華麗な作品となっています。
この第3番は特にショパンに直接的な影響を与えたようで、第1楽章アレグロ、第2楽章ラルゲット、第3楽章ヴィヴァーチェという本作の速度設定は、ほぼそのままショパンのピアノ協奏曲第1番の各楽章の設定に導入されています。
スティーヴン・ハフ(ピアノ)
ブライデン・トムソン指揮
イギリス室内管弦楽団
ルイ・シュポーア:クラリネット協奏曲第1番ハ短調 作品26
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=xxAzo2LC1Ck)。
1808年、ドイツの初期ロマン派の作曲家・ヴァイオリニストであったルイ・シュポーア
(1784 - 1859)は、当時のドイツにおいて最高のクラリネット奏者と高く評価されてい
たヨハン・ジモン・ヘルムシュテット(1778 - 1846)と共演して(シュポーアはヴァイ
オリン担当)モーツァルトのクラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581を演奏しました。
ヘルムシュテットの卓越した技量で演奏されたモーツァルト晩年の傑作に初めて接し、
たちまちクラリネットの響きに魅了されたシュポーアは、演奏会の後ただちにクラリネッ
トのための作品の作曲に取り掛かりました。そして翌1809年1月、クラリネット協奏曲第
1番ハ短調 作品26が完成します。
ただ、シュポーアはクラリネットの音域は正確に知っていたものの、その演奏法の限界ま
では認識しないまま作曲しており、出来上がった作品は当時の普通のクラリネット奏者な
ら演奏不可能に思われるものでした。これは当時のクラリネットが5鍵しかなかったこと
が主な原因であり、シュポーアは出来上がった作品をヘルムシュテットに確認してもらい、
必要とあれば修正するつもりでした。しかし、楽譜を推敲したヘルムシュテットは作品を
気に入り、楽譜通りに演奏するためにクラリネットを12鍵に改造するという予想外の方法
で対応します(このときのクラリネットの改造が、後のエーラー式クラリネットの源流に
なったと推測する人もいます)。こうして1809年6月に行われたクラリネット協奏曲の初
演は大成功を収め、観衆・評論家の双方からクラリネット協奏曲の新たな傑作と高く評価
されました。
シュポーアはヴァイオリン協奏曲を15曲作曲するなど、本質的にはヴァイオリンを得意と
する作曲家でしたが、本作の成功によってヘルムシュテットとの親交を深めた彼は更に3
曲のクラリネット協奏曲を作曲することとなり、後世ではそれらの方がヴァイオリン協奏
曲よりも高く評価されています。
ポール・メイエ(クラリネット、指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
ブラームス:交響曲第1番 序奏部 演奏時間比較
ブラームスの交響曲第1番序奏部の演奏時間比較動画です。
左側は9小節目に入るところまでの時間。
右側は序奏終わりまでの時間。
クルト・ザンデルリンク/シュターツカペレ・ドレスデン/1971年
ヘルベルト・ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデン/1991年
ベルナルト・ハイティンク/シュターツカペレ・ドレスデン/2002年
ベルナルト・ハイティンク/ボストン交響楽団/1994年
カルロ・マリア・ジュリーニ/フィルハーモニア管弦楽団/1961年
カルロ・マリア・ジュリーニ/ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団/1981年
カルロ・マリア・ジュリーニ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/1991年
クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団/1990年
オトマール・スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン/1986年
ギュンター・ヴァント/シカゴ交響楽団/1989年
ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団/1982年
パーヴォ・ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団/2000年
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン/オランダ・フィルハーモニー管弦楽団/2002年
ロジャー・ノリントン/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ/1990年
ネーメ・ヤルヴィ/エストニア国立交響楽団/2012年
ベルンハルト・クルーセル:クラリネット協奏曲第2番 ヘ短調 作品5
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=_HtXSeZlnuE)。
ベルンハルト・ヘンリク・クルーセル(1775 - 1838)はスウェーデン系フィンランド人のクラリ
ネット奏者・作曲家です。特にクラリネットの演奏に優れた人物で、当時の音楽情報誌で紹介さ
れた彼の演奏会の記事(約50以上)に否定的評価が全くないという事実が、その技量を示す例と
なっています。
クルーセルはその優れたクラリネットの技量を生かして、クラリネットが活躍する協奏曲や室内
楽曲を多数作曲しました。これらの作品は古典派のクラリネット作品として近年再評価されるよ
うになっており、クルーセルは「シベリウス以前に広く知られたフィンランド出身の優れた作曲
家」とまで評価されています。その中でも中核的な立ち位置にある作品は3曲のクラリネット協
奏曲で、特に第2番 ヘ短調 作品5は比較的演奏機会が多いようです。
ペール・ビルマン(クラリネット)
ジェラール・コルステン指揮
ウプサラ室内管弦楽団
バッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV1055R(チェンバロ協奏曲第4番BWV1055からの復元版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=3kA-I2Fmt-8)。
バッハが作曲したチェンバロ協奏曲は未完成版を含めて14曲が遺されていますが、これらのほとんどは他の作曲家の作品、またはバッハが別の楽器のために作曲した協奏曲を編曲したものと考えられており、楽譜研究によりバッハのチェンバロ協奏曲の原曲を復元しようとする試みがなされています。
それは、1738~1742年頃に作曲されたと考えられているチェンバロ協奏曲第4番 イ長調BWV1055も同様で、原曲はオーボエ・ダモーレ協奏曲だったと推定されていますが、それを復元したものが、このオーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV1055Rです。
Shani Shachar(オーボエ・ダモーレ)
アリエル・ズーカーマン指揮
バーゼル室内管弦楽団
ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=cWXj1NZNk6E)。
1727年、イギリスにおいてジョージ2世が戴冠するにあたり、イギリス王室はヘンデルに
戴冠式のための音楽作曲を依頼します。これに応えてヘンデルは「司祭ザドク」HWV258、
「わが心は麗しい言葉にあふれ」HWV261、「汝の御手は強くあれ」HWV259、「王は汝
の力によって喜び」HWV260の4曲を作曲し、これらは戴冠式においてヘンデル自身の指揮
により演奏されました。この4曲をまとめて「ジョージ2世の戴冠式アンセム」と呼びます。
これら4曲がまとめて演奏される機会は多くありませんが、このうち「司祭ザドク」は高い
評価を受け、以降のイギリス国王の戴冠式において必ず演奏されるようになったほか、サッ
カーのUEFAチャンピオンズリーグのテーマ曲としてアレンジされ、「UEFAチャンピオン
ズリーグ・アンセム」となりました。
デイヴィッド・ウィルコックス指揮
イギリス室内管弦楽団
ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団
フランク:交響詩「呪われた狩人」M.44
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=r827MCIXNyE)。
「呪われた狩人」M.44は、セザール・フランクが晩年の1882年に作曲した交響詩で、彼が生涯に作曲した5曲の交響詩のうち4番目の作品です。
題材は18世紀のドイツの詩人ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーのバラードによるもので、安息日に教会のミサに行かず、狩りに出かけた伯爵が野放図に周囲を騒がせた挙句、神の怒りに触れて山火事に巻き込まれ、業火と悪魔の群れに追い立てられて地獄の底へ引きずり込まれる、というものです。
曲の構成はビュルガーのバラードのあらすじをそのまま描写しており、冒頭の荘厳な教会のミサの雰囲気、狩りに出かける伯爵を示すホルンの響き、そしてベルリオーズの幻想交響曲にも匹敵する悪魔たちの饗宴など、晩年のフランクによる円熟した管弦楽技法を充分楽しめる作品となっています。
ミシェル・プラッソン指揮
トゥールーズ室内管弦楽団
バッハ(ストラヴィンスキー編):平均律クラヴィーア曲集より抜粋(4曲 室内管弦楽版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=9_AbqKa82rU)。
ストラヴィンスキーは晩年に胃潰瘍などの病気に苦しんで作曲活動からほとんど手を引き、自宅でレコードを鑑賞する日々を送ります。そんな中で、彼は86歳となった1969年頃にバッハの平均律クラヴィーア曲集から4曲(第1巻より第4番 嬰ハ短調、第10番ホ短調、第24番ロ短調、第2巻より第11番ヘ長調)を選び、小編成の管弦楽のための編曲版を作成しました。
ストラヴィンスキーが自作を作曲したのは1966年が最後で、その3年後にこの編曲が行われ、編曲から2年後の1971年に88歳で永眠しました。本作はストラヴィンスキーの最晩年の音楽活動であり、彼が到達した枯淡の境地を偲ばせるものといえます。
クリストファー・ホグウッド指揮
バーゼル室内管弦楽団
フェルディナント・リース:交響曲第5番 ニ短調 作品112
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=ZW2gok19SrU)。
ドイツの作曲家・ピアニストであったフェルディナント・リース(1784 - 1838)は、
若いころにベートーヴェンにピアノを習ったことから、彼の影響を受けた多数の作品
を作曲して生前には高く評価されましたが、死後は作風がベートーヴェンに影響を受
けすぎるとして作品は忘れ去られ、晩年に残した「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートー
ヴェンに関する覚書」によってのみ知られるという状態が長く続きました。彼の作品
が再評価されるのは1990年代に入って、交響曲や協奏曲、ピアノソナタの演奏録音が
登場してからのこととなります。
リースの作品のうち、交響曲は8曲を作曲していますが、その中で1813年に作曲され
た交響曲第5番 ニ短調 作品112(第5番とされていますが、作曲順では2番目の交響曲)
は師のベートーヴェンの影響が色濃く表れた作品です。古典派とロマン派の橋渡しの
ような作風に加え、作品の随所にベートーヴェンの交響曲第5番の「運命のリズム・
モチーフ(タタタターン)」が採用されており、「ベートーヴェンの弟子」を自任し
たリースの面目躍如たる作品といえます。
アルノルト・エストマン指揮
オランダ放送室内管弦楽団
モーツァルト:ロンド ニ長調 K. 382
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=t_tDfnYVHMY)。
モーツァルトが1773年に作曲した初のオリジナルのピアノ協奏曲である第5番ニ長調 K.175(382)(sm35524270)は初演から大好評を博し、彼は演奏旅行においてもこの協奏曲の楽譜を携えて各地で演奏を披露することとなり、モーツァルトの出世作となりました。
1782年3月、モーツァルトはウィーンでの演奏会で第5番をプログラムに加えますが、その際に第3楽章を聴衆の好みに合わせた新作にすることを思いつき、差し替え用の新たな第3楽章を作曲します。これがロンド ニ長調 K. 382で、「ロンド」という名前ながら実質的には主題と7つの変奏、カデンツァとコーダを持つ変奏曲となっています。主題に採用されているのは、番号が付いていない「3つのピアノ協奏曲」K.107の第1曲から第1楽章ですが、この作品はヨハン・クリスティアン・バッハのピアノソナタ作品5-2をモーツァルトがピアノ協奏曲として編曲したもので、いわばクリスティアン・バッハの作品から主題を引用(孫引き?)したといえます。
この作品に第3楽章が差し替えられたピアノ協奏曲第5番の演奏はウィーンの聴衆に圧倒的に支持されました。その後、モーツァルトは演奏会ではこのロンドを協奏曲第5番の第3楽章として演奏するようになり、1785年に出版された協奏曲の初版でも、こちらのロンドが第3楽章として採用されるまでになりました。
ただし、現在では協奏曲第5番の第3楽章は最初のロンドがそのまま使われ、K.382は単独のコンサート・ロンドとして演奏されるのが一般的です。
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団
ショスタコーヴィチ(バルシャイ編):室内交響曲 ハ短調 作品110a(弦楽四重奏曲第8番編曲版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=KFb81Ug_I70)。
1960年にショスタコーヴィチが作曲した弦楽四重奏曲第8番ハ短調 作品110は、彼が作曲した
15曲の弦楽四重奏曲の中で最も重要な作品であり、20世紀に作曲された弦楽四重奏曲の中でも
屈指の傑作として知られています。
1969年、指揮者ルドルフ・バルシャイはこの作品を弦楽合奏用に編曲して「室内交響曲」と名
付けました。ショスタコーヴィチはこの編曲版の出来に感銘を受け、自らの編曲でないにもか
かわらず「作品番号110a」を与えました。その後、バルシャイはショスタコーヴィチの弦楽四
重奏曲から第4番・第10番を同じように「室内交響曲」に編曲し、ショスタコーヴィチはこれら
の編曲版にも作品番号を与えています。
テリェ・テンネセン(ヴァイオリン・指揮)
ノルウェー室内管弦楽団