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バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV825(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=sq6hl3qv8OE)。
20世紀ソ連・ロシアの名ピアニストの一人、アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(1920 - 1993)
が遺したバッハの代表的録音は2つあり、1つがイギリス組曲全6曲、そしてもう1つがパルティータ全6曲で
す。この動画はパルティータ第1番 変ロ長調 BWV825の演奏になります。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:クラヴィーア練習曲集 第3部(クリス・ブリーマー)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=bRl-q-gV7xc&t=249s)。
オランダ・ロッテルダム出身のピアニストであるクリス・ブリーマー(Chris Breemer 1952 - )は、2007
~2010年の間にバッハのオルガン曲の大作であるクラヴィーア練習曲集 第3部の全曲録音を行いました。
彼はピアニストながら、オランダのオルガン奏者Gerrit Christiaan de Gierに師事してオルガン演奏を学んで
おり、この演奏のいくつかは彼の見守る中で演奏された実況録音とのことです。また、この録音ではオラン
ダ国内にある4種類の異なるオルガンを演奏しています。
クリス・ブリーマー(オルガン)
バッハ(アヴィ・アヴィタル編):チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052(マンドリン協奏曲版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=B9Gk_F6oeq4)。
イスラエル出身のマンドリン奏者アヴィ・アヴィタルは、グラモフォンでの初録音においてバッハのチェン
バロ協奏曲やヴァイオリン協奏曲の独奏部分をマンドリン用に編曲し、自ら独奏を担当するとともにポツダ
ム室内アカデミーを指揮するという「弾き振り」をやってのけました。彼の演奏は見事の一言で「マンドリ
ンの限界を超えている」と評価されるのも納得です。
アヴィ・アヴィタル(マンドリン、指揮)
ポツダム室内アカデミー
バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=VEoOToX_PuE)。
バッハが作曲したリュートのための作品は6曲が現存していますが、その中でも独自性が際立っているのが
晩年に作曲されたと推測される「前奏曲、フーガとアレグロ」変ホ長調 BWV998です。
バッハのオルガン作品によくみられる「前奏曲とフーガ」にアレグロを加えた三部構成は、変ホ長調(♭が
3つ)という調性とあわせて「三位一体」を表したのではないか、と推測する専門家がいる一方、「本来は4
曲から成る組曲だったのが、何らかの事情で3曲になったのでは」という意見もあります。
エヴァンジェリーナ・マスカルディ(リュート)
バッハ:カンタータ「裏切り者なる愛よ」BWV203
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=wWTbcp2ApCY)。
カンタータ「裏切り者なる愛よ」BWV203はバッハの作品と推測されていますが、現存する最古の楽譜は19
世紀前半の総譜の写しで、自筆譜などのバッハの生前に製作されたことを示す資料が全く存在しないこと、
さらに全3曲の歌詞がイタリア語であることなどから、偽作説も根強く残っており、「新バッハ全集」への
採用も見送られています。
作品の演奏規模はバスの独唱とチェンバロの伴奏のみと小さく、カンタータというより古典派以降の歌曲集
に近い構成となっています。歌詞の内容は「失恋した若者が愛の悩みや苦しみを経て克服するも、愛から完
全に逃れることはできないことに悩まされる」といったもので、演奏規模や歌われる題材から、大勢の観衆
の前ではなく、親しい少人数の人たちの前での演奏を前提としていたと推測されます。
マタイス・ファン・デ・ウールド(バス)
シーベ・ヘンストラ(チェンバロ)
ヨハン・ベルンハルト・バッハ:シャコンヌ 変ロ長調
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=ZNd8rDfN2fo&t=9s)。
J・S・バッハの10歳年上の再従兄(はとこ)である作曲家ヨハン・ベルンハルト・バッハ(1676 - 1749)
はエアフルト、マグデブルク、アイゼナハでオルガン奏者として活躍しましたが、その作品の大部分が失わ
れています。現存する数少ないオルガン作品の中にはシャコンヌが3曲あり、この動画で演奏される変ロ長
調のシャコンヌは、彼の作品の中では相対的に演奏機会が多いようです(無論、大バッハのシャコンヌと比
べるほどではありませんが)。
ヘンク・フェルホーフ(オルガン)
バッハ:カンタータ「急げ、渦巻く風ども(フェーブスとパンの争い)」BWV201
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=ORxbBLry6dE)。
バッハが1729年に作曲した世俗カンタータ「急げ、渦巻く風ども」BWV201は、ギリシャ神話を題材にし
た作品です。別名は「フェーブスとパンの争い」と呼ばれていますが、これはフェーブス(アポロ)と牧神
パンが歌を競い合い、フェーブスがパンを打ち負かすという筋立てによるもので、演奏時間は1時間弱に及
ぶ大作となっています。
作曲当時、バッハの作品は他の音楽家や評論家から時代遅れの音楽との批判を受けるようになっていまし
た。それらの批判にバッハが反論するために本作は作曲されたと考えられています。すなわち、正当な音楽
を好むフェーブスと新しい音楽を好むパンを対比させ、最終的にフェーブスが勝利することで「(バッハが
手掛ける)正当な音楽こそが勝つ」と音楽的に宣言しており、題名にある「渦巻く風ども」とは、バッハを
巡る音楽的論争、バッハに対する批判的言説を表しているとされています。
カタリーナ・ペルジケ(ソプラノ)
Sophie Harmsen(アルト)
アンドレアス・カラシアク、Michael Berner(テノール)
Krešimir Stražanac、Matthias Horn(バス)
カイ・ヨハンセン指揮
シュティフスバロック・シュトゥットガルト
シュトゥットガルト合唱団
バッハ:カンタータ「しりぞけ、もの悲しき影(結婚カンタータ)」BWV202
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=yNbNkvFO598)。
バッハの世俗カンタータ「しりぞけ、もの悲しき影」BWV202は、正確な作曲時期は不明ですが、バッハが
アンハルト=ケーテン侯国の宮廷楽長を務めた1717~1723年の間に作曲されたとする説が有力です。
歌詞の内容はギリシャ神話を題材にしており、山野に春が到来し、神々が恋人達を結婚に誘うといったもの
です。また、演奏に必要な器楽はオーボエ1本と弦楽器、通奏低音という必要最低限のもので、歌手もソプ
ラノ独唱者が一人という簡素な編成になっています。このことから、おそらく親しい知人の結婚式で演奏す
るために小規模編成で作曲されたと推測されており、「結婚カンタータ」(Hochzeitskantate)の通称で呼
ばれています。
キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ:イギリス組曲第5番 ホ短調 BWV810(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=u4k8YeTeV0U)。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(1920 - 1993)の演奏による、バッハのイギリス組曲第5番
ホ短調 BWV810です。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:カンタータ第185番「永遠の愛の憐れみ満てる心」BWV185
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=YP3m_8nzOVc)。
バッハのカンタータ「永遠の愛の憐れみ満てる心」BWV185は1715年に作曲され、この年の三位一体節後
第4日曜日にあたる7月14日に初演されました。
この日の福音書章句はルカによる福音書から、イエスが「人を裁くな」と説く話が取り上げられました。
これは「自分のことを顧みることなく、他人の欠点をあげつらうな」というもので、カンタータもその章
句の内容に沿って、まず第1曲で「神の慈悲によって自らも慈悲深い者となりたい」という願いが歌われ、
続く曲では他人を批判する前に自らの反省を繰り返し求めていく内容の歌詞が歌われます。
音楽様式的には、全6曲の中で合唱は最後のコラールだけ、そして第1曲も合唱曲やシンフォニアでなく、
デュエットのアリアで始まるという小規模な室内楽カンタータです。また、第1曲ではデュエットと合奏の
アンサンブルとのやりとりが印象的で、デュエットの途中でオーボエのオブリガートがコラールの旋律を
奏して割って入るという工夫がなされています。そして、このとき割って入るコラールは終曲コラールの
旋律であり、第1曲と終曲で同じコラールの旋律が奏されて曲全体の統一感が増すという仕掛けになってい
ます。
レジーナ・カービス(ソプラノ)
アレックス・ポッター(アルト)
イェンス・ウェーバー(テノール)
マルクス・フォルペルト(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ財団合唱団
バッハ:リュート組曲 ホ長調 BWV1006a(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番の編曲版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=5bFQ3Eg9B1c)。
バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006には、バッハ自身によってリュート演
奏用に編曲した版 BWV1006aが遺されており、リュート作品としてのみならず、ギターのレパートリーと
して広く演奏されています。
Giacomo Susani(ギター)
バッハ:復活祭オラトリオ BWV249
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=62fawgUUpg8)。
1725年、バッハは「復活祭オラトリオ」BWV249を作曲し、同年4月1日(復活の主日)に初演しました。
この頃、バッハはライプツィヒで聖トーマス教会の付属学校カントル(トーマスカントル)の役職にあり、
その職務の1つとして、教会歴に従って毎週1曲というペースでカンタータを作曲し、礼拝式で演奏していま
した。これは優れた才能を持つバッハといえど大変に労力を要する仕事であり、その対応策として、バッハ
は旧作のカンタータの音楽を再利用して歌詞を新しいものにする、ということをしばしば行っていました。
これはルネサンス時代から続く作曲手法で「パロディ」と呼ばれています。
バッハの復活祭オラトリオもこうして作られたパロディ作品の1つで、この年の2月23日に初演した世俗カ
ンタータ「消え去れ、心のわずらいよ」BWV249a(楽譜は消失しており、台本のみ残存)から7曲を転用
し、これに新曲を4曲追加して完成されました。歌詞の内容は復活祭にちなんで、ヤコブの母マリア(ソプ
ラノ)、マグダラのマリア(アルト)、ペトロ(テノール)、ヨハネ(バス)がイエスの復活の知らせを喜
ぶ様を歌うものとなっています。
なお、本作は初演後に2度の改訂が行われており、最初の改訂のときに「オラトリオ」の名称が付けられま
した。
マリア・ケオハネ(ソプラノ)
ダミアン・ギヨン(アルト)
トーマス・ホッブズ(テノール)
ゼバスティアン・ミルス(バス)
ヨス・ファン・フェルトホーフェン指揮
オランダ・バッハ協会管弦楽団
オランダ・バッハ協会合唱団
バッハ:パルティータ第5番 ト長調 BWV829(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=QAJXiz6cCv4)。
20世紀のソ連・ロシアの名ピアニストの一人である、アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ
(1920 - 1993)によるバッハのパルティータ全曲録音より、第5番 ト長調 BWV829の演奏です。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻(ポリーニ 1985年5月28日実況録音 海賊版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=zmV-udkFhFI)。
1985年5月28日にマウリツィオ・ポリーニがパリにおいて行った演奏会から、バッハの平均律クラヴィーア
曲集第1巻の実況録音です。
この録音は、観客の一人が密かに録音機器を持ち込んで録音した非公式なもの(海賊版)であり、録音の精
度はお世辞にも良いとはいえません。しかし、43歳の若きポリーニが奏でるバッハの演奏が極めて優れてい
たことは充分に聞き取ることができます。また、作品の解釈は後の60代の公式録音(sm43612708)と異な
る個所がいくつかあり、その点でも貴重な記録となっています。
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
【打ち込み】ソナタ K.131(ドメニコ・スカルラッティ)
イタリアのバロック音楽家、ドメニコ・スカルラッティ(Giuseppe Domenico Scarlatti)のソナタを打ち込んでみました。
いつもTMIDI Playerばかりでは芸がないということで、たまにはMIDITrailを使ってみました。が、画質を無理くり引き延ばしたのでノートが波打ってます。
バッハ(アンドレアス・フィッシャー補筆):幻想曲とフーガ ハ短調 BWV562
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=jApwpBr3GuM)。
バッハが数多く作曲したオルガン作品の1つである「幻想曲とフーガ ハ短調」BWV562は、
フーガの楽譜が27小節までで途切れて未完となっているため、通常は完成版が伝わる前半
の幻想曲のみを演奏する場合が多い一方、未完のフーガを補筆して「幻想曲とフーガ」の
形で演奏する事例も少数ながらあります。
この動画では、ドイツのオルガン奏者・指揮者であるアンドレアス・フィッシャー(1966 -)
がフーガを補筆し、フィッシャー自身の手で演奏しています。
アンドレアス・フィッシャー(オルガン)
バッハ:フーガ ハ短調 BWV562(未完)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=6_B5ZItANe4)。
1745年、バッハは過去(おそらくバッハがヴァイマルで宮廷オルガニスト兼宮廷楽師を務めた
1708~1717年の間)に作曲した「幻想曲 ハ短調」BWV562(sm41144565)に新たに作曲し
たフーガを追加して「幻想曲とフーガ ハ短調」BWV562としました。しかし、現存する最古の
楽譜ではフーガは最初から27小節までしか書かれておらず、未完成となっています。
専門家の研究によると、その楽譜はバッハの自筆譜ではなく、親族か弟子が筆写したものとさ
れています。一方でフーガの様式はバッハ後期の作品にふさわしい完成度であることから、お
そらくバッハ自身はこのフーガの作曲を完結させたものの、その筆写が何らかの事情で中断さ
れ、その後にバッハの自筆譜が失われたため未完の状態で後世に伝わったと考えられています。
この動画では最古の楽譜通り、27小節で演奏が中断されています。
マルティン・リュッカー(オルガン)
バッハ:カンタータ「おしゃべりはやめて、お静かに」BWV211(佐藤俊介指揮オランダ・バッハ協会)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=B6Loyexw3uk)。
バッハが作曲した17曲の世俗カンタータのうち、「コーヒー・カンタータ」の異名を持つ「おしゃべりはや
めて、お静かに」BWV211は人気の高い作品であり、数多くの演奏家によって演奏されています。
この動画では、ヴァイオリン奏者の佐藤俊介がヴァイオリンと指揮を担当し、オランダ・バッハ協会と共に
演奏しています。佐藤は2018年にオランダ・バッハ協会の第6代芸術監督に就任しており、2023年に退任す
るまでの間、オランダ・バッハ協会と共に精力的にバッハ作品の演奏を行いました。
ルーシー・シャルタン(ソプラノ)
Jan-Willem Schaafsma(テノール)
マタイス・ファン・デ・ウールド(バス)
佐藤俊介(ヴァイオリン、指揮)
オランダ・バッハ協会
バッハ:6つのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ BWV1014~1019(ヴァイオリンとオルガン版)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=ZhBXyvk-H6I)。
バッハが作曲した6つのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ BWV1014~1019は、知名度では無伴奏
ヴァイオリンソナタの陰に隠れがちであるものの、古典派のヴァイオリンソナタの様式を切り開いた名作で
あることは疑いがなく、録音も数多くあります。それらの中には、鍵盤楽器をオルガンに替えた「ヴァイオ
リンとオルガンのためのソナタ」として演奏されたものが少数ながらあります。
一見するとオルガンというのは不思議な楽器選択に思えますが、本作は6曲のうち5曲が「緩-急-緩-急」の4
楽章形式による「教会ソナタ」の様式に則っており、17世紀のカトリック教会では聖歌の合唱の代わりに教
会ソナタが演奏される習慣があったことを考えると、実は歴史的に正しい楽器選択といえます。そして、実
際にこの動画でヴァイオリンとオルガンの演奏を聴くと、その選択は充分に正しいことがよくわかります。
ミシェル・オークレール(ヴァイオリン)
マリー=クレール・アラン(オルガン)
バッハ:パルティータ第4番 ニ長調 BWV828(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(元動画消失、同演奏 https://www.youtube.com/watch?v=Eiti91vbyAQ&t=20s)。
20世紀のソ連・ロシアの名ピアニストの一人であるアナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(1920 -
1993)の演奏によるバッハのパルティータ全曲録音から、第4番 ニ長調 BWV828の演奏です。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:イギリス組曲第2番 イ短調 BWV807(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=N6JLLx0xVSc)。
20世紀のソ連・ロシアの代表的なピアニストの1人である、アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ
(1920 - 1993)の演奏による、バッハのイギリス組曲第2番 イ短調 BWV807です。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:イギリス組曲第1番 イ長調 BWV806(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=qOmu-EFMo_A)。
ロシアの名ピアニスト、アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(1920 - 1993)は、社会主義リア
リズムの全盛期であった旧ソ連時代において、現代音楽作品を率先して演奏していたことが知られています
が、50歳になってからはバッハ作品の演奏録音に力を注ぐようになります。そうして完成したイギリス組曲
の全曲録音は、彼の最良の演奏録音の1つとして高く評価されています。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:前奏曲とフーガ ヘ短調 BWV534(疑作)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=yMC8HEeyWXA)。
バッハが優れたオルガン作品を多数作曲するようになったのは、ヴァイマルで1708年~1717年の間、ザク
セン=ヴァイマル公国の領主ヴィルヘルム・エルンスト公に宮廷オルガニスト兼宮廷楽師として仕えたころ
とされています。
この頃に作曲された多数のオルガン曲のうち1つとされているのが、前奏曲とフーガ ヘ短調 BWV534です。
後のオルガン曲に比べると使用された作曲技法は単純で、特に前奏曲に比べてフーガの単純さがアンバラン
スで完成度が落ちることから、知名度は他の有名曲には劣っているとされ、中には「実際にはバッハの作品
ではなく、長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの作品ではないか」と推測する意見もあるようです。とはいえ、前奏曲を中心に悲劇的でありながら美しい音楽が流れる瞬間は曲の随所で聴かれ、作曲者が誰で
あれ、素直に聞き惚れてしまう魅力があります。
オリヴィエ・ラトリ―(オルガン)
バッハ:カンタータ第184番「待ちこがれし喜びの光」BWV184
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=soLoeSk5G84)。
バッハのカンタータ「待ちこがれし喜びの光」BWV184は1724年に作曲され、同年の聖霊降臨祭3日目にあ
たる5月30日に初演されました。しかし、このカンタータはこの日のための完全な新作ではなく、以前に作
曲した別の世俗カンタータを改作したものです。当時バッハが赴任していたライプツィヒでは降誕祭・復活
祭・聖霊降臨祭は3日連続で礼拝が行われており、それぞれの日に別のカンタータが必要となるため、バッ
ハは作曲に使う労力を節約するために既存の作品を改作する方法を採ったと思われます。元となった世俗カ
ンタータには「BWV184a」の作品番号が便宜的に付されているものの、楽譜の大半が喪失しており、題名
も不明です。おそらく、バッハが本作で新たに作曲したのは全6曲のうちコラールの第5曲のみで、あとは第
6曲を原曲より拡大した他は曲にそれほど手を加えず、歌詞を教会での演奏にふさわしいものに変更する、
いわゆる「パロディ」を行ったと思われます。
聖霊降臨祭3日目の礼拝で行われた説教は、ヨハネ福音書の「わたしは羊の門である」の逸話に基づいて、
救いを求める人々を羊に喩え、イエスを羊を導く門や羊飼にたとえたものでした。本作の歌詞もそれにちな
み、迷える羊の群れを導くイエスを「喜びの光」とたたえ、イエスによって人々の幸いと祝福が成就すると
歌われます。
なお、バッハが世俗カンタータを教会カンタータに改作した「パロディ・カンタータ」は本作以外にもいく
つかある他、ミサ曲においてもパロディの手法は使用されており、バッハ最後の完成作品であるミサ曲ロ短
調においても、パロディにより他の作品から転用した曲が含まれています。
リサ・ラーション(ソプラノ)
ナタリー・シュトゥッツマン(アルト)
クリストフ・ゲンツ(テノール)
シュテファン・ローゲス(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:「喜び迎えん、慈しみ深きイエス」によるパルティータ BWV768
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=seFBz-Cxkxw)。
バッハはオルガン独奏のためのコラールの主題による変奏曲、いわゆる「コラール・パルティータ」を少な
くとも4曲作曲しています。そのうち、最も大規模で成熟した作品とされているのが「喜び迎えん、慈しみ
深きイエス」によるパルティータ BWV768で、題名の通りコラール「喜び迎えん、慈しみ深きイエス」を
主題とする変奏曲です。
この作品は1700~05年頃に作曲されたと推定されていますが、その後に何度も改訂され、最終的にバッハ
がヴァイマルにいた1717年頃までの間にコラール主題と11の変奏という現代演奏される形にまとまったと
考えられています。このため、改訂を重ねて完成度が高い一方で、10代の若いバッハの作品としての面影も
残る作風となっています。
レオ・ファン・ドゥセラール(オルガン)
バッハ:カンタータ第179番「心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを」BWV179
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=hP5zWviUyjM)。
バッハのカンタータ「心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを」BWV179は1723年、この年の三位一体節
後第11日曜日である8月8日に初演されました。
この日の福音書章句はルカによる福音書から、『ファリサイ派の人と徴税人』のたとえが取り上げられま
した。この話は高慢なファリサイ人を神は受け入れず、自己を「罪人」と呼んでひたすらに神の憐れみを
乞うた徴税人を神は受け入れるというもので、章句の最後の言葉「だれでも高ぶる者は低くされ、へりく
だる者は高められる」を説くものです。
カンタータはこの話にちなんで、偽善や高慢を警告する厳しい曲調で統一されています。通常のバッハの
カンタータは厳しい内容でもどこかに救いや赦しが確信される部分がありますが、全6曲からなる本作は
最後まで明るくならず、あまり耳に快くない音程が多いため、演奏時間は中規模でありながら演奏難易度
が高いものになっています。
なお、本作の楽章のいくつかはバッハのミサ曲に転用されており、第1曲と第3曲がミサ曲ト長調BWV236
のKyrieとDomine Deusに、第5曲がミサ曲イ長調BWV234の第4曲Qui Tollisになっています。
マグダレーナ・コジェナー(ソプラノ)
マーク・パドモア(テノール)
シュテファン・ローゲス(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:カンタータ第119番「エルサレムよ、主を讃えよ」BWV119
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=aJAOE3d_YpI)。
バッハのカンタータ「エルサレムよ、主を讃えよ」BWV119は、1723年のライプツィヒ市参事会交代式のために作曲され、交代式が行われた8月30日に初演されました。
当時のドイツにおいては市参事会交代式は教会で行われることが多く、そのために祝祭的なカンタータを演奏することが多かったといわれ、バッハ自身も1708年にミュールハウゼン市参事会交代式のため「神はいにしえよりわが王なり」BWV 71を作曲した経験がありました。
この手のカンタータは市参事会の支援があるために恵まれた条件で作曲できる一方で、作品の内容は為政者を讃える祝祭的な要素が強まって、紋切り型の作品になることが普通でした。それはこの作品も同様で、全9曲の随所に「為政者は神の似姿」といった美辞麗句が並んでいます。その代わり、作品は祝祭演奏用のため大規模な編成で明るく楽しい曲想に満ちており、特に深刻になることなく聴けるようになっています。
ミリアム・フォイアージンガー(ソプラノ)
アレックス・ポッター(アルト)
トマス・ホッブズ(テノール)
ペーター・コーイ(バス)
ペーター・ダイクストラ指揮
オランダバッハ協会管弦楽団
オランダバッハ協会合唱団
バッハ:カンタータ「楽しき狩こそわが悦び(狩のカンタータ)」BWV208
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=rc4NzZf7XMc)。
バッハのカンタータ「楽しき狩こそわが悦び」BWV208は、現存する彼の世俗カンタータの中では最も古
く、1713年2月27日に初演されました。
この頃、バッハが仕えていたヴァイマル公ヴィルヘルム・エルンストは、親友であるヴァイセンフェルス公
クリスティアンの誕生日(2月27日)に際し、直属の詩人・楽師による祝典曲を贈ろうと計画しており、作
詞を詩人ザロモン・フランク、作曲をバッハに命じて、出来上がったカンタータをクリスティアンに贈呈し
たと推測されています。
クリスティアンの趣味は狩猟であることから、フランクは題材をローマ神話の狩の女神ディアナ(ソプラ
ノ)を中心に、その恋人エンデュミオン(テノール)を司会とし、牧神パン(バス)、野の女神パラス(ソ
プラノ)によって、領地の豊かさと絡めてクリスティアンを讃美する歌詞をつくり、これにバッハがホルン
やリコーダーを含めた編成による音楽を付け加え、オペラを思わせる構成の作品に仕上げました。このこと
から本作は「狩のカンタータ」の異名を持ち、作品を誕生日に贈られたヴァイセンフェルス公クリスティア
ンは非常に喜び、バッハの才能を終生高く評価したとされています。
なお、全15曲のうち第9曲のアリア「羊は憩いて草を食み」は、NHK-FM放送の長寿番組「あさのバロッ
ク」のオープニング曲に編曲されて使用され、早朝にラジオから流れる定番の音楽として馴染み深い人も多
いかと思います。
Laura Heimes(ソプラノ)
Clara Rottsolk(ソプラノ)
Andrew Fuchs(テノール)
Peter Becker(バス)
Gwendolyn Toth指揮
ARTEK(The Art of the Early Keyboard)
バッハ:イギリス組曲第4番 ヘ長調 BWV809(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=X3DI4WXD4U8)。
20世紀におけるソ連・ロシアの名ピアニストの一人、アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ
(1920 - 1993)による、バッハのイギリス組曲第4番 ヘ長調 BWV809です。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808(ヴェデルニコフ)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=XMMw6xSyKTY)。
20世紀のソ連・ロシアを代表する名ピアニストの1人、アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ
(1920 - 1993)の演奏による、バッハのイギリス組曲第3番 ト短調 BWV808です。
アナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフ(ピアノ)
バッハ:カンタータ第163番「各々に各々のものを」BWV163
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=1v3qC_FdzYI)。
バッハのカンタータ「各々に各々のものを」BWV163は1715年、この年の三位一体節後第23日曜日である
11月24日に初演されました。
初演に先立つ8月1日、バッハの主君ワイマール公の甥でヨハン・エルンスト公子が病没し、この服喪期間
中はカンタータの演奏が休止されていました。本作は、公子の服喪が明けた直後に初演されたものです。
ヨハン・エルンストはバッハの教育もあって、若くして音楽の才に恵まれていましたが、19歳の若さでこ
の世を去りました。この日の福音書章句はファリサイ派の悪意ある質問をかわすイエスの答え、いわゆる
「神のものは神に、カエサルのものはカエサルに」で、それにちなんで本作の歌詞は「病没した公子が神
のもとに帰った」という意味を持たせていると推測されます。
音楽様式としては、合唱は最後にだけ使われており、全6曲の小規模なカンタータです。しかしながら各曲
には明確な特徴があり、内容が充実している若いバッハの実験的作品といえます。
アーリーン・オジェー(ソプラノ)
ヘレン・ワッツ(アルト)
アダルベルト・クラウス(テノール)
ニクラウス・トゥーラー(バス)
ヘルムート・リリング指揮
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊
バッハ:カンタータ第67番「イエス・キリストを憶えよ」BWV67
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=Mi9a16hoftg)。
1723年にライプツィヒ聖トーマス教会の音楽指導者(トーマスカントル)に着任したバッハは、翌1724年には「ヨハネ受難曲」BWV245の作曲及び聖金曜日(4月7日)の初演に力を入れる一方、その後の復活祭に演奏されたカンタータは旧作の再演や改作でしのいでいました。そして久々の完全新作カンタータとして4月16日に披露されたカンタータが「イエス・キリストを憶えよ」BWV67です。
この曲は復活祭の後の第1主日(日曜日)に演奏されることを念頭に「イエスの復活~弟子トマスの不信~トマスがイエスの復活を信じる」という筋立てとなっており、イエスの復活を祝う喜びを表す明るい曲調で一貫しています。また、この曲ではトランペットなどの金管楽器は使用されず、代わりにフラウト・トラヴェルソをはじめとする木管楽器の柔らかい響きが中心を占めるという特徴があります。
なお、本作の第6曲「平安、汝にあれ」は後に「小ミサ曲 イ長調」BWV234のグローリアに転用されました。
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンド