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バッハ:カンタータ第190番「主にむかいて新しき歌を歌え」BWV190
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=himLz7hi_Fs)。
バッハのカンタータ「主にむかいて新しき歌を歌え」BWV190は、1724年1月1日に初演されました。
この作品は初演日からわかる通り、バッハがライプツィヒで初めて迎えた新年のために作曲されたもので、歌詞の内容も年の始まりを祝うことから「新年」という言葉が曲の随所で聞かれるほか、神を賛美する内
容の歌詞も多く含まれており、新年と神を祝福する曲にふさわしいものになっています。音楽様式的にも、
第1曲でトランペットとティンパニが活躍する華やかな響きが聴かれ、全7曲にわたって祝賀ムードに満ち
ています。
なお、この作品は伝承が不完全で、自筆譜は第3~7曲しかなく、第1曲と第2曲は合唱4部とヴァイオリン
パートしか残っていません。このため全曲演奏には補作が必要となることから、演奏・録音の数は他の完
成したカンタータと比べて少なくなっています。
シュテファン・カーラー(アルト)
クリストフ・ゲンツ(テノール)
マティアス・ヴァイヒャルト(バス)
ゲオルク・クリストフ・ビラー指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
トーマス教会少年合唱団
バッハ:カンタータ第95番「キリストこそ わが生命」BWV95
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=sZ7R43p9SyI)。
バッハのカンタータ「キリストこそ わが生命」BWV95は、1723年の三位一体節後第16日曜日である9月12日に初演されました。
この日の礼拝ではルカ福音書から、一人息子を失って嘆き悲しむ母を哀れに思ったイエスが、棺に手を当てて「若者よ、あなたに言う。起きなさい」と言うと、棺の中の息子が蘇ってものを言うようになり、人々は恐れととともに神を賛美した、という逸話が語られました。この内容にちなんで、本作は「喜びをもって死におもむく」「死は苦しみの終わり」という風に死を美しく歌い上げる内容に満ちており、その理由として終曲で「死は滅びでなく復活の先触れ」という内容のコラールが歌われます。
音楽的には「キリストこそ わが生命」「平和と歓喜もてわれはゆかん」など、死をテーマとするコラールが4曲引用されるという異例の構成になっています。
ドロテー・ミールズ(ソプラノ)
ハンス・イェルク・マンメル(テノール)
トーマス・バウアー(バス)
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮
コレギウム・ヴォカーレ・ヘント
バッハ:カンタータ第44番「人々、汝らを除名すべし」BWV44
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=FFU_DsTiiKI)。
バッハが1724年に作曲し、5月21日に初演されたカンタータ「人々、汝らを除名すべし」BWV44は、第1曲で「人々はあなたがたを会堂から追放するでしょう」、第2曲で「あなたがたを殺す者がみな、そうすることで自分は神に奉仕しているのだと思う時が来ます」と歌われるように、曲全体が迫害の苦しみと耐乏を歌う厳しい曲想となっています。これは、初演された5月21日が復活祭後第6主日にあたり、ヨハネによる福音書からキリスト教徒が迫害される未来を予言する一節が朗読されたことに基づいて作曲されたことに拠っています。
バルバラ・シュリック(ソプラノ)
キャサリン・パトリアッシュ(アルト)
クリストフ・プレガルディエン(テノール)
ペーター・コーイ(バス)
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮
コレギウム・ヴォカーレ
バッハ:カンタータ第68番「かくも神は世を愛したまえり」BWV68
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=0vBk5J7XWBU)。
バッハのカンタータ第68番「かくも神は世を愛したまえり」BWV68は1725年に作曲され、同年の聖霊降臨節第2日にあたる5月21日に初演されました。この日には「ヨハネ福音書」から、ファリサイ派で最高法院の議員であったニコデモとイエスが論争し、イエスが「神は独り子(イエス)を与えたほど世を愛された」と語った箇所が朗読されており、このカンタータもその逸話に沿ってイエスが地上に生まれた意義を確認する内容となっています。
第1曲のコラール合唱は、ザロモ・リスコフ(1640 - 1689)が1675年に書いたコラール「かくも神は世を愛したまえり」の第1節が使われた大規模なもので、曲全体としても晴れやかで明るい曲調でまとめられています。
カール・リヒター指揮
ミュンヘン・バッハ管弦楽団
ミュンヘン・バッハ合唱団
バッハ カンタータ第87番 『今までは汝らなにをもわが名によりて』 BWV87
指揮:ニコラウス・アーノンクール
管弦楽:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
合唱:テルツ少年合唱団
アルト:ポール・エスウッド
テノール:クルト・エクヴィルツ
バス:リュート・ヴァン・デル・メール
画像はカスパー・ダーヴィト・フリードリヒより『教会のある冬景色』
バッハ:カンタータ第128番「ただキリストの昇天のみが」BWV128
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=NDCdKS1Iaus)。
バッハがライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(トーマスカントル)に就任していた1725年に作曲され、その年のイエス・キリストの昇天祭にあたる5月10日に初演された教会カンタータ第128番「ただキリストの昇天のみが」BWV128は、その名の通り「マルコ福音書」の中のイエス・キリストの昇天の文章に基づく作品です。
歌詞は女流詩人ツィーグラーの台本に基づき、イエスのあとに従っていつの日か天に昇らんとの願いをこめた曲となっています。とはいえ、彼女の台本は必ずしもバッハにとって満足できる出来ではなかったようで、バッハ自身が歌詞をかなり改変して使ったといわれています。また、作品の様式としては合唱にコラールが引用されていて、バッハの教会カンタータによくみられるコラール・カンタータに似た特徴を持っていますが、第1曲のコラールと最後(第5曲)のコラールは別の曲が引用されており、変則的な作品となっています。これらの事情から、本作はバッハのカンタータとしてはそれほど優れた出来とはみなされず、作品そのものが特に注目されることは多くありません。
ですが、第4曲の二重奏「神の全能の力は計り知れず」は、後にマックス・レーガーが変奏曲の主題として取り上げ、彼の代表作の1つ「バッハの主題による変奏曲とフーガ」ロ短調 作品81(sm32848508)が作曲されることとなります。
ルネ・ヤーコプス(カウンター・テナー)
クルト・エクヴィルツ(テノール)
マックス・ファン・エグモント(バス)
グスタフ・レオンハルト指揮
レオンハルト・コンソート
コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
ハノーヴァー少年合唱団
バッハ:カンタータ第25番「汝の怒りによりてわが肉体には全きところなく」BWV25
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=njVEgOVAUMY)。
1723年8月29日にライプツィヒで初演されたバッハのカンタータ「汝の怒りによりてわが肉体には全きところなく」BWV25は、当日の礼拝で読まれたルカ福音書の一節(らい病に侵された人々がイエスの奇蹟によって治癒する)に基づいており、最初は病気を表現した暗い曲調が続くものの、後半はイエスの奇蹟を思わせる明るい雰囲気になり、最後に「イエスは全ての病める者を救う」という賛美のコラールで締めくくられます。
音楽的には、ソプラノ・テノール・バスの独唱と4声合唱による全6曲の構成で、この頃に作曲されたバッハのカンタータの中では規模が大きいものの、レチタティーボとアリアが交互に続く標準的なカンタータといえます。
マリン・ハルテリウス(ソプラノ)
ジェイムス・ギルクリスト(テノール)
ピーター・ハーヴェイ(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:カンタータ第148番「その御名にふさわしき栄光を」BWV148
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=C44qiMunmRI)。
バッハのカンタータ「その御名にふさわしき栄光を」BWV148は自筆譜が遺されておらず、最も
古い楽譜が18世紀後半の筆写譜であるため、正確な作曲年代はわかっていません。ただ、本作の
歌詞の内容が三位一体節後第17日曜日の福音章句に対応しており、この日に初演される目的で作
曲されたことはほぼ確実と見られています。また、歌詞の語句が1725年に出版された台本に基づ
くことから、バッハがライプツィヒに着任した後の1723年か1725年の該当祝日に演奏するために
作曲された(1724年の該当祝日はBWV114が演奏されたため除外)と推測されます。
当日の福音章句は安息日に病人を癒し、形式にこだわるファリサイ派を非難するイエスを描いた
ものですが、本作の歌詞は「安息日」「安らぎの場所」というような表象をあれこれ取り上げつ
つ、「最後の時には神の大いなる安息日の宴席に招かれたい」といった、単純に安息日を讃える
内容になっています。
全6曲のうち、冒頭曲はトランペットがリードする、喜びに満ちた合唱曲で、その後はテノールと
アルトによるアリアとレチタティーヴォが交互に続きます。終曲のコラールは歌詞の指定があり
ませんが、これは筆写譜の不備によるもので、新バッハ全集では作者不詳のコラール「私の愛し
い神に」の第6節が指定されています。
ポール・エスウッド(アルト)
クルト・エクウィルツ(テノール)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
テルツ少年合唱団
バッハ:カンタータ第126番「主よ、みことばもて我らを守りたまえ」BWV126
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=qE_ge6_-8W0)。
バッハのカンタータ「主よ、みことばもて我らを守りたまえ」BWV126は1725年に作曲され、
この年の復活祭前第8主日である2月4日に初演されました。
この日は聖句としてルカによる福音書から「種を蒔く人」のたとえが述べられました。この話
では神の言葉を「種」に例え、良い土地に蒔かれた種が豊かな実りをもたらすように、神の教
えを良く聞く者は豊かな人生を送るとイエスが説いたとされています。この聖句に基づき、本
作では題名の通り「みことばもて我らを守りたまえ」という風に、神の言葉を信じるべきとい
う歌詞が歌われます。
音楽上の様式としては全6曲で構成され、第1曲でルターのコラール「みことばもて我らを守り
たまえ」が、第6曲でルターのコラール「平安を与えたまえ」が歌われており、コラールで始
まりコラールで終わるという典型的なバッハのコラール・カンタータの様式となっています。
カルメラ・コンラート(ソプラノ)
Ulrike Andersen(アルト)
レミー・バーネンス(テノール)
Samuel Zünd(バス)
Bernhard Hunziker指揮
バッハ・コレギウム・チューリッヒ
バッハ:カンタータ第61番「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV61
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=pLPSQMOFxbA)。
1714年、この年の待降節(イエス・キリストの降誕を待ち望む期間)の第1主日(日曜日)にあたる12月2日に初演されたバッハのカンタータ「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV61は、バッハの初期カンタータの名作とされ、演奏機会の多い作品です。
この曲の特色として、第1曲が「フランス風序曲」の形式に拠っていることが挙げられます。フランス風序曲はフランスにおいて、歌劇が始まる前、国王が客席につくときに「王の入場曲」として演奏されていたもので、この形式を応用することで、教会歴の始まりである待降節を祝い、天の王の到来を喜び迎える曲となっています。
全5曲の歌詞の内容は、キリスト者の信仰心をイエスが降臨すべき神殿とみなし、信者一人一人にイエスを迎え入れる心構えを勧めるものです。
クリスティーネ・シェーファー(ソプラノ)
イアン・チャールズ・ボストリッジ(テノール)
クリストファー・モルトマン(バス)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
アルノルト・シェーンベルク合唱団
バッハ:カンタータ第69番a「わが魂よ、主を讃えよ」BWV69a
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=2rvv2Esz4J8)。
バッハがライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(トーマスカントル)に就任した1723年に作曲され、この年の三位一体主日後第12主日(日曜日)にあたる8月15日に初演されたカンタータ「わが魂よ、主を讃えよ」BWV69aは、この時期のバッハのカンタータには珍しく、トランペットとオーボエが各3本にティンパニまで動員した大規模な編成の作品です。本作は題名が示す通り、全体にわたって神を賛美する祝祭的な雰囲気が全体に満ちています。
その祝祭的な雰囲気のためか、後にバッハは最晩年の1748年、ライプツィヒ市参事会員交替式に演奏するため本作を大幅に改訂して演奏しており、こちらには「BWV69」の分類番号が付けられています。
キャサリン・フーグ(ソプラノ)
ロビン・タイソン(カウンターテナー)
クリストフ・ゲンツ(テナー)
ピーター・ハーヴェイ(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
モンテヴェルディ合唱団
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
バッハ:カンタータ第51番「全地で歓呼して神を迎えよ」BWV51
1730年頃のバッハは、イタリアオペラが花開いていたドレスデンに憧れていたといわれるが、ソプラノ独唱用のカンタータであるこの第51番は、ほかの説も存在するものの、ドレスデンのビンディというイタリア人カストラート歌手のためにオペラ風の声楽書法を駆使して作曲したと考えられている作品であり、1730年9月にドレスデンで初演されたと推定されている。 ソプラノのコロラトゥーラと独奏トランペットが活躍するこのカンタータは、中間には抒情的なアリアが配されており、終曲は華麗な「アレルヤ」になっている。 ソプラノ:エマ・カークビー 演奏:イングリッシュ・バロック・ソロイスツ 指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー マイリスト≫mylist/17695801
バッハ:カンタータ第79番「主なる神は太陽にして楯なり」BWV79
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=l4kadpznOhc)。
1725年、この年の宗教改革記念日である10月31日に初演されたのが、バッハのカンタータ「主なる神は太陽にして楯なり」BWV79です。
宗教改革記念日は、ルターが「九十五ヵ条提題」をウィッテンベルク城教会の扉に釘で打ち付けた日を記念するもので、プロテスタントにとってはカトリックとの戦いが始まった重要な日とされており、バッハの曲もそれを念頭に置いて、カトリックとの戦いを鼓舞するかのように全体として活気に満ち、勇ましい作品となっています(その代わり、当日の聖書章句との関連性はありません)。
ミリアム・フォイアージンガー(ソプラノ)
マルクス・フォルスター(アルト)
ダニエル・ヨハンセン(テノール)
マティアス・ヘルム(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ:カンタータ第18番「天より雨と雪降るがごとく」BWV18
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=zCyG0N_OLGk)。
1708年にザクセン=ヴァイマル公国の宮廷オルガニストとなったバッハは、それからしばらくの間カンタータを作曲しませんでした。しかし1713年、彼は久しぶりにカンタータを作曲します。それが第18番「天より雨と雪降るがごとく」BWV18です。
この作品で歌われるのは、ルカによる福音書から「種は神の言葉である」とイエスが説く話に基づくもので、豊かな実(信仰心)を結ぶために正しい心を持つ「良い土地」となるように人々に語り掛ける内容となっています。音楽様式としては、レチタティーヴォ(話すような独唱)を中心に据えて、アリアを織り交ぜつつ、コラールで締めくくるというバッハの教会カンタータの基本形になっていますが、この作品はそういった様式を採用した初の作品であり、バッハが試行錯誤しつつも新しいカンタータの形を作り上げた重要な作品とされています。
なお、1713年にヴァイマルで初演されたときはヴィオラ4という地味な編成でしたが、後にライプツィヒで再び演奏された際にリコーダー2が追加されており、現在ではこのライプツィヒ版がよく演奏されています(この動画もライプツィヒ版の演奏です)。
ヌリア・リアル(ソプラノ)
櫻田亮(テノール)
ドミニク・ヴェルナー(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団・合唱団
バッハ:カンタータ第138番「汝なにゆえにうなだるるや、わが心よ」BWV138
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=ProeL6tKzxw)。
バッハのカンタータ「汝なにゆえにうなだるるや、わが心よ」BWV138は1723年、
三位一体節後第15日曜日である9月5日に初演されました。この日はマタイによる福
音書から「日々の思い悩みは無益であり、天の父のなさることを常に信頼せよ」と
いった説教がなされており、本作もその内容に沿った作者不詳のコラール「汝なに
ゆえにうなだるるや、わが心よ」が引用されています。
音楽様式としては、全7曲のうち第1、3、7曲でコラールが引用され、特に第1、3曲
ではコラールを歌う合唱とソロのレシタティーヴォを組み合わせており、翌年以降
にバッハが量産するコラール・カンタータの様式を先取りする実験がなされたと評
価されています。
なお第5曲のバスのアリアは、後にミサ曲 ト長調 BWV236の第3曲「Gratias」に転
用されました。
ジギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンド
バッハ カンタータ第138番 『何故に悲しむや、わが心よ』 BWV138
指揮:フィリップ・ヘレヴェッヘ
管弦楽:コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
ソプラノ:デボラ・ヨーク
アルト:インゲボルグ・ダンツ
テノール:マーク・パドモア
バス:ペーター・コーイ
画像はフルーリ=フランソワ・リシャールより『Valentine of Milan Mourning her Husband』
バッハ カンタータ第26番 『ああ、いかにはかなくいかに空しき』 BWV26
指揮:ニコラウス・アーノンクール
管弦楽:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
合唱:ウィーン少年合唱団&ウィーン合唱隊
ソプラノ:ウィーン少年合唱団より
アルト:ポール・エスウッド
テノール:クルト・エクヴィルツ
バス:ジークムント・ニムスゲルン
画像はフェルディナント・ケラーより『フローラ』
バッハ:カンタータ第185番「永遠の愛の憐れみ満てる心」BWV185
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=YP3m_8nzOVc)。
バッハのカンタータ「永遠の愛の憐れみ満てる心」BWV185は1715年に作曲され、この年の三位一体節後
第4日曜日にあたる7月14日に初演されました。
この日の福音書章句はルカによる福音書から、イエスが「人を裁くな」と説く話が取り上げられました。
これは「自分のことを顧みることなく、他人の欠点をあげつらうな」というもので、カンタータもその章
句の内容に沿って、まず第1曲で「神の慈悲によって自らも慈悲深い者となりたい」という願いが歌われ、
続く曲では他人を批判する前に自らの反省を繰り返し求めていく内容の歌詞が歌われます。
音楽様式的には、全6曲の中で合唱は最後のコラールだけ、そして第1曲も合唱曲やシンフォニアでなく、
デュエットのアリアで始まるという小規模な室内楽カンタータです。また、第1曲ではデュエットと合奏の
アンサンブルとのやりとりが印象的で、デュエットの途中でオーボエのオブリガートがコラールの旋律を
奏して割って入るという工夫がなされています。そして、このとき割って入るコラールは終曲コラールの
旋律であり、第1曲と終曲で同じコラールの旋律が奏されて曲全体の統一感が増すという仕掛けになってい
ます。
レジーナ・カービス(ソプラノ)
アレックス・ポッター(アルト)
イェンス・ウェーバー(テノール)
マルクス・フォルペルト(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ財団合唱団
バッハ:カンタータ第163番「各々に各々のものを」BWV163
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=1v3qC_FdzYI)。
バッハのカンタータ「各々に各々のものを」BWV163は1715年、この年の三位一体節後第23日曜日である
11月24日に初演されました。
初演に先立つ8月1日、バッハの主君ワイマール公の甥でヨハン・エルンスト公子が病没し、この服喪期間
中はカンタータの演奏が休止されていました。本作は、公子の服喪が明けた直後に初演されたものです。
ヨハン・エルンストはバッハの教育もあって、若くして音楽の才に恵まれていましたが、19歳の若さでこ
の世を去りました。この日の福音書章句はファリサイ派の悪意ある質問をかわすイエスの答え、いわゆる
「神のものは神に、カエサルのものはカエサルに」で、それにちなんで本作の歌詞は「病没した公子が神
のもとに帰った」という意味を持たせていると推測されます。
音楽様式としては、合唱は最後にだけ使われており、全6曲の小規模なカンタータです。しかしながら各曲
には明確な特徴があり、内容が充実している若いバッハの実験的作品といえます。
アーリーン・オジェー(ソプラノ)
ヘレン・ワッツ(アルト)
アダルベルト・クラウス(テノール)
ニクラウス・トゥーラー(バス)
ヘルムート・リリング指揮
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊
バッハ:カンタータ第38番「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」BWV38
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=zjHzIFWKPOA)。
バッハのカンタータ「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」BWV38は1724年に作曲され、同年の三位一体後第21主日である10月29日に初演されました。
この作品はルターが詩篇第130番に基づいた悔い改めのコラールに基づくもので、原曲のコラールの旋律が全6曲の随所に聴かれる「コラール・カンタータ」となっています。曲の内容は、重い病にかかった息子を嘆いてイエスに救いを求め、それにイエスが応えて奇跡を起こして病を治すといったものですが、題名にある「深き悩みの淵」という言葉そのままに、息子の病に悩んで奇跡を求める親の悲痛な感情を表現した暗い曲想が全体を支配しています。
キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
ダニエル・テイラー(カウンターテナー)
マーク・パドモア(テノール)
ペーター・コーイ(バス)
フィリッペ・ヘレヴェッヘ指揮
コレギウム・ヴォカーレ・ゲント、同管弦楽団
バッハ:カンタータ第65番「彼らはみなシバより来たらん」BWV65
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=qhzr7EU6XS8)。
1724年1月6日に初演されたバッハのカンタータ第65番「彼らはみなシバより来たらん」BWV65は、「イエスがこの世に栄光を現した日」とされる1月6日(公現祭)に演奏するための作品です。
1月6日はカトリック・プロテスタントにおいては「幼子イエスの元に東方(シバ)の三博士が訪問して礼拝を行った日」とされており、当日はマタイによる福音書などからの文言(聖句)が朗読されますが、1724年は旧約聖書のイザヤ書の一節が採用されており、本作の歌詞もイザヤ書から一節が引用されています。
作品は全7曲から成り、イエスの降誕を東方の三博士が貢物を持って祝福するという流れに沿って、全体的に明るく喜ばしい雰囲気に満ちていますが、1月6日は12月25日から始まる降誕節の最後の日であることから、第2曲と第7曲は簡素なコラールで、祝い事で浮かれ気味な信者の気分を引き締めるという意図が込められています。
ダニエル・ヨハンセン(テノール)
マシュー・ブルック(バス)
ハンス=クリストフ・ラーデマン指揮
オランダ・バッハ協会管弦楽団
オランダ・バッハ協会合唱団
バッハ:カンタータ第165番「おお 聖なる霊と水の洗礼よ」BWV165
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=SqNVIF2Lkgo)。
バッハのカンタータ「おお 聖なる霊と水の洗礼よ」BWV165は1715年の作品で、この年の三位一体節で
ある6月16日に初演されたと推測されています。
この日の福音書章句はヨハネによる福音書から、ファリサイ派で最高法院の議員であったニコデモがイエ
スと神の国について問答をしたことが取り上げられており、本作の歌詞もその内容に沿って「水と霊によ
って生まれなければ、神の国に入ることはできない」、つまり曲名にもある「洗礼」を主題にしており、
全体的な内容としては、古い罪深い自分が死んで、新しい自分が生まれるという、苦しみと喜びについて
歌われています。
音楽様式としては、この頃のヴァイマルでのバッハのカンタータに見られる、独唱と室内楽的な伴奏で構
成される小規模な様式で構成されていますが、全6曲が多彩な様式で作曲されており、演奏規模が小規模
ながら単調さを感じないよう工夫がなされています。
マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(ソプラノ)
エルヴィラ・ビル(アルト)
コリン・バルザー(テノール)
ドミニク・ヴェルナー(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ財団合唱団
バッハ:カンタータ第179番「心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを」BWV179
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=hP5zWviUyjM)。
バッハのカンタータ「心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを」BWV179は1723年、この年の三位一体節
後第11日曜日である8月8日に初演されました。
この日の福音書章句はルカによる福音書から、『ファリサイ派の人と徴税人』のたとえが取り上げられま
した。この話は高慢なファリサイ人を神は受け入れず、自己を「罪人」と呼んでひたすらに神の憐れみを
乞うた徴税人を神は受け入れるというもので、章句の最後の言葉「だれでも高ぶる者は低くされ、へりく
だる者は高められる」を説くものです。
カンタータはこの話にちなんで、偽善や高慢を警告する厳しい曲調で統一されています。通常のバッハの
カンタータは厳しい内容でもどこかに救いや赦しが確信される部分がありますが、全6曲からなる本作は
最後まで明るくならず、あまり耳に快くない音程が多いため、演奏時間は中規模でありながら演奏難易度
が高いものになっています。
なお、本作の楽章のいくつかはバッハのミサ曲に転用されており、第1曲と第3曲がミサ曲ト長調BWV236
のKyrieとDomine Deusに、第5曲がミサ曲イ長調BWV234の第4曲Qui Tollisになっています。
マグダレーナ・コジェナー(ソプラノ)
マーク・パドモア(テノール)
シュテファン・ローゲス(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:カンタータ第162番「ああ、いまわれ婚筵に行かんとして」BWV162
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=VYHiET4VSO0)。
バッハのカンタータ「ああ、いまわれ婚筵に行かんとして」BWV162は1716年、この年の三位一体
節後第20日曜日である10月25日に初演されました。
初演日に取り上げられた福音書章句はマタイによる福音書から「天国は、ある王が王子のために婚
宴を催したのに似ている」という婚儀の例えであり、その時に初演された本作の歌詞は全体を通し
て「神の国の宴」について触れ、「神の婚宴にふさわしい信仰を身につけるべき」と歌われます。
音楽様式としては、バッハがヴァイマルでザクセン=ヴァイマル公の宮廷オルガン奏者・楽師長の
地位にあったときの作品で、全5曲という構成や室内楽的な編成、それに合唱が終曲のみと、ヴァ
イマル時代の他のバッハのカンタータと同様に簡素な作りとなっています。
トビアス・ヴァイヴァンガー(ソプラノ)
ポール・エスウッド(アルト)
クルト・エクヴィルツ(テノール)
ロベルト・ホル(バス)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
テルツ少年合唱団
橋本國彦:交声曲《英霊讃歌》
昭和十八年、元帥山本五十六海軍大将の追悼に捧げられた曲です。歌詞は東京音楽学校校長だった乗杉嘉壽の作です。敗戦の報せを聞いた橋本が総譜を破いたため、オリジナルスコアは残っていないとのことです。橋本には南京陥落を祝う「光華門」(作詞者は何と中勘助!)もあり、そちらも手に入ればアップしたいと思っています。作曲者指揮、東京音楽学校管弦楽団と同合唱団による演奏。独唱は藤井典明。歌詞はこちら→http://anond.hatelabo.jp/20121025173123 今まであげた動画→mylist/34165070 (追記:もっと良い音源が手に入ればそちらに差し替えます)
バッハ カンタータ第22番 『イエス十二弟子を召寄せて』 BWV22
指揮:フィリップ・ヘレヴェッヘ
管弦楽:コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
アルト:マシュー・ホワイト
テノール:ヤン・コボウ
バス:ペーター・コーイ
画像はエル・グレコより『盲人を治癒するキリスト』。
バッハ カンタータ第28番 『感謝せん、今ぞ年は終わりゆく』 BWV28
指揮:ニコラウス・アーノンクール
管弦楽:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
合唱:ウィーン少年合唱団&ウィーン合唱隊
ソプラノ:ウィーン少年合唱団より
アルト:ポール・エスウッド
テノール:クルト・エクヴィルツ
バス:ジークムント・ニムスゲルン
画像はフェルディナンド・プィゴドウより『夕日』
バッハ:カンタータ第60番「おお永遠、そは雷のことば」BWV60
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=Sa0s8C4N8o4)。
1723年に初演されたバッハのカンタータ「おお永遠、そは雷のことば」BWV60は全5曲からなり、「恐れ」と「希望」を擬人化して、両者が対話するという一風変わった形式となっています。信仰心が足りず、死を恐れる「恐れ」(アルト)に対し、神を深く信ずる「希望」(テノール)が語り掛け、第4曲で「イエスの声」(バス)が「今より後、主にあって死ぬ人は幸いである」と語ることで「恐れ」にも救いがもたらされて、終曲のコラールで締めくくるという筋立てとなります。
ロビン・タイソン(アルト)
ジェイムス・ギルクリスト(テノール)
ピーター・ハーヴェイ(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:カンタータ第181番「軽佻浮薄なる霊の者ども」BWV181
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=xdIqBGk6PJ0)。
バッハのカンタータ「軽佻浮薄なる霊の者ども」BWV181は1724年に作曲され、この年の復活祭前第8主日
に当たる2月13日に初演されました。この日の福音書章句はルカによる福音書から「『種を蒔く人』のたと
え」で、神を「種を蒔く人」に、神の教えを「種」にたとえ、神の教えは全ての土地に平等に行き渡るが、
その種が育つのは「良い土地」(信心深い人が大勢いる場所)であると説いています。本作はこの章句に沿
って、神の言葉(種)を芽吹かせる良い土壌となるよう備えよと呼びかける歌詞が歌われます。
初演時の楽器編成は弦とトランペットのみという簡素なものでしたが、後年の再演時にオーボエとトラヴェ
ルソが追加されており、現在ではこの再演時の編成で演奏されるのが一般的です。また、本作は通常のカン
タータでは冒頭に置かれる合唱がなく、いきなりアリアで始まります。更に、普段は最後に演奏される単純
4声体のコラール楽章がなく、途中のアリアやレシタティーヴォにもコラールの素材が使われておらず、作
品中に全くコラールの要素が現われないという、珍しいカンタータとなっています。
ミリアム・フォイアージンガー(ソプラノ)
アレックス・ポッター(アルト)
ユリウス・プファイファー(テノール)
クラウス・メルテンス(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団
バッハ財団合唱団
バッハ:カンタータ第154番「いと尊きわがイエスは見失われぬ」BWV154
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=-NyKKhEqPcs)。
1724年1月9日(顕現祭後第1日曜日)、バッハのカンタータ「いと尊きわがイエスは見失われぬ」
BWV154が初演されました。この日の礼拝では、ルカ福音書から「12歳のイエスがエルサレムに詣
でた際に両親とはぐれ、両親は八方手を尽くしてイエスを捜し、神殿で学者と問答しているイエス
を発見する。両親はイエスを叱責するが『父(である神)の傍らに子がいることがなぜ分からない
のですか』とイエスは反論する」という福音書章句が選ばれました。本作の歌詞はこの逸話から、
信仰の拠り所となるイエスを失った人間の不安と再び見いだし得たことの喜びを歌い、最後に「も
う離すことはない」と誓いを述べる内容になっています。
音楽様式においては、新年が明けた直後で参加する団員が少ない時期の演奏であることをバッハが
考慮して、曲数は全8曲と多いものの1曲の演奏時間は短いうえに独唱者主導で歌詞が歌われ、伴奏
もオーボエ・ダモーレ2本と弦楽器・通奏低音およびチェンバロという小規模な編成になっており、
バッハのカンタータの中では全体的に地味な作品といえます。
アン・マレイ(アルト)
アルド・バルディン(テノール)
ヴァルター・ヘルトヴァイン(バス)
ヘルムート・リリング指揮
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
バッハ:カンタータ第77番「汝の主なる神を愛すべし」BWV77
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=AERnWgdP6ws)。
バッハのカンタータ「汝の主なる神を愛すべし」BWV77は1723年、三位一体節後第13日曜日にあたる8月22日に初演されました。この日の聖句はルカ福音書の中でも有名な「善きサマリア人のたとえ」で、これにちなんでカンタータも隣人への愛と神の愛について歌われます。とはいえ、福音章句と直接の関係がある歌詞は第4曲(テノールのレチタティーヴォ)のみで、それほど明確なストーリーがあるわけではありません。
音楽的には、冒頭曲の合唱のあとはアリアとレチタティーヴォが交互に並び、最後はコラールで締めくくられる全6曲から成っており、本作の1週間前に初演された「わが魂よ、主を頌めまつれ」BWV69aに比べると演奏規模は簡素になっています。
デートレフ・ブラチュケ(ソプラノ)
ポール・エスウッド(アルト)
アダルベルト・クラウス(テノール)
マックス・ファン・エグモンド(バス)
グスタフ・レオンハルト指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
コレギウム・ヴォカーレ
レオンハルト・コンソート
ハノーヴァー少年合唱団
バッハ:カンタータ第155番「わが神よ、いつまで、ああいつまでか」BWV155
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=5uKjvD6FZNo)。
バッハのカンタータ「わが神よ、いつまで、ああいつまでか」BWV155は1716年、この年の顕現節
後第2日曜日にあたる1月19日に初演されました。この日の福音書章句は「酒がなくなって困ってい
るところに奇蹟により水がワインに変わって事なきを得た」というもので、この逸話に基づいて、
歌詞では果てしない苦悩から、やがて苦悩が終わる時への希望、やがて重荷がおろされ、神の元に
飛び込んでゆく喜びといった物語が歌われています。
音楽様式としては、レシタティーヴォとアリアが交互に2曲ずつ、そしてコラールの全5曲からなる
簡素なものですが、第2曲のアルトとテノールのデュエットによるアリアではファゴットに難しいソ
ロパート(通常の現代楽器では出せない低い音を含む)を吹かせるなど、カンタータに新風を呼び
込もうとするバッハの意欲的な試みがうかがえ、バッハのカンタータを研究するうえで注目すべき
作品となっています。
ユリア・ノイマン(ソプラノ)
マーゴット・オイツィンガー(アルト)
ユリウス・プファイファー(テノール)
ラファエル・ユート(バス)
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団